英語教育よりも、栄養補給を

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こんにちは、Erinaです。

 

日本とアメリカの学校を比べた時、違いはたくさんあるのですが、その中で、私が声を大にして、日本の学校がやるべきだ!と伝えたいことが一つあります。

 

それは、午前中の「おやつ休憩」。

 

「おやつ」とは、英語で “Snack” ですが、アメリカの学校ではこの「おやつ休憩」は “Nutrition Break (略してNB)” と呼ばれ、毎日の時間割に組み込まれている正式な学校のスケジュールです。

 

だいたい朝の10時頃に、15分くらいのちょっと長めの休み時間で、子ども達は家から持ってきた小さなクラッカーやら、プロテインバーやら果物やらをパパパっと食べます。中学高校では、スナックバーという小さなカートがキャンパス内にあり、そこでスタッフがリンゴやらバナナやらチップスやらナッツやらを売っていて、移動教室の合間に簡単な食べ物を口にするわけです。

子ども達は、教室に入る前になるべく食べ終え、自分の勉強の邪魔になるような食べ物は持ってきません。「何を食べたいか」「何をスナックにしたら良いか」を毎日自分で決めることで、小さい頃から自主的思考のトレーニングが始まっているのです。

 

 

これはやはり、朝食から昼食までの間の栄養補給が目的であり、子どもが、残りの午前中の授業に集中するためという役割があります。

 

このスナックタイムというのは、科学的な研究やリサーチに基づいたものであり、子ども達が効果的に学習するには、カロリーが必要だとわかっているために実践されているのです。人間の体の中で、1日のうちでもっともカロリーを消費する場所って、脳みそなんだそうで、つまり、頭を使う人はお腹も空くわけです。

 

みなさんも経験があるかもしれませんが、やはり朝8時から12時過ぎまで何も食べずに勉強や仕事をし続けるのはなかなか辛いことです。

 

私は特に、子どもの頃から低血圧で、朝食は食べられず、吐きそうになりながら食べ物を詰め込んで学校に行っていました。それでも11時くらいにはお腹がグーグー鳴って、勉強に集中できないという毎日でした。

高校通学は片道1時間だったので、朝食を食べる時間も早く、10時過ぎにはお腹が空いていたので、購買で買ったパンを早くから食べていました。

 

大人になった今でもこの体質は変わらず、朝の何時に起きようと、10時過ぎまでお腹は空きません。私の体はメタボリズムが極端に速いので、食べたらすぐに消化されてしまうのです。燃費の悪い旧式の車みたいです。

 

朝にどっさりと朝食を食べて、昼食まで長持ちさせられる子どももいれば、私やうちの娘みたいに朝は何も食べられない子どももいます。

これはあくまで体質であり、「朝食はしっかり」と言われても、自分の意思で簡単に変えられるものではありません。大人だって体質改善って大変です。

もちろん場合にもよりますが、空腹やトイレなど、人間の生理的なものに対しては、アメリカは日本に比べてかなり寛容であり、これだけ体質の異なる人口を、「こうじゃなきゃいけない」とくくることはかなりタブー視されています。

 

 

なので、日本の「給食まで待て」というのは、教育界に蔓延する精神論の代表みたいなものであり、科学的な実証や効果的な教育論を完全に無視するシステムのように感じます。

しかも、これだけ様々なリサーチがされていても、私が子ども時代だった30年前からこのしきたりは変わっていない!!

 

「立って食べるのは行儀が悪い」

「おやつを食べたら給食が食べられなくなる」

 

・・・って、本当でしょうか?

じゃあ、大人はみんな、時間のない時に立ち食いしてないですか?

おやつを食べたら、本当にランチを食べなくても良いですか?

 

大人ですら苦痛なことを、どうして子どもに強制するのか私には理解できないし、かつカウンタープロダクティブ(非生産的)なことをわざわざ慣例にしているうちは、まだまだ日本は国として遅れているな、と思う部分でもあるのです。

 

「お腹すいた〜」と辛そうな子ども達に、「座って算数やりなさい!」というのは、ちょっと非科学的・非近代的すぎると思うし、クラッカー2〜3枚、バナナ半分を口にできるだけで、人間の集中力って劇的に改善できます。大人だってお腹が空いたら機嫌悪くなる人、めちゃめちゃいますよね。笑

 

日本の小学校で、英語教育やプログラミング教育なんかを取り入れる前に、人間として、子ども達が必要なものを見極めて、必要な改革をしていくべきだと私は思います。

 

