脱サラ母の数学教師への道 (5) 幸せな両立

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こんにちは、Erinaです。

 

今日は、どうして私がこれまでのキャリアとは全く異なる、教職の道を選んだか?という究極の質問への答えを書いてみたいと思います。

 

 

仕事、子育て、夫婦、自分という両立を考えるとき、私がイメージするのは、段ボール箱の中に入った、膨らんだ風船です。

 

段ボール箱が自分のキャパシティだとすると、

 

赤い風船は仕事

黄色は子ども

青は旦那

緑は自分(趣味とか)

 

としましょう。

 

お分かりの通り、箱は角ばっていて、風船は丸っこいですから、箱の中でピッタリと収まることはありませんね。

どうしたって「すき間」ができてしまいます。

このすき間っていうのは、睡眠時間だったり、移動時間だったり、会計用語だと、どうにも避けられないOverhead cost(オーバーヘッドコスト;間接コスト)みたいなものです。これは後で紹介しますね。

 

 

質問は、あなたの段ボール箱には、この4つの風船がきれいに収まって、きちんと箱の上の部分が閉まるようになっているでしょうか?

 

風船が箱の上の部分から顔を覗かせていて、閉まらないようなら、やはりキャパシティオーバー。自分が無理をしながらやっているんだな、ということは、自分でもうすうす気づいているはずです。

 

それは、慢性的に疲れているだとか、体調が崩れやすいだとか、子どもが前ほど言うことを聞かないだとか、旦那との間に隙間を感じるだとか・・・。全部、私も経験済みです。笑

 

閉まらない段ボール箱をぐいぐい閉めようとしているので、どこかでストレスがかかっている。今にも、どれかの風船が割れてしまいそう。

たいていの場合、母親というのは自分のことを後回しにしてしまうので、自分自身の風船(緑色)に一番ストレスがかかるようになっていて、睡眠時間が削られているとか、前回、自分の好きなことをやったのはいつだっけ?と思い出せないとか、最近、お腹の底から笑ってないなとか、ありませんか?

そういう状況が続くと、必ずどこかでひずみが出てきて、特に、今までにかかったことのないような症状が体に出てきたりします。私の場合、”Vertigo”(ヴァーティゴー)と呼ばれる突発性めまいにかかり、かなり不便な生活を強いられました。

 

 

そういう信号に注目して、「ちょっと待てよ」とアジャストするのはやはり私たちの役目ですね。

「いつかは良くなる」とか「いつか旦那(または仕事、または子ども)も変わる」と他人本願で待つだけでは、周りは何も変わりませんから、やはり自分からアクションを起こさなくてはなりません。

つまり、無理なく箱に収まるように、風船を少し小さくしてみるという作業です。

 

仕事を少し減らす

子育ての負担を減らすために、お金を出してシッターに来てもらう

結婚生活の負担を減らすために、休みをとって旦那とデートをする

自分への期待値を下げる

 

・・・などなど、微調整をします。

 

ここで断言しますが、箱が大きくなることはありません。

それは人間に与えられた時間は一日24時間であり、自分は一人しかいないという現実的なリミットだからです。

むしろ、体を壊してしまったりすると、機能しなくなるので、箱も小さくなっていきます。

そうすると、キャパシティが小さくなる。これも体験済み。笑

 

うーん・・・・。考えさせられますね。

 

私がここでズバリ言いたいのは、「何もかもはできないし、何もかもは手に入らない」という現実。

 

 

私はこれに気づいたとき、「仕事」への考え方をシフトさせることにしました。

それは、家族との時間を減らすことで妻としての今の状況を変えたくなかったし、母親であることについてもそうでした。

 

ならば、他のどこで微調整しようか、となったとき、ターゲットは赤い風船(仕事)でした。

 

これまで、黄色の風船(子ども)青い風船(旦那)と、並行させることができなかった赤い風船(仕事)

じゃあ、黄色と青の風船と並行させられる働き方ってなんだろう?と考えたのです。

 

それは、「スケジュールが合う仕事を選ぶ。なければ作る」ということでした。

 

子ども達が学校に通っている間、少なくともこの先10年間は、夏は2ヶ月間の休みがあり、学期中は午後2~3時に学校が終わります。

大学で働く旦那も似たようなスケジュールで、2ヶ月間の夏休みがあり、午後で仕事が終わる日も多い。

私だけが、シーズンもなく9時5時のオフィスワークで外れていたのでした。

 

