オバマ大統領の広島訪問

こんにちは、Erinaです。

 

歴史的な広島訪問が実現しました。

現役のアメリカ大統領として、オバマ大統領の広島訪問は、私たち在米日本人にも大きな一歩だったと思います。

 

私がアメリカにやってきて、強く感じたことがあります。

 

それは、「自分がこれまでに学んできた歴史を疑え」ということでした。

 

つまり、私が日本人として、日本の学校で学んだ、日本の歴史。それが全てではないかもしれない、ということでした。

 

渡米して最初の年、あるパーティで出会ったアメリカ人に、「Iwo Jimaについて知ってるか?」と聞かれた時、私は「Hiroshimaでしょ?」と答え、「いや、違う」となんとも平行線になったことがありました。硫黄島についてのあの映画が出る前のことです。

私は、アメリカにとって大きなトピックである「硫黄島」のことを知らないで育ったのでした。

 

アメリカに住んで14年。

 

「自分が学んできた日本の歴史は、世界から見たら違うものだった」

 

という衝撃の事実を受け入れられるようになりました。

 

それはたとえば、

 

「広島と長崎への原爆は、戦争を終わらせるのに必要だった」

 

という事実。

 

結果として二つの原爆は第二次世界大戦を終わらせることになったのは事実。

 

だけれど、日本ではそのようには教わっていません。

 

原爆のむごさや、被爆した方の体験、むしろ感情論が強い。

それは被爆当時国として当たり前の解釈だし、そういう伝え方も必要ではあると思います。

 

しかし、世界の歴史として、当時、日本がどんな風に見られていたのか、どんな結果として原爆が投下されたということを知った時、私は第二次世界大戦(太平洋 戦争)というものを、一歩下がったところから見ることになり、本当の意味で「歴史を知る」ということを知ったのでした。

 

それは、反対側にいるアメリカ人の意見を聞くことだったり、アメリカでどういう報道をされているのかを知ることだったりします。

 

ちょっと早口ですが、このビデオがとても興味深いです。

日本の歴史が世界からどう見られているのかを知りたい方は、ぜひ見てみてください。

 

 

他には、真珠湾攻撃が起こった12月7日近くになると、アメリカではニュースでも大きく取り上げられ、肩身が狭く感じる日本人も多いはずです。

 

「あれはひどい攻撃だった」

「彼らは生き残った英雄たちだ」

 

そんな言葉を聞くたびに、自分たちが悪者のように感じる。責められているように感じる。

そんな日本人も多いはずです。

 

原爆が話題に上がった時のアメリカ人も同じ気持ちのはずです。

自分とは個人的に全く関係がなくても、軍事的に必要な手段であったとしても、非人道的な行いが多くの無実の人間を殺し、傷つけた。

それが軍人であれ、一般市民であれ、関係ありません。

 

私は自分で選んでアメリカにやってきた日本人として、こう考えます。

 

歴史を恨む人もいる。

過去を絶対に忘れない人もいる。

アメリカを憎む人もいる。

 

日米関係のバランスをとるために、そういう人も日本には一定人数が必要だと思う。

 

だけど、私はそれを受け止めて、前に進みたい。

忘れるのでも、無視するのでもなく、そういう過去を知った上で、「私は日本人です」とアメリカで胸を張りたい。

自分の子供にもそう教えたい。

 

そのためには、許すことも、受け入れることも、愛することも必要。

祈ることも、感謝することも忘れちゃいけない。

 

大事なのは、誰が正しいとか、何が真実かを追い求めるのではなく、世界で歴史というものがどう語られているかを知ろうという姿勢。

過去のあらゆる戦争で犠牲になった人の命を無駄にしないための生き方を、私は友好的な手段で進めたいと思うのです。

 

 

ちょっと話が変わりますが、今回のオバマ大統領の広島訪問は、日米でかなりの温度差があり、それに気づいた方もいらっしゃるはず。

日本では、「歴史的訪問!」と大々的に取り上げられたものの、アメリカではかなりあっさりです。

 