アメリカと日本の学校の大きな違いは、アメリカでは、「研究やリサーチで証明された効果のあること」を学校という現場でどんどん実践しているのに対し、日本では、「証明されていても、これまでやってないから」という理由で、効果的でも実践されていかないこと。

 

先日、実習先で、数学部の会議に参加しました。

 

そこでとある学力テストと、その成績のつけ方がトピックに挙がりました。

 

一人のベテラン教師は、「学年の初めに告知した通り、それを一つのテストとしてグレードする」と言ったところ、他の教師達が、「それだと、親の反応が・・・」とか、「全体的な成績が下がる・・・」という意見を出したのです。

 

私はこの学力テストがどんなものなのか、全体としてどんな位置付けだったのかよくわからずにいたのですが、なんとなく、私もベテラン教師のグレードのつけ方が理論的だと思いながら耳を傾けていました。

 

その会議後、駐車場でそのベテラン教師にバッタリと出会ったのです。

 

そこで彼女が言った言葉が、とても印象的だったので、書いておこうと思います。

 

「どんな素晴らしいリサーチや、教育論 (Pedagogy) を実践したところで、『親の意見』とか、『精神論』みたいなものを持ち出してしまっては、何の意味もなくなる。

私たち教師の役割だって、何の意味もなくなるのよね。」

 

確かに、と思いながら私は聞いていました。

 

長い間、教師になるための勉強をし、教師になってからも、毎年変わる子どもや学生たちを研究し、試行錯誤の中で、「これなら、この子達はできるようになる!」とわかったものを、それとは全く関係ない主観的なもの(親の意見、慣例、精神論)を持ち込んでしまえば、それらは一瞬で無効になってしまう。

それなら、誰が教えても同じことだし、むしろ人間じゃなくても良いんじゃないか。

 

「本当に大事なもの」がどこにあるのか、それが日本とアメリカの学校の違いに現れている気がします。

 

でも、お腹が空いたら勉強なんてできないですよ。

子どもの学力をアップさせたいなら、脳に十分な栄養補給をできるように、スナックタイムを取り入れてください。

 

どうでしょうか。

 

 

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

3 Responses to “英語教育よりも、栄養補給を”

  1. avatar

    KY

    なるほどー。スナックタイム必要ですよね。私は昔から朝方だったんで、朝食はがっつりいつも食べてましたが、やっぱり朝苦手な子とかいて、そういう子はお昼まで待つのが辛そうでした。バナナとかりんごとか、ちょっと食べるだけで違いますもんね。日本は基本、そういうものは全部ダメ。食べていいのは給食だけって感じでしたもんね。職場でも、コーヒーはいいけど、食べ物はちょっとっていう雰囲気がありましたよ、日本の場合は。。。カロリーメート食べてましたけど、私は(笑) ただ、アメリカの多すぎるチョイスもなんか寂しいものもあります。無理して食べなくてもいいけど、無駄にするのは良くないなーと。

  2. avatar

    Erina

    KYさん、こんにちは。
    「食事」に対する意識が、日本とアメリカでは全く違いますよね。
    特に学校での食事教育なんて、アメリカでは0ですもんね。
    私は確かに給食で得られることはたくさんあると思うけれど、今になってみると、先生達への負担や、子供達の意思など、いろいろと見落とされることも多いんだなぁと気づきます。
    たかだか食事、されど食事。
    私は基本的に食に執着がなく、カロリー補給のためくらいにしか思えないので、アメリカの機能的な栄養補給が助かっています。

  3. avatar

    えりこ

    スナックタイム!
    いろんな体質の子がいるのに、『朝ごはんを食べるのは正しいこと』とするのはおかしいですよね。

    先のコメントに書かれてることですが、アメリカにきて『食事は栄養、カロリー補給できればいい』という考え方を知ったとき、目からうろこが落ちました。そして、日本て美味しいものを食べることに執着しすぎなのでは、と。
    日本からの友人と一緒にNY観光した際、NYで人気の食べ物、レストランはほぼほぼ東京にあるので、まだ『上陸』してないものを探すのに苦労しました。

    私自身、食にこだわりが強い方ではなく、とにかく料理が好きではないので、このアメリカの風潮はプレッシャーから開放されました笑(とくに主人のお弁当作り)

    何はともあれ、考えが偏っている、その反対の概念が受け入れられない、またはその存在すら気づけないのは怖いことだなと思いました。

    そして記事を読んでいて、古くからのモノ(慣例、精神性)を大事にするのは伝統文化だけにして、教育、産業、政治は積極的に新しいモノを採り入れる風潮になってほしいと思いました。(世界中から流行りの食べモノを根こそぎ、速攻上陸させれるんだから笑)

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