男子の問題の95%は、carefulになることで解決する

こんにちは、Erinaです。

 

我が家にはもうすぐ11歳になる5年生の息子と、9歳になったばかりの3年生の娘がいます。

彼らがもっと小さかった頃は、個人の差はあれど、男女の差というものはそれほど感じずにいました。

でもこの年齢になって、「やっぱりこれって男子特有なのかも・・・」と思うことや、「なんか女子っぽいよね」ということが増えてきて、それを周りに当てはめてみても、成長期における男女の差というのは明確なことが多々あります。

また、現在の教育実習現場にいる9年生(13〜15歳)の男女を見ていても、男女で直面するチャレンジは異なることが多いです。

 

そんなわけで今日は、一般的に男子に多い部分について書いてみたいと思います。

 

なぜ男子について書こうと思ったかというと、やはり女子の成長期は自分自身が経験したことであり、共感できる部分や理解できる部分は多いからです。イマドキの女子達を見ていると、手に持っているツール(特にスマホ)は異なるにしても、やはり人との付き合い方や、問題との向き合い方、処理の仕方などは、自分がこの年齢だった頃とすごく似ている。

それに比べて男子の人生というのは、長男が生まれた時から未知の世界だったし、それが成長期となるとまさに想像をはるかに超えた世界です。

 

今回、9年生の教室で実習したことで、やはり気づいたことがありました。

 

それは、「男子の問題の大多数は、ケアフルになることで解決する」ということ。つまり、注意を払うことでほとんどの物事は解決するということです。

 

いやー、そりゃそうでしょ。だけどそこが難しいんじゃない?

 

と思われるでしょう。

特にティーンの息子さんを持つママさん達、どうでしょうか。

 

男子の場合、解決策が見えていればそれに向かうことは得意な子が多いのですが、やはりチャレンジはそこに向かうまでのプロセスです。何をやれば良いかはわかっているし、何をしちゃいけないかもわかっている。だけどたどり着けないのは、ケア(細心の注意)が足りない。

はやる気持ちを抑えきれなくて、パーっとやってしまい結果が雑だとか、エキサイトしすぎて、言うべきじゃないことを言ってしまうというのは、この年代の男子に多い。

 

この記事でも書いたように、特に理数系のクラスでは、この年代の男女に差があります。

周りの反応を気にするようになって、大胆なチャレンジをしなくなる女子と、周りなんて気にしないで大ジャンプしようとする男子。

やはりそれは様々な面で起こっており、男子が大ジャンプをする前に “Be careful!” と言いたくなる場面が多いわけですね。

 

なのでこの年代では、いつも男子が叱られるとか、女子はおとなしくて楽だね〜なんて声がよく聞こえますが、自然とネガティブなアテンションが男子に向かってしまうのはこういう理由だと思います。

 

・・・と、私は男子を批判したいわけでは全くありません。

 

男子も女子も、個人の違いはあれども、それぞれの成長期は見ていてとても興味深いし、数学教師としてのアドバイスも一様ではなく、それぞれに効果的なことを見ているつもりです。

 

たとえば。

 

うちのクラスに、ジョサイア(仮名)という男子がいます。

彼はクロスカントリーチームで一生懸命走っているとても真面目な青年で、数学の授業も熱心に参加します。

他のおちゃらけた男子生徒に比べると、かなりマチュアな印象で、授業中のしょうもないジョークとかおしゃべりには参加しませんから、そういうことで注意されることはほとんどない。

 

宿題も毎日提出しているし、テスト勉強もかなりやっているはずの彼ですが、その努力がイマイチ結果に結びつかない。

彼自身もそれはわかっていて、テストの後に必ず一緒に見直ししたいと言うし、どうしたら同じミステイクをしないかと自分なりに考えている。

 

じゃあ、何が問題なのか?

 

まず、彼はかなり急いで作業をします。

テストもかなり早く終わらせるし、授業中にやる練習問題もそう。

 

分析してみると、彼の答案は整理されていないので、自分自身でも後から読んだ時に、理解できないことが多い。

 

この事実に気づいた彼は、「そっか、もうちょっと時間をかけてケアフルにやらなきゃいけないですね・・・。」と自分に言い聞かせました。

 

私が指摘するまでもなく、自分自身を少しずつ客観的に見られるようになってくるこの年代では、どこに自分の問題があるかわかっていることがほとんどで、ジョサイアもそうでした。

数学の授業でだけそういう性格ということはないでしょうから、おそらく他のクラスや学校外からも気づくことはあるのでしょう。

 

もう一人、ライアン(仮名)という生徒がいます。

彼はクラスのお調子者 (Class clown) で、成績に上下はあるものの数学自体は好きで理解も頭の回転も速い。

彼の答案はまぁまぁ整理されていて何も問題ない。

 

じゃあ、彼のケアはどこに向かうべきか。

それは「発言」です。

 

「こんなの簡単じゃん!」

「誰でもできるって!」

「違う子とペアになって良い?」

 

などなど、思ったことをそのまま言葉にしてしまう。

本気か冗談かはさておき、周りの気持ちを考えずに出てくる言葉はナイフのようにシャープで、誰かを傷つけることがあります。

 

私は授業直前にライアンと廊下に出て、こう言いました。

 

