朝ドラ「マッサン」と国際結婚(前編)
こんにちは、Erinaです。
今さらなのですが、朝ドラの「マッサン」を見ています。
マッサンは2014~1015年にかけて放送された朝のNHKドラマだそうで、戦前の国際結婚夫婦が主役になっています。
モデルになっているのは、ニッカウィスキーの創業者、竹鶴政孝と妻のリタさんで、北海道・余市(よいち)で彼らが日本で最初のウィスキーを作ることになった経緯などが物語になっています。
1918~1920年、スコットランドでウィスキー作りを勉強していた竹鶴政孝は、そこでリタさんに会います。彼が日本に帰国する際に、結婚をし、二人で日本に戻ってくるという流れです。
余市には現在でも蒸留所があり、博物館にもなっているのですが、実は旦那と初めて日本旅行をしたときに立ち寄った場所でもありました。私の実家は札幌なのです。
それは2007年のことだったのですが、旦那は英語で紹介された竹鶴夫妻とニッカウィスキーの歴史に軽く感動し、「スコットランドからピート(泥炭)を輸入した」とか「水がきれいだったので余市を選んだ」と覚えて帰ってくるほどでした。
今回、ドラマのマッサンを見て、私は第一回目から泣いてしまい(笑)、英語字幕つきだったので旦那にも「コレ、見て!」と押し付ける始末。
一緒に15分間見て、「これは良いじゃないか・・・」と二人で感動してしまったのでした。
そんなわけで、マッサンを見ていて感じた、国際結婚について書いてみたいと思います。
ちなみに、私は竹鶴夫妻本人を知らないので(当たり前ですが)、ドラマでの役柄や動き方を元に感じたことです。
覚悟
最初からコレです。笑
英語では”Determination”だと「決断」、もっと強い「覚悟」は”Resolution”という感じでしょうか。「心の準備」という意味で、”Preparedness”も使えるかもしれません。
当時、スコットランドを離れて日本にやってくるという決断は、並々ならないものだったはず。おそらく、「もうスコットランドに戻ることはないだろうな」と思ってエリーさんは日本にやってきたはずです。船旅で海外に行くというのは、そういうことだった。
つまりそこには、並々ならない「覚悟」があったはずです。
今では飛行機があり、チケットも安く手に入ります。
何かあればビューンと里帰りすることができる。旦那と離れて「充電」だってできる。
でも、そんなことはありえない時代、国際結婚というものはもっともっと重大な決断でした。それも住んだことのない国で、旦那さん以外に頼れるものがない、テレビや雑誌で見たこともない生活というのは、やはり勇気あるどころの話ではありません。
「覚悟」というのは、私がアメリカに来て以来、よく使う言葉になりました。
「自分にはその覚悟ができているだろうか」
という質問は、やはり何か大きな決断をするときにアタマを冷静にさせてくれます。
それは、旦那さんがどうこうとか、仕事がどうこう、周りがどうこうということではなく、あくまで「自分との対話」なのです。
この「覚悟」がなければ、旦那さんがどれだけスイートな人でも、仕事や生活の準備が万端に整っていても、全く無意味であり、逆に、何も揃っていなくても、覚悟があれば、前を向いて強く生きていけるからです。
私が19歳でアメリカの地に降り立ったとき、そこには何もありませんでした。仕事も、経験も、知識も、英語力も、生活力も。
だけど、一つだけ、覚悟がありました。
「アメリカで成功するまで、日本には帰らない」
という覚悟です。
この覚悟は、その後、ホームシックになったときや進路で悩んだとき、人間関係で悩んだときにも絶対的な力を持っていました。
「こんなことで負けない」
と思うための力です。
19歳でLAXに着いたときは、それから先に何が待っているかなんて想像もつきませんでした。事実、それまでの人生で体験もしたことのない試練がどんどんどんどん、湧き水のように出てきたし、それはアメリカ生活が15年になった今でもそう。
それでも、私の中の覚悟は絶対に揺らがなかったし、日本に帰ろうと思ったことはこれまでに一度もありません。
