アメリカの中学高校で、驚きの生徒の有効活用

4 Comments

こんにちは、Erinaです。

 

今日は、日本の中学高校には存在しない、驚きのとあるシステムについて書いてみたいと思います。

 

まず、アメリカの中学高校は、日本のようなクラスルーム制度ではないので、時間割(クラススケジュール)というのは個人によって異なります。

 

たとえば、9年生(日本の中3)のAちゃんのスケジュールは、

 

Block 1: English/Language Art (Room 308)

Block 2: PE (Gym)

Block 3: Math (Room 210)

Block 4: Science (Room 502)

 

となっていて、教室も科目もクラスメートとはバラバラ。(アメリカの科目についてはこちらの記事で

 

そしてどのクラスを取るかというのは、生徒個人に任せられていて、スケジュールの都合によっては、「空き時間」ができる生徒もいます。

 

上のAちゃんと仲良しのBちゃん(同じく9年生)は、3時間目の数学の授業でAちゃんと一緒ですが、それ以外は別で、こんなスケジュールになっています。

 

Block 1: Science (Room 502)

Block 2: No class

Block 3: Math (Room 210)

Block 4: ELA (Room 305)

 

Bちゃんは2時間目が空き時間になっていて、こういう生徒は各学年に10名前後出ることになります。(1時間目が空き時間の子は、遅れて登校。超ラッキー!)

 

これらの生徒は、図書館やらベンチで自習することが多いですが、その中でも、

 

  • Teacher’s Assistant (TA) ティーチャーズ・アシスタント
  • Office Assistant オフィス・アシスタント

 

に選ばれることがあります。

 

Teacher’s Assistant (TA)

うちの学校の場合、新学期が始まる前に、空き時間を持つ生徒名簿がオフィスの廊下に貼り出され、先生達はそこにある生徒の名前をチェック。

その中で、「この生徒に自分のTAをしてほしいな」と思ったら、それをオフィス(スケジュール管理部)に連絡し、自分のクラスのTAにできるわけです。たいてい、前学年にその先生のクラスで成績が良かった生徒が選ばれるようです。

 

Bちゃんも、2時間目の空き時間に自分とは関係ない社会科のクラスでTAになりました。

その仕事内容は、まさに「先生のアシスタント」で、授業中に教室の後ろや角に置いてある専用の机で、宿題提出者のチェックやプリントを切ったりしてくれます。やることが特にない場合は、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、自分の宿題をやったり、国語のクラスの読書をしたりします。そこで行なわれている授業に参加する必要はありません(そのクラスの生徒ではないので)し、授業の邪魔になることはありません。

たいていはその科目の勉強がよくできる生徒なので、たまに、授業中に後輩からの質問に答えたり、「これってどうやってやるの?」とか聞かれたりしています。

 

Office Assistant

これはオフィス(日本で言う職員室・事務室)のアシスタント。

アメリカの中高では、全校放送がほとんどされないので、生徒個人の呼び出しなどは、かなり原始的です。

 

たとえば、前述のAちゃんの親から連絡があり、急に午後にドクターアポイントメントが入りました。Aちゃんはその時間、Block 4: Science (Room 502) となっていて、502教室で理科の授業中です。

 

この際、オフィスアシスタントの生徒は、

 

Aちゃんの名前

その時間の先生の名前

ドクターアポイントメント

 

などが書かれた紙切れ (slip) を持って、502教室に向かいます。

そしてそれをそこにいる理科の先生に渡し、オフィスに戻ってきます。

理科の先生はAちゃんが早退しなければならないことをそれで知り、「帰って良いよ」となるわけです。

 

他に呼び出される理由としては、

 

常用薬の服用時間に保健室に行く

担当カウンセラーとのアポイントメント

他のクラスの先生からの呼び出し

 

などです。

 

オフィスアシスタントはこういう諸々の配布物や連絡事項を、キャンパスに散らばっている生徒達に伝達する仕事の他、受付でのアシスタントなどもしています。

 

私が最初にこの生徒達を見た時は驚きました。手に紙切れを何枚も持った生徒達が、授業中なのにキャンパスをウロウロしている。

 

ユーたち、何やってんの〜?

 

と思いましたが、彼らにはこういう仕事が与えられていたわけです。

 

私はこのシステムを知った時、以下の理由で「素晴らしい!」と思いました。

 

  • 生徒の自治性を育てる
  • 生徒の貢献力を育てる
  • 大人(スタッフ・教師)の時間を有効活用できる

 

どういうことか、具体的に見てみましょう。

 

生徒の自治性を育てる

 

学校を運営するのにこうやってどんどん生徒を使うことで、「ここは自分たちの学校なんだな」という気持ちを育てます。「誰かがやらなきゃいけないなら、自分がやろう!」という “Citizenship” は、やはりこういうところから育ちますね。

学校というのは、大人に支配・管理された環境ではなく、生徒自身の手で作り上げるものだという気持ちは、アメリカの学生の中でかなり強いです。イベントなどもそうですが(これはまた別記事で)、中高にもなるとやはり教師が仕切ることは減り、スタッフ・教師・生徒の力関係がかなりバランスのとれたものになります。

 

生徒の貢献力を育てる

 