これは、アメリカにとっての2016年というのは、やはり日本にいるのでは感じられない特殊な一年だからです。

11月に大統領選挙を控えたアメリカは現在、ユニークな候補者たちで盛り上がっていて、はっきり言って、オバマ大統領の動向よりもそちらに興味があります。

 

加えて、大統領任期の最終年に行われる業務というのは、「その後」、つまり大統領を退任した後に何をやるか、ということにつながるので、大統領としても今後の計画を練っているわけです。

政治に戻ることはなく、たいていは本を書いたり、スピーチに出かけたりと、「元大統領」というステータスを使って、収入を得る。

なので、最終年というのはいわば、そのための「準備」みたいなものなんですね。

 

なので、アメリカ市民から見たら、今回のオバマ大統領のアジアツアーというのは「パフォーマンス」みたいなものであり、政治的なレバレッジを動かすためでも、国政に影響を生むためでもなく、あくまで個人的な訪問、というのが正直な見解です。

 

それでも、「広島を訪れる」ということがチェックリスト(やるべきことリスト)に入っていたオバマ大統領は私にとって好感度が高いし、他の大統領たちがやらなかったことを成し遂げたという意味で、やはり歴史的な大統領だったなと思えるのです。(同じ税金を使って、NRAと会食・・・とかよりは断然良い。)

 

 

今日はアメリカではMemorial Dayと呼ばれる戦没者記念日。

戦争で亡くなった方達に祈りを捧げる日です。

私はアメリカに住む日本人だから、アメリカ軍だけでなく、あらゆる国の戦争で亡くなった人たちのことを、ナニジンでもなく、一人の人間として、祈りを捧げます。

 

 

 

“オバマ大統領の広島訪問” への10件の返信

  1. こんにちは。いつも楽しく拝読させていただいています。

    これはどこそこの国民だからどうこうではなく、人類全体の負の遺産ですよね。
    えりなさんは原爆の被害を資料館などで直接ご覧になったことがありますか?
    それでもそのアメリカよりの歴史観をのんびり語られるようなら、すごいメンタリティだと思います。

    “「広島と長崎への原爆は、戦争を終わらせるのに必要だった」 という事実。
    結果として二つの原爆は第二次世界大戦を終わらせることになったのは事実。“
    とありますが、この二文に事実は一つもなく、事実は

    1945年アメリカ軍が日本の広島市、長崎市に対して原子爆弾を投下した。この核兵器によっておびただしい数の一般市民が地獄絵図のような様相の中で亡くなっていき、被爆による人体への影響は現代にまで残り、多くの人を精神的肉体的に苦しめ続けている。

    ことではないのですか?
    思いっきりアメリカ中心の主観が入っていますよ。
    少し前のロイターのコラムでも(外国人の記者です)
    “当時のトルーマン大統領は1945年の広島への原爆投下を伝える演説で、復讐と、米国だけが持つ新しくて並外れた力を強調。軍事的に必要だったという議論はその後、原爆投下を擁護する1947年の論文によって生まれた。”
    とありました。つまり原爆投下によって戦争が早く終わったというのは後付けだったとう解釈です。これは日本以外でも受け入れられている考えですよ。
    戦争は悲惨です。でもアメリカも日本も深い内省を行い、人類として間違っていたと謝罪する謙虚さは必要でしょう。アメリカの教育は謙虚ですか?教育が偏っていると思います。

  2. Yuhaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    Yuhaさんがどちらにお住まいで、どのような環境で生活されているのかわからないので、なんとも言えませんが、私は確かに、日本で生まれ育って、日本しか知らない日本人に比べたら、かなりアメリカ寄りでしょうね。
    それは原爆という史実を個人的に好きか嫌いかという議論ではなく、置かれた環境で、人は学習するものや理解することが変わってくるし、そこで何をジャスティファイして、何を選ぶかというのも人生において変化するものでしょう。
    私も広島の原爆記念館に行ったことがありますし、はだしのゲンも読みました。長崎にも二度行きました。
    広島で被爆された方ともお会いしてお話ししたことがあります。