現代の日本人は、様々な理由で海外移住をします。
そこで初めて直面する「自分のことを誰も知らない」という経験は、人間としてかなり貴重な体験だし、そこから何をどうやって築くかというのは、人に教えてもらえることではなく、本当に純粋に、自分の人間としての力を試されるところ。
私はアメリカに来て、丸裸にされた気分でした。丸裸でステージ上で、「さぁ、勝負しろ!」と言われてる気分を味わいながら、最初の1~2年は過ごしました。
私が今の旦那と出会ったのは、渡米してから3~4年後のことでした。
親より年上の彼との結婚を決めたとき、好きだから彼と一緒にいたいのと同時に、将来への不安もありました。
結婚の決め手になったのもやはり自分の中で覚悟ができたからでした。
「これから、私たちに何が起こるかはわからない。だけど、何が起こっても彼となら乗り越えたいと思える」
そう思えたとき、私はこの人と結婚するんだ、と思えたのです。
それから11年、山あり谷ありの結婚生活は続いています。
やっぱり11年前には想像もつかなかった「何か」がそこここで起こりました。そして私たちはそのたびに一緒に乗り越えてきました。
それは夜中まで話し合うことだったり、マリッジセラピーに行くことだったり、人に相談してみたり、時間を置いてみることだったりと、色々なスキルを身につけながら、夫婦として成長してきたわけです。
顔も見たくない夜もあったし、同じベッドで眠りたくない夜もありました。
“I love you, but I don’t like you today.”
「愛してる。だけど、今日のあなたは好きじゃない」
なんて言うこともありました。
だけどそれでも、私が夫婦の原点に戻るときは、
「これから、私たちに何が起こるかはわからない。だけど、何が起こっても彼となら乗り越えたいと思える」
をいつも思い出します。
それは結局、「すべて自分」だから。
彼のせいでもない、お金のせいでも、仕事のせいでも、子どものせいでも、親のせいでもない。
すべては自分の中に答えがある。
それに気づけない限り、何も変わらないし、誰も動かない。
私はそう思うのです。
こういう記事を書いていると、「国際結婚ってどうですか?」とか「ウチの娘が国際結婚するんですけど、心配で・・・」という質問をいただきます。
正直なことを書くと、「どうも何も、その結婚にあなたは(または娘さんは)覚悟はありますか?」としか答えられません。
夫婦の形は、10組あれば10通りあるし、何が正しくて、何が幸せかなんて、本人たちにしかわかりません。
ただ、「覚悟はあるか?」と聞かれたとき、「あります」と言えるなら、結婚すれば良いし、覚悟とは何を指すのかわからないなら、まだ覚悟ができてないのでは?と思います。
このトピックだけで終わってしまいましたが、続きは後編で・・・。
「まっさん」私たち夫婦も去年の夏にハマりました(笑)。夏、日本に帰省したときに北海道旅行をしたのです。登別温泉から札幌に行く途中、余市の工場を見学しました。私はまったく知識がなかったのですが、博物館などを見て回って、竹鶴とリタの話にいたく感動しました。リタさんの手書きのレシピノートは泣けましたね。サンディエゴに戻ってから、早速DVDを全部手に入れて連日暇さえあれば「まっさん」鑑賞。エリーは、どうやっても壊れない固い壁にケガ覚悟で体当たりでぶつかっていますよね。しかも戦争が始まってしまう。私も主人も泣いたり笑ったり忙しかったです(笑)。堤真一の大将と、濱田マリのキャサリンがとても好きでした。
Naokoさんご夫婦もハマりましたか!
実はこの前に「ごちそうさん」も見たんですが、朝ドラの良さを改めて発見している私です。
本当、エリーさんのエネルギーはとても良かったですね。
日本人だったらへこたれちゃうんじゃないか、というところを、外国人だからああやって新鮮な気持ちでぶつかっていけるんだろうと思ったし、それはアメリカにいる私も同じなんだな、って考えさせられたり。
一度、日本を離れた私自身が、日本のために何ができるだろう?って改めて考えさせられました。
私も堤真一と濱田マリの二人、すごく好きです。良い役ですね。