Problem Solving(問題解決力)とは

こんにちは、Erinaです。

 

“Problem-solving” は、日本語で「問題解決力」で、自力で目の前にある問題を解決する力です。

これは学校だけでなく、仕事をする上でも必要とされるスキルでもあります。

 

今日は、子供が自力で問題解決できることの大切さと、そのサポートをする親の意識について書いてみたいと思います。

 

まず、私がこの Problem-solving skill というものが一つのスキルとして確立されていることを認識したのは、自分が学生の頃でした。

初めてアメリカのレジュメを書いていた時、アドバイザーに、“You should add problem-solving skill.” と言われたのがきっかけでした。というのも、大学で数学を専攻していた私は、常に目の前の「問題」を解いていたわけで、そういう意味で、理系は問題解決というマインドが根底にあると言えます。

 

予備校時代、数学の先生がこんなことを言っていました。

「数学というのは、全てがノウハウなわけじゃない。たまには、ググッと腕力で押し通してみることも必要。」

つまり、目の前に高く積み上がったものも、これだ!と決めたらそこから突破してみようという勇気も大事で、そうしてから見えてくるものもある、という意味でした。

 

毎日の算数の宿題も、「やらされる労働」と捉えるか、「解くべき問題」と捉えるかで、子供の「よし、やってやろう!」という気持ちに差が生まれるわけです。

 

私が、数学を専攻して得られたものは、数学という学問そのものよりも、「世の中に解けない問題はない!」と思えたことでした。

それは、数学だけでなく、社会的問題、人間関係、金銭的問題など、自分の生活の様々な側面に現れていたし、今でもそういう気持ちで生活をしていますから、あまりイライラすることもありません。笑

 

では、問題解決力を身につけるには、大学で数学を専攻しなくてはならないか?というと、もちろんそうではありません。

 

先日、こんなことがありました。

 

うちの10歳の息子は、小学校で最終学年の5年生になり、様々なクラブ活動に参加できるようになりました。

うちの子供達が通う小学校は、クラブ活動への参加は完全ボランティアで、以下のようなものがあります。

 

  • リサイクル&学校庭園
  • 登下校時間の交通整理
  • 放送局
  • TED-Edクラブ
  • 写真記録係
  • Peer Mentoring

 

・・・などなど、親の見えないところでその存在を知って、やりたい子が先生に直接、参加したい意思を伝えたり、先生に推薦されたり、というものです。

 

早いものは2年生から参加していた息子は、今年はいよいよ朝の交通整理チームに選ばれ、そして放送局にも参加したいとのこと。

 

彼は早速、放送局担当の先生にメール。

 

「○○先生へ

僕は放送局に参加したいです。去年は希望者がたくさんいて、選ばれませんでした。

今年は司会か撮影の仕事をしたいです。

僕はこの2年間、TEDedクラブに参加したので、人前で話すのには自信があります。」

 

 

というメールを自分で書き(自己アピールもちゃんとしている!)、「ママ、ちょっとメールチェックして」と私の確認をとってから送信。

 

数日後、担当の先生から返事が来たそうで、内容は、

 

「メールありがとう。

司会は希望者が多くて、今のところいっぱいになってしまったのだけれど、脚本 (writer) とテクニカルの仕事が空いています。

興味はありますか?」

 

というものでした。

 

息子は、ぜひ脚本の仕事をやりたい!とのことで、この先生と担任に相談することにしました。

 

私はこれを見て、「将来、この子は自分で仕事を取りに行ける」と思いました。

 

目の前に何かやりたいことや問題があった時、自分が動いて何かすることで、その状況を変えていく、というのは、数学の問題だけで育つものではありません。

私は、彼が自分でリサーチをし、先生にメールをするというステップにたどり着き、コミュニケーションをイニシエート(打診)するスキルがあることに驚いたし、それくらい息子にとって放送局に参加するということが大事なのだということを知ったのです。

 

数週間前に、子供達の学校のカリキュラムナイトに行ってきました。(カリキュラムナイトについてはこの記事で)

 

いよいよ最終学年の5年生のクラスは、先生たち全員でプレゼンをしたのですが、彼女たちはこう言いました。

 

「この学年では、子供が私たち教師に質問がある時、直接、自分でメールをするように教えます。

宿題やプロジェクトなどで質問がある時は、親ではなく、子供自身が教師に質問するべきだからです。

これは中学・高校に進学する上で必要なスキルであり、自分の問題は自分のものだ、という認識を、子供達は持たなくてはなりません。」

 

5年生理科の先生がこう言った時、教室にいた親たちからは「おぉー!」と拍手が起こりました。やはりうちの学校の素晴らしいところは、こういうところにあるな、と実感した瞬間でした。

 

私もこの意見には大賛成でした。

 

というのも、教育実習先で9年生(日本の中3で14〜15歳)のクラスを受け持っている今、生徒自身で私に質問できず、親が連絡を取ってくる家庭がいくつもあります。

 

「今日は休みます。宿題はなんですか?」

「前回のテストの成績が良くありませんでした。別のものでメイクアップできますか?」

「宿題を遅れて出しても良いですか?」

「テストの結果はどうでしたか?」

 

という質問を、子供ではなく、親がしてくるのです。

 

その中でも、まさに「ヘリコプターペアレント」(ヘリコプターのように子供の周りを常に旋回して、監視して、何でもやってあげる親のこと)がいて、この1ヶ月間、ほぼ毎日のように電話とメールをしている親がいます。

息子の教育に熱心なのは良いことなのですが、当の生徒本人はそういう親の情熱とは裏腹に、やる気もなく、自力で何とかしようという気持ちも、自分の成績は自分のもの、という意識もありません。というか、この親の元では、そういう気持ちは育たなかったのでしょう。

 

「前回のテストでDだったから、何とかしなくちゃ!」

 

と、自発的に質問にやってくる生徒たちとは、精神面でも学力面でもかなりの差があり、その差は開く一方です。

 

そういうわけで、やはり10歳前後から「自分の問題は自分のもの」という意識を持たせることは大事であり、親のアドバイスやヘルプの量に差はあれども、最後は子供にやらせる、という親の姿勢が必要になってくるようです。

 

どうでしょうか。

 

自分で何かを変えられる力「セルフ・エフィカシー」についての記事もこちらで読めます

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です