「親である」という実績

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こんにちは、Erinaです。

 

アメリカで子どもを育てるようになって感じたことは、この社会は「自分が親である」というアピールをする機会が多いということ。

 

どういうことかと言うと・・・

 

たとえば、子ども達の水泳チームにサインアップする前、チームのウェブサイトでリサーチをしました。コーチがどんな人たちなのかを知りたかったからです。

 

そこでAbout Usなんていうページを見てみると、ヘッドコーチの紹介がまずあります。

 

「ヘッドコーチのコーチ・キャシーは、5歳の頃から泳ぎ始めてナンチャラナンチャラ・・・・」

 

に続いて、

 

「コーチ・キャシーには二人の娘とひとりの息子がいます。長女のサラはABC大学のスイミングチームを州2位の記録を残して卒業し、現在はどこどこでスイミングコーチをしています。次女のエイミーは同じくABC大学のスイミングチームに属していて、高校時代は背泳ぎで州2位でした。長男のエイダンは・・・・」

 

と、コーチ・キャシーのスイミングコーチとしての実績+母親としての実績が堂々と紹介されているわけです。

 

 

同様に、うちの子ども達の学校ではクラスごとのウェブサイトがあり、必ず担任の自己紹介ページがあります。

そこでも、

 

「ブラウン先生は、7th Grade(中1)の息子アンディと4th Grade(小4)の娘マリアがいます。

アンディはバスケットボールチームのキャプテンで、州大会に出場しました。

マリアはチアリーディングチームのキャプテンで、XYZ大会で優勝しました。

週末は家族4人でハイキングをして、Jumba Juiceを飲むのが家族の伝統です。」

 

のように、とにかく子どもや家族を登場させては、ポジティブな紹介を書くわけです。

 

 

これ、日本ではほとんど見かけませんね。

 

これは日本とアメリカの「プライベートとプロフェッショナル」の分け方の違いなのだと思いますが、ここアメリカで仕事をしながら家族を持つことのハードルが低い証拠だと思うのです。

たとえば、日本では「公私混同するな」と言われます。

ここでの混同とは、どちらかに不利益をもたらすような混同の仕方(たとえば会社の資金を家族の出費に当てるとか)であり、「家族を持っている」という事実を無視して仕事をしろ、ということではないと思うのです。

 

アメリカでは、大統領やハリウッド俳優・女優たちに始まり、ビジネスの大物たちが、配偶者(ワイフやハズバンド)と手をつないで登場したり、子ども達との時間を公にするというのはやはり、「ファミリーマン」「ファミリーウーマン」であることが社会的に良いことだと思われる社会だからでしょう。

逆に、仕事ができても、家族をかえりみずに家庭崩壊寸前だとか、子どもが全くなついていないなんていう人間は、本当の意味での成功者とは評価されないし、「ワーカホリック」はかつての意味よりももっとネガティブな意味合いで使われています。

 

 

私自身、親として、自分の子どもたちがどんな先生やコーチと時間を過ごすのか、というのはやはりとても気になるところでもあります。

それは学校での勉強やスイミングのスキルというものだけでなく、先生やコーチが人として、大人として、どうやって子ども達と接するのかを知りたいし、親として実績がある、つまり、ハッピーな子どもを育てたことがあるという経験は、そういう場面で高い評価を得られるわけです。

 

スポーツ種目になると、結果だけを見たときに、「ずいぶんスパルタだなぁ・・・」と思うこともあるのですが、強制的にやらされているか、それとも自主的にやっているのか、子ども達を見れば一目瞭然です。

やはり良い親でもあるコーチがつくと、子ども達が自主的に「やりたい!」と思って練習し、自主的にもっと速くなりたい、上手くなりたい、と思っているのが目に見えるからです。

そういう子どもを育てるのは簡単なことではありませんから、上手な育て方をしているんだろうな、と思えます。

 

 

 

私はここで、子どもを持たない人や家庭を持たない人が不利だ、と言いたいわけではありません。

むしろ、「親になる」というチャンスをすでに与えられた人たちが、その価値を理解し、良い意味で利用している人が少ないのではないか?と思うのです。

結果として、子どもを持つことで肩身の狭い思いをする社会だとか、結婚や家族を持つことに利益がないだとか、そういう寂しい考え方が蔓延する時代になってしまったのでは?と思うのです。

 

「日本は子どもを育てづらい」と、子育て中の同年代の友人たちからよく聞きます。

ニュースなどを聞いていると、きっとそうだろうな、と思うのです。

 

それは子育て中の親たちが辛い思いをしていることと、子育てをしたことのない人たちの不安が負のループを作り上げていて、ネガティブな言葉やイメージしか出てこないからでしょう。

 

逆に、「子育てって素晴らしいよ!」「子どもって超面白いよ」という側面もきちんと伝えられれば、「結婚って良いかも」「家族って良いかも」と思える人ももっと増えるのでは?と思うのです。

 

そのためには、ちょっとした会話で「うちも小学生の息子がいるんですけど・・・」と話せる雰囲気を作ることだったり、自分は家族も大事にしていますというアピールだったり、お互いの家族への理解や寛容が必要なんじゃないかなと思うのです。

 

職場にいても、寝ていても、私は24時間母親であることをやめないし、それは子どもが成人して家を出たとしても、終わることじゃないから。

「親になります」と一度サインアップした以上、一生、自分は母親なのだと私は考えています。

 

 

 

 

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

5 Responses to “「親である」という実績”

  1. avatar

    Tommy

    アメリカに主人の仕事の為に来て、私自身はこの国では仕事も学歴もなく、ちょい弱気な自己紹介をした時に、あなたは母親という立派で1番大変な仕事をしているじゃない!と相手から言われた時に涙がでるほど嬉しかったのを思い出します。

    私自身、今は仕事探しか大学で勉強するか、資格をとるかで、子育てしながら現実的にできる事を色々模索中です。どの道に進むとしても、自分の人間性を紹介する機会に出会ったら、母親である自分も含めた私としてもっと堂々としていこうと思いました。

  2. avatar

    Erina

    Tommyさん、こんにちは!
    コメントありがとうございます。

    私も同じことを言われて、母親としての仕事の大切さに気づかされたことがあります。
    親であるということは、誇りを持つべき仕事だという考えがこの国には根付いていて、そのおかげで、親である自分を受け入れて、それが自分の子どもへの愛情にもつながりますよね。
    そういう意味でやっぱりアメリカは子育てしやすいなぁと思うのです。

    他の物事(仕事とか学校)はあとはタイミングの問題で、「あ!今なら出来るかも!」と感じる瞬間がやってきます。
    そういうときに、不思議なことに出会いとかってあるわけで。
    母親であることに、胸を張りましょう!!

  3. avatar

    りょうこ

    おぉ!まさにその通り!と思います。ほんとアメリカって子育ての実績アピールすごいですよね。この間もコーチに自分は娘をすごく有名なスポーツ校に推薦入れたと説明されました。逆にアメリカではあんまり、学業面では実績を披露しないですね。

  4. avatar

    Erina

    りょうこさん、毎度です~!
    やっぱりスポーツとかがメインでしょうかね。
    勉強面のことはどうしてあまりシェアしないのかなぁ。
    うちの旦那が、「アメリカの子ども(と親)達のスポーツへの情熱を勉強にも傾けるべきだ」って言ってたのを思い出します・・・。笑

  5. avatar

    留学先で会話が弾まない?それって英語のせいだけじゃないかも! - 留学BOX

    […] (引用:In Nadeshiko Way/「親である」という実績) […]

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