小学生の息子に皿洗いを教えてわかったこと

こんにちは、Erinaです。

 

“Make yourself useful.”

 

というフレーズを聞いたことがあるでしょうか。

 

直訳は「自分を役立たせなさい」ですが、「何か役に立つことをしなさい」という意味になります。

私がこのフレーズを最初に聞いたのはいつどこでだったかは覚えていませんが、「あぁ、そういう言い方をするんだ・・・」と印象深かったことを覚えています。

 

 

この記事で紹介したように、Happy で Successful な子どもにするには、「家事」をさせることが必要だという研究があります。

それも、早ければ早いほどよくて、それは子どもの “Self-efficacy”(セルフ・エフィカシー)、つまり、「自分が何かやれば、物事の結果が出る」と実感できる能力に影響を与えるということでした。そしてこのセルフ・エフィカシーが高ければ高いほど、「自分がやりましょう」とチャンスを生かせるので、その子どもはハッピーでサクセスフルになる、ということでした。

 

 

そんなわけで今日は、我が家の子ども達が、日常的にやっている家事と、その始まり、そして教えてみてわかったことについて書いてみたいと思います。

 

 

まず、我が家の紹介です。

 

旦那:何度も書いているように、スーパー主夫。しつけに厳しい両親→15歳から寮生活→船での生活や長い独身時代を経て、全ての家事を問題なくこなす。超几帳面の典型的なA型。

私:ワーキングシングルマザー家庭で育ったので、小学低学年から家事を教わる。雪国育ちなので、車のタイヤ交換もできる。

息子(もうすぐ10歳小4):パパの真似やお手伝いをしたいため、家事には乗り気。多少、雑。

娘(8歳小2):ちゃっかり者だが、何かを仕切るのが好きなので、家事には興味あり。

 

 

ここ1年くらい、うちの子どもがやっている家事は・・・

 

息子:自分のトイレ掃除とシンク掃除(毎週土曜日)

:ほこりたたき(毎週土曜日)

:次の日のランチとスナック準備(毎日)

息子:自分の洗濯物をたたむ(数日おき)

 

という感じでした。

 

しかし、兄と自分のランチとスナックを毎日パッキングする娘は良いとして、息子にも何か「毎日の仕事」を与えよう、と思い始めていた私。まずは旦那と相談。

 

「皿洗いは?」と提案すると、

 

スーパー主夫な旦那が、「いや、それは自分でやりたい」とのこと。

 

「なんで?」と聞くと、

 

旦那:「そこまではまだできないと思う。」

 

:「やらせてみないと、誰だってできないよ。」

 

旦那:「いや、水周りはやらなくて良い。まだきれいにできないから。」

 

:「そんなね、最初からパーフェクトを求めちゃだめでしょ。まずは皿とコップとフォークだけ洗えれば良いじゃん。」

 

旦那:「いや、最後まできちんとできないなら、二度手間だし。」

 

:「ウダウダ言わない!息子くんが家事をできるようになるのと、あなたの完璧主義とどっちが大事なの!!」

 

旦那:「・・・・・。」

 

:「ってことで、とりあえずお皿とコップとフォークから始めてもらおうね❤」

 

 

・・・という経緯で、私は息子に、夕食後のお皿洗いをきちんと1から教えました。

 

今までガチャガチャと洗っていたことは何度かありましたが、なるべく水と洗剤を最小限に抑える方法と、並べて乾かす方法など、事細かに伝えると、「オーケー!」と超乗り気な息子。彼は水遊びが大好きなので、皿洗いは好きなようでした。

結果、洗い終わったものはふきんで拭いて、全て戸棚にしまい、ガスコンロも掃除し、シンク周りの水も全て拭き取るところまでやった息子。

大きいお鍋やお皿なども、しまう場所を学び、今では食後に夫婦の時間を持てるようになりました。(いや、本当は、夫婦で緊張しながら息子の皿洗いの様子を見守っているのだけれど・・・)

 

最近は、それを毎日続けるという習慣が身についてきた頃。

今までは、自分が食べ終わったら、皿もコップも食べ残しもそのまま、さーっとテーブルを離れていた息子が、みんなに「食べ終わった?」と聞いては、汚れた食器を集めたり、テーブルの上のドレッシングやらを片付けたりするようになりました。そんな姿に、ママはウットリしちゃいます。

 

 

私が、息子に皿洗いを教えてわかったことは、まず、セルフ・エフィカシー以前に、子どもは、「これまでは誰かがやっていた」という事実に気づく必要があるということ。

 

お皿やコップに手足があって、勝手にきれいになっていたわけじゃない。

ケチャップも自分で歩いて冷蔵庫に帰って行ったわけじゃない。

 

今までは、誰か(パパとママ)がやっていたことを、これからは僕もできるんだ、やって良いんだ、と気づかせることができたわけです。

 

それは別の場面でも応用されるようになって、やはり、「誰かがやらなきゃいけないこと」に気づく人間になってきました。今までは、ぼんやりと待っていたであろうところで、「じゃあ、僕がやろう」と自発的に動ける人間になる。誰よりも先に、「何か手伝おうか」と聞ける人間になる。

 

あー、効果てきめんじゃん!

 

自分の周りにアンテナを張って、どこで誰が助けの手を必要としているかを感知するには、こうやって小さい頃からのトレーニングが必要だったのです。

そしてそれに気づくことができれば、気づかないで指示を待っている人たちの一歩も二歩も前に出ることができる。

 

“Make yourself useful.” と言われても、どうしたら良いかわからない人は、さっぱりわからないものです。

それは、自分を必要としている場所を見極めることができないから。

 

 

「家事」はどれも難しいことじゃありません。英語で言う、”It’s not a rocket science!” ですね。

なので、「できるか、できないか」というのは、単純に、「やるか、やらないか」というもので決まります。つまり、自分の意思。

そしてそれを教えるには、親が、面倒くさいながらもその時間を取り、緊張しながらもあえてやらせる、という手間と忍耐が必要であるということ。

 

 

 

最近、特に若い人たちがよく使う言葉で、私が嫌いな言葉があります。それは、

 

「これは私の仕事じゃない」

 

です。

 

うちの子どもがこれを言ったら、私は怒鳴りますね。

 

仕事には名前がついてないんじゃ!!(だから、率先しなさい)

与えられたら、どんな内容でも、それはあんたの仕事なんじゃー!

 

ってね。(なぜ広島弁かはわかりませんが)

 

 

会社は役に立たない人間は雇いません。もうこれはボトムライン。どんな会社も、社員にはお金を出しているので、その部分はシビアです。

これまで、テストスコアで判断されてきた学生達が、この不景気に就職で手こずるのはそこでしょう。

お給料と採用は、自分自身の役立ち度を直接的に反映したものであり、だからこそ、学歴なんかより、家事をする人間を育てたいな、と私は思っているのです。

 

どうでしょうか。

 

 

家事について、こんな記事も書きました。

 

将来、家事をする男の子の育て方

子どもの「できない」を楽しむ

アメリカの主夫事情

 

 

 

 

 

 

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