 

加えて、うちの子ども達が通う学校には、「ママがこの学校の先生」という家族が私の知っているだけで3組。アフタースクールプログラムも入れると4組います。

実はうちの娘の担任であるミセス・ホブソンもその一人で、彼女の一年生の息子は、お隣の教室で勉強しています。

学校が終われば、隣の教室にいるママのところで宿題をし、お手伝いをし、ママの仕事が終わるまで待って帰宅。習い事にも余裕で間に合う。

とりあえずキンダーから5年生までの6年間は、そうやって親子で時間を過ごせるわけですね。

もちろん、物理的にそばにいるということだけでなく、子ども達の学校での状況や、先生たちとのコミュニケーションも密にとれるし、現在の教育状況も現場で理解できる。

ミセス・ホブソンはキンダーガーテンの先生としても素晴らしい先生であり、自分のパッションと家族のニーズを、こうやって並行させられる人生って素晴らしいなぁと思いました。目からウロコだったわけです。

 

たとえフルタイム教師じゃなくても、サブ(Subsititute)と呼ばれる代休教員をやりながら午後や夏休みは個人塾で教えるだとか、この記事で書いたような細く長く続けられる働き方を模索しようと、気持ちに変化が起こりました。

 

風船と風船のあいだにできるすき間。そう、オーバーヘッドコストみたいな部分。

このすき間も、こうやって仕事と家族を並行させたり、コミットメントをいくつかに分けることで、満たすことができるんです。そこに新しい風船を足すのではなく、梱包財みたいなもので、すき間を埋めるイメージです。

 

 

同時に、大学卒業以来、(微積分みたいな)自分の好きな数学を、実際に仕事で使う機会はほとんどないということにフラストレーションを感じていた私。「あんなに頑張ったのに、使えてない・・・」という思いはもうずっとあって、それを何とかして仕事に使いたいと思っていました。

自分の数学も役に立つかも、と感じたのも、やはり子ども達が学校に行くようになって感じたことだし、親として教育現場に実際に足を踏み入れたことで見えてきたことがたくさんありました。

 

 

そんな中で、こうやって色々な家族の形や、それに並行する働き方をしている人たちを見て、それならもう直接、自分も教育現場に入っていこう、というのはとても自然な成り行きであり、社会のニーズや流れと自分の感覚がマッチした、ということでした。

 

この感覚は、Tamamiさんがこの記事で書いていたような、「時代の流れと自分の感覚がマッチした」という現象にすごく似ています。

 

 

あー、長かった。

 

この結論にたどり着くまで、10年かかりました。

卒業からちょうど10年です。

 

でも、卒業直後に教職に就かなかったことも、逆によかったんだと今は思えます。

それは、IT企業での経験や、銀行での経験、子育ての経験が、自分にとってプラスになったと言えるから。

 

これまで自分が思い描いていた「キャリア構築」とは全く違う形だけれど、今は、

  • 自分が何より満たされること
  • キャリアが家族と並行していること

そしてもしできるのなら

  • コミュニティに貢献できること

 

というのが自分の中の赤い風船の条件になったのです。

 

 

次回の記事は「ベビーシッターを探せ!」です。

 

このシリーズの他の記事はこちらで読めます

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

6 Responses to “脱サラ母の数学教師への道 (5) 幸せな両立”

  1. avatar

    Eri

    Erinaさん、こんにちは。

    ”幸せな”両立というトピック、状況は違いますが、私が最近もやもやと考えていたことでした。

    現在は娘が2歳なので、まだ夏休み・放課後のことなどについて悩むことは少ないのですが、自分の風船についてどうすべきか悩む毎日です。

    私は企業内でファイナンスの仕事をしているのですが、日本で大学卒業後、仕事をしながら4,5年かけて取得した資格があります。あくまで日本の資格のため、その資格をもってアメリカでなにか独占業務ができる類のものではありません。
    今の仕事はその勉強をしていたからこそ、その延長線上で得ることができたものだとは思うのですが、正直その知識は業務にほぼ使っていません。どんどん忘れていってます。

    アメリカ企業で働くということも、業務内容も、今の私にとっていい経験になってはいるものの、この先何十年もここで仕事をするのかと言われると、うまくイメージできないのです。