小さい頃からボランティアの機会に恵まれているアメリカでは、やはりこうやって社会貢献の場に子供を含めることが多いです。

こうやって日常的に大人に使われていると、「自分は社会に役立てる」という気持ちが子供の中で育ちます。

日本の就活みたいなものがなくても、自分のニーズに合わせて仕事を探し、自立するという意味では、かなり若い頃からそのトレーニングが始まっているように感じます。

 

大人(スタッフ・教師)の時間を有効活用できる

 

やはり日本の学校はまだまだ大人(特に教師)によって仕切られていて、結果、教師達の過労働が問題になっています。

そんな中で、「分業」という考えにこうやって生徒を入れてくることは素晴らしい工夫だと思うし、教室で起こる全てを教師が担う必要がありません。

教師の仕事はあくまで「教えること」であり、それ以外の細かい作業は、手分けしてやろう、という境界線がかなりきっちりと引かれているのがアメリカの学校です。

 

 

 

大人にとっては些細な仕事も、子供は喜んで手伝いたいものです。

うちの子供達もそうで、オンキャンパスのアフタースクールに行っている子供は放課後に先生達のお手伝いをする機会が多く、「今日は、◯◯先生の教室の大掃除を手伝ったよ!」とか、「そのご褒美に本をもらったよ!」とかなんだか親の知らないところで学校に貢献しています。

 

なので、これらを「大人の雑用」と思うか、「仕事」と思うかどうかはその子次第だと思うし、誰かがやらなきゃいけないことを、無理のないように、やりたい子供達に任せるというシステムはとても効率的です。

子供達の「自分が大人の役に立てる!」という気持ちをどんどん応援してあげられるアメリカの学校環境は良いな、と思うのです。

 

どうでしょうか。

 

 

 

こんな記事もおすすめです
avatar

About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

4 Responses to “アメリカの中学高校で、驚きの生徒の有効活用”

  1. avatar

    直子

    はじめまして。いつもえりなさんのブログとツイッター楽しみにさせてもらっています。
    私はアメリカに住む32歳の主婦です。今日はご相談したい事がありコメントしています。私は日本では幼稚園教諭でしたが、手に職をと思い、アメリカの大学で会計の勉強を始めました。あと10クラスで卒業ですが、去年娘が生まれ、今は2クラスずつオンラインで取っているため、あと2年かかります。GPAは4.0に近いです。
    でも会計職は将来AIによって失くなるようなので、computer science専攻にすれば良かったと後悔しています。実は大学に戻る時にこの二つの専攻で悩みましたが、結局会計を選んでしまいました。ただプログラミング経験はありません。
    最近友達の旦那さんが、プログラミングのブートキャンプの学校に半年通ってコーディングの仕事をゲットしたそうで、そういった学校に興味が湧いています。ただせっかく会計は勉強してきたから卒業はして少し経験を積んだ方が良いのか、それともすぐ半年プログラミングの学校へ行って新たにキャリアを築いた方が良いのか、年齢も年齢なので悩んでいます。ぜひえりなさんのご意見を頂けたら幸いです。

  2. avatar

    Erina

    直子さん、こんにちは!
    コメントありがとうございます。

    確かに、今で言う「会計士」という仕事は少なくなるかと思いますが、やはり形を変えて会計に携わるポジションというのは残ると思います。
    おっしゃる通り、CSはどの分野でも必要なスキルですが、「会計とCS」とか「マーケティングとCS」と両方できる人はそれほどいません。
    会計のプログラミングをCSのプロに頼んだところで、そのプロに会計の知識がなければ、やはり会計を一から勉強することになります。
    なので、一番いいのは、「両方できる」ということ。
    本来ならCSのプロに頼まなければならないところを、インハウスの会計士が自分でプログラミングできるとなると、2人分の仕事ができるわけです。
    私も実際、数学とビジネスをやって二足の草鞋で来ましたが、両方できたことが、自分を価値ある人材 “Valuable” にしてくれたと思っています。
    なので、CSはサイドでクラスを取るとか、自分で勉強できるときにやれば良いけれど、それを必ずしも本職にしなければならないか?と言われると、そうじゃないと思います。
    あとは自分の好きなことに重点を置くことが大事ですね。
    頑張ってください!

  3. avatar

    Erina

    あと、年齢は気にしなくて良いと思いますよ。
    日本に帰るならまた別ですが、アメリカで就職しようと思っているなら、年齢は全く関係ありません。
    レジュメに年齢を書く欄はないし、同僚や上司の年齢が話題に上がったことはこの10年間の勤務経験で一度もありませんでした。

  4. avatar

    直子

    えりなさん、お返事ありがとうございます!
    自分を価値ある人材にするために両方できるようにしておくと言うのは良い案ですね。
    ブートキャンプに通うのは辞めて、自主学習でプログラミングを少しずつ勉強しつつ、会計での卒業を目指して行こうと思います。
    えりなさんはお子さんがいながら、今までのしっかりしたキャリアと経験があり、更に今はまた別に本当にやりたい職業を目指されていて、とてもかっこいいなとインスパイアされます。憧れの存在です。
    これからもブログ楽しみにしています。
    アドバイスありがとうございました!

コメントを書き込む