    >1945年アメリカ軍が日本の広島市、長崎市に対して原子爆弾を投下した。この核兵器によっておびただしい数の一般市民が地獄絵図のような様相の中で亡くなっていき、被爆による人体への影響は現代にまで残り、多くの人を精神的肉体的に苦しめ続けている。

    というのも事実。

    「広島と長崎への原爆は、戦争を終わらせるのに必要だった」 という事実。
    結果として二つの原爆は第二次世界大戦を終わらせることになったのは事実。

    というのも事実。

    事実は、語る人の数だけ存在しますから、何が正しくて、何が間違いかというのはナンセンスだと思うし、それは私が先に書いたように、生まれ育った環境に
    よるところが大きいですね。
    だからこそ、他の場所での「事実」を締め出すことはせずに、「あぁ、そういう風に伝えられてるんだな」と学ぶ姿勢の方が大事なように私は思います。
    それがのんびりだと受け止められたら、外国生活が長くなると、日本人もこうなるんだな、とあきらめてください。笑

    アメリカの教育が偏っているとおっしゃるように、日本の歴史教育しか知らない日本人も、同様に偏っているのでは?と疑うことも必要だと思いませんか。
    確かに、偏っているアメリカ人はごまんといますが、私は同じ振れ幅で日本側に偏っている日本人にはなりたくないと思っているので、歴史に関してはこういうスタンスなのです。

  3. コメントありがとうございます。
    おっしゃていることはよく分かりますよ。
    たぶん、文章中に使われている”事実”という言葉の認識がずれがあるんだなと分かりました。
    アインシュタインを否定するならもうどうしようもないですが、世界の歴史が複数ないのであれば事実(=出来事)は一つです。そこには主観や言い訳、大義名分はいっさい含まれません。
    えりなさんの文中の”事実”は叙情的なニュアンスがあるのではないでしょうか・・・それは日本語で最適な言葉は「解釈」だと思います。
    あるいは、”事実”は「事実」と書くなどして統一して区別された方がいいのではと思います。
    事実は一つ、解釈は複数。
    そうしたら全く違和感はありませんでしたね。
    えりなさんの受けた教育は日本とアメリカ両方だから特殊であり、平均的アメリカ人が同じような思考回路ではないでしょうし・・・。えりなさん個人の考えとして、勿論いいと思います。
    少なくとも今の日本人は「世界からどう思われているか」に非常に敏感で、
    偏った見方をする若者はあまりいないのではないかと思いますよ。
    また、日本のご友人に聞いてみてください。

  4. Yuhaさん、

    誰かを憎みながら、何かを恨みながら生きることって苦しくありませんか?
    誰でもそういう感情を持つものですが、現実と過去が矛盾する中で、それに理屈をつけることは限りがあります。
    だから、人は過去を横において、前に進むんです。

    私がサンディエゴで出会った、ある男性がいます。
    河村さんという方です。
    彼は2歳のときに、広島で被爆されました。
    彼とのお話と、そこでの考えを、こちらで記事にしています。
    http://takeiteasyinamerica.com/?p=17430

    河村さんは、私が今までに出会った日本人の中で、誰よりも穏やかで、静かで、かつ強い言葉を発する人です。
    そこに行き着くまでに、どんな恨みや苦しみがあったのだろう?と私には想像もつきませんが、彼はそういう感情を表に出すことは一切ありません。とても立派な方です。
    こういう大先輩が世界を視野に入れていること、彼のような日本人が世界から認められていることは、アメリカでやっていく日本人として心の支えになっています。

