アメリカで初めて家を買う その2 〜激戦区!出したオファーでまさかの全敗!〜

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Naokoです。

 

実を言うと、気まぐれにオープンハウスに行き、セール中の家を見て回ったことはそれまでも何度かあった。家賃を値上げすると言われると、やはり家を買ったほうがいいのではないか?という気持ちになってしまうのだ。自分たちがどのくらいの値段の家が買えるのか、という一番重要なポイントを考えないまま、綺麗に飾られたオープンハウスに行ってウットリしていた私。見に行った物件の担当者からメールで物件情報をもらうようになっていた。

 

やはり一軒家がいいと思っていたので、学区内の売り出し物件を探す。Zillow, Redfin, HotPadsなど、いろいろな物件情報サイトで写真を見るのは楽しいものである。広々としたアイランドキッチン、ゆったりしたマスターベッドルーム。見て楽しむだけなら無料だ。

 

日本だと必ず間取り図が見られるが、アメリカだと間取り図が掲載されていないことも多い。値段、部屋の数(部屋が3つだと3 bed roomsで3BR と表示)、バスルームの数(シャワーとトイレがついているのはfull bath, トイレだけだとhalf bath)、あとは広さが〇〇sqft (square feet)と書いてあるのが普通だ。あとはガレージ情報(家にくっついているか、駐車可能台数など)、築年数、エアコンの有無なども掲載されている。

 

オープンハウスで出会ったリアルター(全員日本人ではなかった)とメールや電話のやりとりをしたが、リアルターはやはり日本人がいいと思った。英語だと、どうしても説明がすんなり頭に入ってこない。私が出会ったリアルターは早口でまくしたてる人が多かったせいもあるだろう。納得できないのに分かったふりをしてしまいそうでイヤだった。日本語でも難しい不動産取引を英語でこなす自信はない。

 

不動産売買のプロであるNさん、住宅ローンのプロであるHさんとの最初の顔合わせは2016年12月8日。事前に必要な書類を教えてもらい、すべて用意していった。アメリカの住宅ローンについては知識がなかったので、日本語でわかりやすく説明してもらった。やはり母国語は頭と心にスーッと入ってくる。

 

リアルターのNさんが最初の家を買ったときの話が印象的だった。「アメリカで買った最初の家は、夢の家からはほど遠くて惨めな思いをしたけれども、あの最初の家があるからこそ今の自分がある」と言う。資産づくりの足がかりは、まず最初の家を買うことなのだ。

 

我が家は、よほどのことがない限り日本に戻ることはない。次女が高校を卒業するまで、あと9年はこの地域で暮らす予定だ。

 

ここで思い切って最初の家を買うか?賃貸を続けるか?とても大きな決断である。

 

日本でも常に賃貸生活だったため、自由を買うと思えば高めの家賃は仕方ない、という気持ちが常にあった。しかし賃貸を続けていれば「売るから出ていってくれ」と言われる可能性がある。しかもこの地域の家賃はこれからも上がるばかりだろう。高い賃料を払い続けるより、家を買って自分の資産を作るという考えは理にかなっている、と思った。

 

とにかく、用意できる頭金の額を伝え、見積もりを出してもらうことにした。ここで私が言う見積もりとは、〇〇万ドルの物件で頭金〇〇ドル用意した場合、月々のローンがどのくらいか、というものである。

 

頭金は物件の20%はあったほうがいい、と聞いたことがあったが、実際にそうである。頭金が20%より少ないと、住宅ローンに対する保険料がかかる。つまり余計なコストだ。基本型のローンだと、クレジットスコアや頭金の比率で金利が変わってくるが、20%の頭金を入れて組むと一番金利がいい、とされている。

 

住宅ローン以外にも、月々支払うものがある。

 

まずはコミュニティのHome Owners Assosiation (HOA)。日本のマンションの管理組合にあたるもので、毎月住民から管理費を徴収して共用部分の管理費、保険代、将来の修理に備えた積立金にあてる。

 

驚いたのが固定資産税(property tax)。日本だと年4回の分割納付が基本だが、アメリカでは毎月住宅ローンと一緒にローン会社に月払いする。つまり、ローン会社が代わりに払う仕組みだ。家の火災保険も、ローン会社に月払いする。

 

数字を出されると現実がくっきり見えてくる。自分たちの手が届く物件はこの値段だ、という事実を認識させられる。覚悟はしていたものの、かなり現実は厳しい。

 

私が家を買いたいと思っている地域で一戸建てを買おうとすると、1ミリオン(1ドル=110円で換算すると1億1千万円)に限りなく近いか、超えてしまう。

 

この時点で、一戸建ての夢は消えた。でもタウンハウスかコンドミニアム(日本のマンションにあたる)なら、なんとか手が届くかもしれない。狭いのを我慢すれば60万ドルぐらいの物件もある。今の家だってタウンハウスだけど十分快適に暮らせているではないか。

 

年末に夫とじっくり話し合い、「タウンハウスかコンドミニアムを買おう!」と結論を出して2016年は終わった。

 

年が明けて2017年。リアルターのNさんに「この地域限定で、このぐらいの予算でいい物件が出たら連絡ください」と伝えた。

 

