“Keep Kids Busy” の罠

こんにちは、Erinaです。

 

“Keep kids busy” というフレーズを聞いたことがあるでしょうか。

 

子供が幼児期になると、物事や他人への興味が高まり、とにかく「なんでもやりたい!」という時期に入ります。

小学生になると、体力もついてきて、一日中エネルギーが持続するようになります。

 

そんな中で、親たちは子供達を何かに熱中させておくために、”We need to keep kids busy!” と思い始め、習い事やスポーツをさせるわけです。

 

私も子供達が小学校に入る頃、

 

“You have to keep kids busy, otherwise they will get in trouble.”

(子供に何かさせて忙しくさせないとダメよ、そうでないと非行に走るから。)

 

と言われて、ふーん、そんなもんかね。と思いました。

 

しかし、この記事でも書いたように、アメリカでの習い事は安くありません。平日5日、子供2人分なんて、経済的にも無理だし、まして送り迎えが必須のこの国では物理的にも無理です。

うちの子供達は、小学校入学からアフタースクール(学校内の学童保育)に通っていて、そこでは宿題も終わらせて、おやつも食べて、外遊び・中遊びもやってくれるので、これが放課後はメインのアクティビティになっています。

 

それでもうちの周りには、複数の子供たちがそれぞれ週2〜3日で習い事・スポーツをやっているという家庭が多々あり(しかも共働き)、いやぁ、すごいなぁと感心してしまうのです。

 

その中でも、うちの近所に住む、娘の親友Mちゃん(7歳)は、月曜がダンス、水曜がガールスカウト、木曜が水泳、土日はお姉ちゃんのチアの付き添いと、かなり忙しい一週間を送っています。

聞けば、Mちゃんの姉(10歳)も同様に一週間びっしりのスケジュールで、家族でまとまって、ゆっくりとディナーを食べることはほとんどないそうです。

まぁもちろんこれは家庭ごとのポリシーなのですが、私はこの家庭の忙しさを見て、「うちはそこまではやりたくないな」と思ったのでした。というか、私たち夫婦の中で、「ディナーはみんなで食べる」というのがとても大事な部分なので、それを犠牲にしてまで習い事をやる必要はない、という見解です。

 

うちの子供達を見ていて感じるのですが、子供(というか人間)には、何か新しいことを学んだ時に、「インプットの時間」と「アウトプットの時間」が必要ですが、これに加えて、「自分の中にsoak inさせる時間」というものも必要です。(”soak in” は水などがスポンジなどに染み込む、という感じで使われますね。)

 

これは、勉強でもスポーツでも、新しいことを習ったら(インプット)、それを自分で咀嚼して、理解する時間のこと。これは人によりますが、1時間とか2時間とか、物理的に時間が必要なプロセスです。

 

流れでいうと、

 

input → soak in → output

 

という感じです。

 

なので、soak in の時間がなく、次から次へ、「ハイ、これやって!ハイ、次はこれもやって!」と急かされていると、overwhelmingなままで、身につくものも身につかない。”Counterproductive”とはこのことですね。

 

特に、私が算数や数学などを教えていて、大事にしていることは、子供達が「自分で納得する時間」が確保されているということ。

というのも、子供が自分で納得して身についていないものというのは、数学だろうと、野球だろうと、音楽だろうと、アウトプットできないからです。私は自分の経験上、こういう状態が長引くと、飽きたり、疲れたりしてやめてしまうと思います。

 

私は、習い事だけが “the way to keep kids busy” だとは思わないし、そのために家族の時間がなくなっては本末転倒であり、人間の習得プロセスという視点から考えても非効率的なのでは?と思います。

加えて、子供というのは、なければないで、頭を使って工夫したり、新しい何かを作ったりするものです。私はそういうプロセスのほうが、与えられた課題よりもずっとずっと価値があると思っているし、奇想天外なことを思いつく人というのは、子供の頃にそういう自由を経験した人に多い気がします。

 

 

我が家では、その日の宿題が終わっていれば、テレビを見たり、ゲームをする時間も、脳みそと体をクールダウンするのに必要なんじゃない?と思うようにしていて、それが、明日一日を元気に過ごせるための充電時間ならば、ま、いいか、と思っているのです。

まぁ、充電どころか二人でギャーギャー喧嘩してますけどね。笑

ちょっとあんたら、もっと学校でエネルギーを消費してきなさい、と言いたい。

 

 

 

 

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