「あなたの成績は上がってきているし、頑張っているのはわかる。だから次はそのアテンションを少し、『他人を助ける』という方向に向けなさい。あなたの発言で傷つく人もいるかもしれないというところに、ケアフルになりなさい。」

 

そう言われて、「はい、わかりました・・・。」とうなずく彼をみると、きっとこれも、日頃から言われているんだろうな、という気がしました。

 

親や先生が口うるさく言う必要なんてほとんどありません。

宿題をやらなきゃいけないことも、願書の提出日が迫っていることも、言葉に気をつけなきゃいけないことも、本人が一番よくわかっている。

 

だからと言って、すぐには正しい行動に移せなくて、その危うさが大人に緊張感を与え、じれったさを与える。

 

この二人へのアドバイスがたまたま同じ日に起こった時、「男子へのアドバイスってほとんどが be careful なんじゃないか」と感じたのは、彼らはまだまだ成長中で、私たち大人みたいに安定していないことに気づいたから。

その変化のスピードも速く、意図的に雑になろうとか、意地悪になろうというのではなく、そのスピードとホルモンに自分たちも追いついていけないから。

 

だから、数学のテストだろうと発言だろうと、何か決断をする時にはケアフルになること。

彼らの性格や興味の矛先を、大人が変えることはできません。私たち大人がやらないだろうことも、彼らは身をもって体験しなくてはならないことは多々あるし、それが彼らを成長させるのなら失敗が目に見えてもさせるべき。

ただ、そこで問題に気づいたのなら、自分で軌道修正できる人間になって欲しい。

 

そういうアドバイスの方が、彼らは自分自身で必要なことを考え、制約ではなくて規律を覚える。その規律が大人への成長の手助けになるのではないでしょうか。

 

 

 

 

“男子の問題の95%は、carefulになることで解決する” への2件の返信

  1. Interestingですね。男の子は本当に未知の世界だから、面白く読みました。
    女の子のティーンの話も書いて!今仲良くしてる人の長女が14歳になったばかりの子で、Grade 10。毎週木金だけ、モモと電車で帰って来てくれるの。とても子供とは思えないような発言をするし、モモやリサを見てる時の彼女の責任感は、そこらへんのベビーシッターとかとは比べ物にならないくらいしっかりしてて、でも子供達と遊んでる時は無邪気で、まさに子供と大人の狭間にいてる感じ。
    なんだけど、学校でGrade 11〜12向けのModel United Nationsのメンバーに抜擢されて始めてみたものの、そのプレッシャーに押しつぶされそうって、この前初めて涙を流したの。もともと人前でスピーチとかするようなタイプではなくて、静かに真面目にっていうタイプ。特に責任感の強い子だからこそ、やるって決めたことを簡単にやめて良いとは言いたくないし辞めないのも分かってる、だからと言ってただでさえ毎日の莫大な宿題に加えてのMUNのミッション・・・まだ子供なのに、もっとのびのび過ごしたら良いよと心の中で涙を流す私。
    大きなものではないけど反抗期もあってか、中々親に相談しにくいところもあるみたい。私の事を慕ってくれてるのもすごく感じて、力になりたいんだけどね。自分の子育てはまだ小さい年齢しか経験してないから、一般的なティーンの持つ責任感の範囲とか挑戦できる力加減とか、掴めなくてとても難しい。

  2. 女の子はキーワードは「人間」な気がする。
    物事の判断基準が、周りにどう思われるか、受け入れてもらえるか、好きになってもらえるか、という「共感」なんだよね。だから正論を言ってしまって波風を立てるより、周りの流れに乗るということを選ぶ。
    これ自体が良い悪いということではなくて、結果として良く作用することもあるし、悪く作用することもある。

    ティーン男子が「許してもらいたい」のに比べて、ティーン女子は「聞いてもらいたい」という子が断然多い。
    女子の中に色んな思いがあって、正しい正しくないというジャッジメントより、やっぱり共感してもらったり、理解してもらいたい。これは大人でも結構そうだよね。

    ただ、背中を押すときは注意してる。
    やっぱりその子によってプレッシャーになることもあるし、子供によってプレッシャーの許容量は違うから。
    特にパブリックスピーキングは本当にトラウマになることもあるし、ちょっとずつ、少人数の場所で練習するとか、話しやすいトピックから始める、みたいなちょっとずつレベルを上げていくことをscaffoldingと言います。そういうことを、ちょっと提案してあげたら良いんじゃないかな。スピーチは練習次第で上達するものだから。

    プレッシャーにおいては、「いつ辞めても良いんだよ」って言ってくれる人がいるかどうかで心の持ちようが違うよね。そういう選択肢もあるんだってこと、この年代は知ってるべきだと思う。
    本当に辛い時、逃げることは必ずしも悪いことじゃない。
    その子のいるカルチャーがどんなものかはわからないけど、日本は逃げることや直面しないことが「悪」だから、子供達にとって息苦しいのがよくわかる。

    それと同時に、ゴールを持つ必要性もちらつかせる。
    周りと同調することも大事だけど、いつかは一人で歩いていかなければならないし、その時に信じるものとか目指すものがあるかどうかで女子は大きく差が出る。それに向かっている子は急に大人っぽくなるよね。
    子供と大人の間で揺れる時期だから、大人が揺さぶる必要はなくて、どっちに転んでも大丈夫だよ〜って言ってくれる人がいることが、女子の支えになるんじゃないかな。気分はセーフティネットで。

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