狭くてもいい。我が家の最低条件は、娘二人の学校を変えない、生活環境を変えない、ということだった。

 

その1の記事にも書いたが、アメリカは公立学校のレベルと家の値段が比例する。いい学校の近くほど高いが、治安もいい。それに私は、移住してから少しずつ築き上げてきた交友関係を保ちたかった。近所に頼れる友人がいるのは、何より心強いものだ。海外で暮らしていると余計にそれを痛感する。

 

我が家はアメリカで暮らした初めての場所がサンディエゴであり、他の場所の相場を知らないのが幸いした。もし他の州で暮らしたことがあったら、こんなに狭いのに高い家は買いたくない、と思っただろう。

 

2月から少しずつ物件が出てくるようになり、中を見せてもらった。売家を見るためには、リアルターに頼むか、誰でも見に行けるオープンハウス(たいてい週末の午後)に行くか、どちらかになる。

 

自分たちのコミュニティの暮らしやすさが気に入っていたので、コミュニティ内のオープンハウスはすべて見に行った。もしこのコミュニティの物件を買うのだったら、今住んでいる家を買えば引っ越ししなくて済む、と思い、エージェントのルイーザを通じて大家さんに打診してもらった。しかし返事はノー。売る気はない、とのことだった。

 

今回の家の購入にあたっては、私がすべてを取り仕切り、必要に応じて夫に相談する形をとった。夫は出張が多いので、見て欲しいと思う物件があってもタイミングが合わない可能性が高い。彼に見てもらおうと内覧のアポをとったけれども、直前に売れてしまって見られないこともあった。

 

そう、競争は思った以上に激しかった。いい物件はすぐに売れてしまう。とりあえず今は賃貸で暮らしていける家があるからいいや、と思い、最初のうちは焦らずにゆっくり探すつもりだった。

 

しかしリアルターのNさんに「Naokoさん、焦る必要はないけれども、これと思った物件にはオファーを出されたほうがいいですよ」とアドバイスをもらった。オファーを出す、というのは「この値段で買う意志があります」と正式に申し入れること。

 

しかし、なかなか“これ”という家に出会えない。

 

コミュニティではないが、隣と壁がくっついた一軒家風の家もあった。コミュニティではないからHOAがかからないと聞き、「それはいい!」と思った。が、HOAがかからない分、保険料が高くなることが判明。おいしい話には注意、という教訓だった。

 

また、値段はリーズナブルで部屋もとても綺麗なのだが、駐車場と家が離れているコンドミニアムもあった。エレベーターがなく、3階まで階段で荷物を運ぶのはイヤだった。

 

ざわざわした気持ちが続いたので、去年の6月に新居を見せてもらったKさん(その1参照)に相談した。焦り、不安、あきらめなど、気持ちの浮き沈みをどう処理していたのか?家を買う過程での心の持ちようを聞いてみた。

 

Kさんのアドバイスは「少しでも気に入った物件に出会ったら、とにかくオファーを出してみること」。オファーを出すだけなら、お金はかからない。ただ、オファーが受け入れられて買うことに決めたら、すぐにローン審査などの手続きが始まることを覚えておかないといけない。

 

とにかく、オファーを出さないことには何も始まらないのだ。

 

オファーを出して、戦いのリングに上がらなくては!

 

“ゆっくりモード”から“臨戦態勢”に変わった瞬間だった。

 

実際にオファーを出し始めたのは4月。事前に、ドキュサイン(docusign)というアプリで、私も夫も電子署名ができるように用意しておく。セラー(売り手)が提示した価格よりも少し上乗せしないとオファーは通らないでしょう、ということなので、それなりに上乗せしてオファーを出す。

 

オファー書類はリアルターのNさんが作ってくれて、私と夫それぞれにメールで送られてくる。ドキュサインというものはとても便利で、署名すべき箇所、イニシャルを記入する箇所にカーソルが自動的に動いてくれる。数回クリックしただけで完了!

 

同じコミュニティ内のタウンハウスが3軒売り出されたので、すべてにオファーを出した。しかし3軒すべて私たちより高い値段でオファーを出した人がいて敗退。人気物件には複数のオファーがあり、売り手がその中の誰に売るかを決める。たいていは一番高い値段を出したオファーが通る。本当かどうかはわからないが、「超リッチな中国人が全額キャッシュで買っている」という噂もあった。その噂が本当だと思えるほど、頑張って出した金額のオファーが通らなかった。

 

Nさんは「このあたりの物件の高騰ぶりはクレイジーですよ!」と言う。確かにどんどん値段が上がっている。自分には到底手が届かない、もう家なんて買えない… どんどん暗い気持ちになっていった。

 

リングには上がった。しかし激戦区で勝ち抜くことができるのだろうか…?

 

(次回につづく)

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About Naoko

日本で映画配給会社に勤めた後、約10年フリーの字幕翻訳家として働きました。2009年に家族でサンディエゴに移住。英語と映画・ドラマをこよなく愛する専業主婦です。2014-2015年の2年間でTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)の資格を取得。映画やテレビドラマを使って楽しく英語を教えてみたいと思っています。映画・ドラマ鑑賞以外の趣味は読書、ピラティス、旅行。愛読雑誌はEntertainment Weekly。

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