  5. 機会がありましたら、日本で一番長い日という映画をみてみてください。かなり史実に基づいているはずです。原爆が落とされる頃からもうもう日本は完璧に疲弊した状態で、国外の日本軍も日本国内もとにかく物資不足、食糧難でもう死にそう〜って感じでした。あんなに強力な爆弾を2回も落とさなくてももう降参!っていう直前だったんです。ほら、金属も無くって、家庭からヤカンやお鍋を徴収したり。でも陸軍、政府、海軍などがそれぞれの立場でメンツを守る形でどうやって降伏条件を受け入れるか、もたもた話しあってるうちに2回も落とされてしまったんです。
    アメリカの多くの人が真実を主張している「原爆のおかげで、戦争を終わらせることが出来て良かった!多くのアメリカ人の犠牲を増やさなくて良かった」というのは彼らの原爆を正当化する言い分なんです。だって、誰も「あれは非人道的だった。赤ちゃんや妊婦を含む非戦闘員を殺してしまった。。今でも原爆症で苦しんでる人がいる。。。」なんて思いたくないですもんね。っていうか知らないでしょうね。それよりも真珠湾攻撃した悪い日本をやっつけるため、そしてこれ以上アメリカ人の犠牲者を出さないため!って思うほうがすっきりしますよね。私もそう思えたら、楽だろうな〜って思います。だって日本にいる日本人でもそうやって思っている日本人たくさんいますもの。
    広島で原爆投下後、乳がんの発生率がとても増えたんですって。このデータひとつを見ても、正当化されるべきことでは無いと思います。
    ほんとひどいです。人体実験に必要だったという説もありますね。人種差別っていう見方もあります。だって、同じ状況だったドイツには落としてませんもの。
    オバマ大統領の訪広島、アメリカでもラジオ(NPR)ではかなり取り上げられていました。もちろん日本からの報道とは違った方向からでもありました。「謝る」ことはありえないし、その心配は無い、みたいな感じでした。がっかりしました。でも、しょうがないですね。だって、アメリカでは大半の人々が原爆投下は正しかったって信じてるんですから。
    メモリアルデーの際、アメリカ兵士だけじゃなくて、世界中の兵士の方々を追悼するって考えてるの私だけかもなーって思ってたので、Erinaさんも同じお気持ちで嬉しいです。

  6. しつこくってごめんなさい。「原爆の恐ろしさ、非人道的さを忘れない、そしてひとりでも多くの人に伝えていく」という事は、誰かを憎しみ続けながら生きるっていうことじゃないんです。「過去の事だし、それはもう置いておいて、前進しようよ」という姿勢も大事です。原爆の恐ろしさを忘れずに、ひとりでも多くの人に伝えてながら、前進することだって可能だと思うんです。大げさだけど、唯一の被爆国の出身である私たちの使命みたいものなんじゃないかな〜って思います。例えば、アメリカのすごーく保守的な、ほら、一度も州、いや郡すら出た事がないような地域出身の、うちのオット、冗談でジャップとか言うぐらいのレベルのひとだったんですw でも、何度も原爆の恐ろしさ、アメリカの過ちについて説明するうちにわかってくれました。子どもたちにも同じことを説明しようと思います。会社で以前、どうして日本人は怒ってないのか不思議って言われたときにも、その同僚に私の気持ち、説明しました。隣に座ってた他の同僚が「でも、いいじゃん。日本は悪さしたんだから、原爆落とされて当然」って言ったけど、気持ち説明しました。届いたかは?だけどね。私の力はとーっても微力だけど、ずっと続けていけばいつかはもっと多くの人に、わかってもらえるかな〜とか希望持ってます。アメリカの過ちをせめることが目的なんじゃなくて、もうこれ以上同じ過ちをおかしてほしくないからなんです。ほら、広島にも書いてありましたよね。
    「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」
    ながーい文章つらつら書きました。読んでくださってありがとうございます!