    かといって、今の給料や待遇を捨てることも現在の状況ではできず、、でも何か他に自分がやりがいをもってできる仕事を得るため、準備しておかなくちゃいけないなと日々考えています。

    自分の風船の色、この色で合ってるのかな~もっとうきうきする色があるはずだよな~といった感じです。
    自分の色を明確にして進んでいるErinaさんを、まぶしく拝見しています。

  2. avatar

    Erina

    Eriさん、こんにちは!コメントありがとうございます。

    もやもやする気持ち、わかりますよ。バランス探しの最中ですもん、誰だってもやもやしちゃいますよ。
    私が今になって霧が晴れた気持ちになったのは、色々な要素がお互いに作用し合っての結果です。

    私も「この先30年、このまま働くのかな?」と思ったのはやっぱり大きくて、「じゃあ別の働き方を探そう」と周りを見るきっかけになりました。
    ただ、行動に起こすタイミングっていうのはやっぱりあって、そこが自分ひとりだった独身時代とは違うなと思います。
    小さい子供がいたら、定時で帰れるとか、安定した給料と待遇が必要なのは現実だし、思いつきで「じゃあ転職!」とは行かないですよね。

    だから、準備しましょう。
    周りのワーキングマザーたちと話して情報交換をしたり、特にちょっとだけ年上の子どもを持つ母親たちの人生の様子を観察してみる。
    「あ、子どもが小学校に上がったら、そういう働き方もできるのね」と頭の隅においておく。
    で、自分の子どもがその年齢になったら行動に移せるように、経済的なもの、社会的なもの、旦那さんとのコミュニケーションやチームワークなど、計画を練りに練っておきましょう。
    私も色々な人との出会いがそういうインスピレーションになって、脳みそが錆びつかない程度にチョコチョコとクラスを取りに行ったりしていましたが、本腰を入れて「じゃあ方向転換しよう!」と思えたのは本当につい最近のことなんです。

    アメリカでは生涯を通して平均7~9回の転職をするんだそうです。
    それは自分のライフスタイルの変化に合わせて仕事を選ぶ自由があるからですよね。
    そう思うと、「私の人生、まだまだこれからじゃん!」と思えるし、本当にそうですよ。人生、長いです。笑

    お子さん、変化でめまぐるしい時期ですよね。
    小学校に上がればまたちょっとそれが落ち着いてきます。
    なので、下の子が小学校に上がるのをきっかけに、大きな変化を起こすママってすごく多いんですよね。

    大丈夫ですよ!焦らず、のんびりいきましょ~♪
    またいつでもコメントください。

  3. avatar

    りょうこ

    学校以外の場所で勤務経験のある先生、貴重だと思います。やっぱり視野が広いと思います。大学院楽しみですね!

  4. avatar

    h42m47

    キャパシティーの表現、分かりやすくてうんうん頷いてしまいました。
    私も以前は中間管理職で、子供が小さくてただでさえ睡眠不足のところに夜中に仕事の電話がかかってきたりして、やりがいはあったんですが、体力的にも精神的にもきつかったですね~。相方と大きな喧嘩もしましたし、子供との時間が少なすぎるんじゃないかと悩みもしましたし。
    でもアメリカは転職するのはごく当たり前ですし、比較的簡単に大学に戻って勉強もできるので、アラフォーの私にすらまだまだ選択肢が残されているのはありがたいです(笑)

  5. avatar

    Erina

    りょうこさん、ありがとうございます!
    教員免許プログラムは、大学院にはならないんです。なので2学期で終わるんですが。
    大学院はまた次のステップですね。

  6. avatar

    Erina

    h42m47さん、こんにちは。

    本当、ありがたいですよね。
    私は基本的に飽きっぽいので(笑)、「これ一つをずっと!」というのはけっこう辛いんです。
    だからいつになっても方向転換できるアメリカはありがたいというか。

    私ももっといろんなことができるだろうと若い頃は思っていましたが(笑)、実際は無理ですね。
    どんなに頑張っても一日24時間しかないし、体は一つしかない。
    何か別のことが同時進行してたら、絶対にどちらかを選ばなきゃいけないわけで。
    みんなそうやって選んでるんだな~とわかったのが最近です。

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