数学と女の子:失敗を恐れない

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こんにちは、Erinaです。

 

ここサンディエゴの中学校で教育実習を始めて早1ヶ月。

「アメリカの中学校」という場所が未知のものだった私は、毎日、様々なことを経験させてもらっています。

 

今日は、その中で気づいた、数学に対する学生達の態度や思いなどを書いてみたいと思います。

 

このブログでも書いてきましたが、日本の中学高校で数学落ちこぼれだった私が、大学で数学を専攻し(→この経緯はこちらで読めます)、数学の専門職に就き、現在は数学教師を目指すという経緯で、様々な出会いや気づきがありました。

 

特に、女性として数学を勉強するということは、日本にいた頃の自分には想像もつかなかったことであり、やはり今、もっとたくさんの女の子達が数学を選び、理系に入っていくことを応援したいなと思っています。

それに関して書いた、このシリーズの記事はこちらで読めます。

 

数学と女の子:ホルモンの話

数学と女の子:ロールモデルの話

 

そこで今日は、「失敗を恐れない」という話です。

「恐れるものがない」というのは、英語で “fearless” と言いますね。”She is fearless.”だと、「彼女は怖いものがない」という感じです。

 

 

 

現在、教育実習で8年生(日本の中2)を担当したり、日本語補習校でこの年代の子供達と勉強をして見えたことは、やはり、女の子の「数学離れ」はこの時期にとても頻繁に、そして簡単に起こりうるということ。

小学校までは計算問題もスラスラできて、クラスでトップだった女の子達が、少しひねりのある問題になると、途端に尻込みしてしまうのです。

 

これはやはり上記の記事でも書いたように、生物学的なものだったり、環境的な影響もあるようですが、その中で、失敗を恐れない間違いを恐れないという気持ちにおいて、この年齢の男女で大きな違いがあるように感じています。

 

 

どういうことかと言うと、12〜14歳くらいの男子は、「失敗」とか「間違い」というものに対してまだまだ物怖じしないのに対して、女子は、「間違ったらどうしよう」とか「失敗したくない」という気持ちが生まれ始める。

数学というのは、他の科目に比べて、正解・不正解がかなりはっきりと目に見える科目なので、自分の間違いを突きつけられる数学では、シャイになってしまう女子が多いようです。

 

たとえば、授業中、「じゃあ、これを一緒にやってみよう」と生徒に当てると、「やりたい!」と手を挙げるのは断然、男子が多い。ものすごく数学が得意というわけではなくても、人前で挑戦してみようという気持ちは男子が強いのです。

 

逆に、女子生徒は、あてられると答えられるし、やるべきこともやっているのですが、自発的にトライしたり、「これってこうかな?」と新しい可能性を試すことはとても少ない。

先日、同じ子ばかりにあてないように、ランダムで選ばれた女子は、「私はできないかも・・・」とトライする前にあきらめかけていたのですが、「できるからやってみようよ!」とちょっと背中を押してあげると、小さな声で一歩一歩進んでいけるのです。

 

やはり、数学という分野は、新しいアイディアに対する自発的な探究心とか好奇心が燃料となるので、この「失敗を恐れない気持ち」というのは、次のステップに進もう!というやる気に直接的につながるのです。

 

これはどうして起こるのか、私の想像ですが、この時期、思春期が男子に比べてちょっと早めにやってくる女子は、「社会に適合した大人」になるために、失敗を避けるという処世術を身につけていく。

失敗は大人の社会ではタブーだから、それを引き起こさないために、女子生徒は男子生徒より一足先にシャイになっていく。

 

その男女間のギャップがよく見えるのが、この中学時代の数学なのかも、という気がするのです。

 

これは数学に限らず、あらゆる理系学問にも言えることかもしれません。

理系学問は、たくさんの Trial and error(試行錯誤)の末に物事が見えてくるものだし、この性質から、理系分野に尻込みしてしまう人もいるでしょう。

 

それまでは、男女関わらず、まだまだ “fearless” だった子供達も、「大人への階段」を昇り始めた途端に、数学を恐れるようになってしまう。

これは私にとって、少なからずショックな現実であり、その恐怖心を取り除いた数学教育ってなんだろう?と考えさせられるのです。

 

「大人になるためには失敗しちゃいけない」

 

は本当に真実なのでしょうか。

 

失敗を恐れる人間が、数学を好きになることはありません。

中学数学以前に、その子が、人生の中でどれだけの失敗をし、どれだけの失敗を自力で乗り越えてきたか、というのはやはり、壁にぶつかった時に「もうちょっとやってみよう」という気持ちにつながるはずなのです。

 

大人として、数学教師として、子供達の失敗をどうやって受け止めていくか、練習しているところです。

 

 

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

2 Responses to “数学と女の子:失敗を恐れない”

  1. avatar

    りょうこ

    これほんと今実感してることです!
    だからおばさんになった今、数学が爽やかに楽しいのかも。

  2. avatar

    Erina

    りょうこさん、こんにちは!

    数学が爽やかに楽しいって良いですね!でもわかります〜。
    「わからない」「できない」って伝えることも怖くないし。笑

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