  7. りょうこさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    その映画、ぜひ探して見てみたいと思います。

    私、日本では中学・高校で歴史って大の苦手でした。
    名前や地名は覚えられないし、誰が勝ったの負けただのを暗記するばかりで、自分とは全く関係のないものだからなおさら興味が持てなかった。

    アメリカに来て、今あるものを知りたければ、歴史を知ることの大事さを感じるようになり、「歴史から学べ」という言葉の意味も理解できるようになりました。それは大人としての経験値もあるだろうし、これだけの出会いの中で、自分の経験からだけでは頭でプロセスできない物事がたくさんあったからだと思います。
    今は日系アメリカ人の歴史についての本を読んでいるのですが、外から見た日本を知れば知るほど、感じることは、「日本人ってすごいな」ということ。
    原爆、インターンメントキャンプ、大震災など、これだけのダメージや迫害を受けながらも、世界のトップブランドをひっさげている。「私は日本人です」と自己紹介して、嫌な顔をされたことがほとんどない。
    東北大震災の後、あるアメリカ人に言われて印象的だった言葉は、「(これだけダメージを受けても)それでも、日本は復活するよ」でした。あ、外からの方がよく見えることもあるんだな、って思ったんです。特に私はかなり悲観的になっていた頃だったので。

    これって、先人の日本人たちの謙虚さや、勤勉さ、他人を責めない姿勢が、アメリカでそれほど高く評価されてきた証拠だと思っています。
    だから私はそれを受け継いでいきたい。大きな貢献はできなかったとしても、少なくとも、私のせいで「だから日本人は・・・」というネガティブな印象を世間には残したくないし、自分の子供達にもそういう日本人の血が流れていることを教えていきたい。
    彼らがもう少し大きくなったら、広島と長崎に連れて行きたいし、アメリカで学ぶことだけが世界史ではない、アメリカだけが世界じゃない、ということを教えたいです。

    うちは新婚旅行で日本を周りました。JRの一週間パスで。
    旦那は初めての日本だったのですが、長崎が日本で一番好きな街になったそうです。
    記念公園にも行きました。
    これまでは単なる「歴史上の場所」だった長崎に立ってみて、そこで1945年にどんなことが起こったか想像し、そして現在の美しい街になったという月日の流れは、やはり彼の中でも「リアル」なものになったようだし、それこそが「僕のワイフはジャパニーズ」と言える強みの一つなんじゃないかなと思います。
    うちの旦那も、私に出会うまでは、「行ったことのある外国はカナダとメキシコw」という人でした。(いや、それって外国って言わないしw)
    50代半ばで私と出会って、初めて日本を見た。それでも、「あ、今までと思っていたものとは違ったんだ」という気づきが彼の中であったようだし、やっぱりそこに実際に行って、そこの空気を吸うことって強力なんですね。

    オバマさんは、「アメリカの大統領」としては謝罪はしないでしょうね。というか、彼じゃなくてもアメリカ大統領はしないでしょうね。
    でも、バラク・オバマ個人としては、ずっとしていると思いますし、退任後はそれを表明するかもしれません。彼はそういう人間だと思います。

    だから、どの国のどんな歴史の中でも、今あるものを支えてくれた命すべてに合掌。
    日本とかアメリカとか関係なく、今の世界があるのに無意味だった命は一つもないはずだから。
    そして同じ間違いを繰り返すような子供は絶対に育てません、と約束したいです。

  8. Erinaさん、私は高校時代に2年半アメリカの高校で学びましたが、ヒストリーのクラスではかなり大変な思いをしました。
    真珠湾攻撃について、クラスのディスカッションでは、白人ばかりのクラスメート+元海軍の先生 対私1人、毎回毎回みんなからの白い目を浴びながら、責められる毎日です。日本では深く習わなかった歴史でしたし、25年前ですから今のようにネットで検索もなく、情報が乏しく、英語もままならずでしたが、一生懸命このテキストに書かれた内容が全てでない、と主張すると余計にひどい避難を浴びました。
    逆に、広島の原爆についてはヒーローのように学ばせていて、ショックでした。
    私には謝罪の姿勢とその勇気がありませんでした。そうしていたら、もう少し聞く耳を持つ人も、もしかしたら中にはいたかもしれません。そのトピックは嫌な思いのまま終わりました。

    今、またアメリカに来て子育てしていますから、子供達もいづれぶつかる壁だと思っていました。たまたまこちらの記事を読み、Erinaさんがおっしゃるように、私も子供には歴史について事前からよく話して一緒に考えたいと思います。

    私は大学で日系アメリカ人についてを研究しておりました。子供達はまだ小さいですが、これから日本人としてアメリカで生きていく彼らには折々伝えたいことが沢山あります。
    どちらよりになることなく、両者に立って自分の考えを見出せるように、心と勇気ある人間になってほしいです。

  9. kokoさん、こんにちは!
    コメント、そして体験談のシェア、ありがとうございます。
    とても興味深く読ませていただきました。

    高校生でそんな体験をさせられるとは、日本にいたのでは絶対に考えられないですね。
    そして今、同じディスカッションをしたら、また違う言い方や理解の仕方がお互いにあるんだろうし、やっぱり若い時に自分が何者か?を正面から突きつけられる体験って貴重だと思います。

    きっと、kokoさんと同じ高校に通ったアメリカ人の子供達や、その先生も、今になってkokoさんのことを思い出したり、kokoさんをきっかけに日本に興味を持った、という人もたくさんいると思います。
    日本人留学生がまったくいないクラスで「歴史はこうだった」って100%アメリカンな視点を教わるより、「そういえば、日本がどう、って言ってた子がいたなぁ・・・」って、クラスメイトの誰かが、自分の教育を疑うチャンスを持てたかもしれないとしたら、それってすごいことです。

    ボトムラインは、歴史は変えられないし、過去も変えられない。
    大事なのは、そこから学ぶこと。それをもとに、たくさんの人に対する理解力を持つこと。
    そういう意味で、kokoさんは大きな貢献をしたと思いますよ。
    その場では、すごく辛い思いをしたんだと思うけど、そこで言われるべきことは(kokoさんも先生も他のクラスメイトも)言われたんだろうし、どこかで「日本人っていいな」と思ってくれるきっかけになってると良いですよね。

    国際結婚をして、アメリカ人との間に子供を持って、育てて、というのはある意味では国際交流、平和活動だと思っています。
    日本人の母親を持ちながら、うちの子供達がどんな人間に育っていくのか、アメリカで見せていきたいし、他人への寛容とか歴史への理解とかもひっくるめた人間にしていきたいですよね。
    お互いに頑張りましょうね!

  10. Erinaさん、お優しいコメントをありがとうございます。
    10代はとてもセンシティブで、自分や他人のアイデンティティや民族間の違いが気になる時期でもありましたが、初めてアメリカ的観点から日本や自分を見つめ、自身を構築した大切な時期でもありました。

    アメリカで学ぶ日本人にとって、原爆や真珠湾攻撃の授業で辛い思いをするように、日本で学ぶアメリカ人も、同じような状況に立たされることと思います。
    これは日米間に限らず、あらゆる国において、歴史観問題が生じますが、なかなか解決はしない深い深い問題です。

    教科書だけにとどまらず、学生も講師も私たちももっともっと学び、知り、真実をリサーチし、ただ相手を責めるのでなく、協力しながら様々な立場で思いやる姿勢でありたいです。そして、平和活動につながる分野であってほしいです。

    特に国のトップや政治家の動きは大きな影響を与えます。私もオバマ大統領の広島訪問につきましては、日本とこちらの反響にはギャップを感じずには入られませんでしたが、それでもやはり歴史的観点からは大きなことだったと思います。

    これからもErinaさんの投稿を楽しみにしております。子供が寝た深夜に夜な夜な読んでます(^_^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です