「日本人女性」というステレオタイプとの付き合い方
こんにちは、Erinaです。
この世界には様々なステレオタイプがあって、正しいものもあれば間違っているものもあるし、嬉しいものもあれば不快になるものもあります。
ステレオタイプというものは、人々が、あるものや人に対して、何かしらの経験を経た結果生まれるものであり、私はそれ自体を否定するつもりはありません。
ただ、自分自身のアイデンティティに付けられたステレオタイプの存在をきちんと認識し、上手に付き合っていくというのは、特にこのアメリカでは大事なことだと感じるようになったのは、やはりとても多様な社会で生活してきた結論です。
中には悪意があるものもあり、それは自分とは全く関係のないところで育ったものであるにも関わらず、その場では不快な思いをするかもしれない。
逆に良いものであれば、きっとその人が他のところで日本人女性に対して良い印象を受けたからであり、そういうポジティブなものは次の人にパスオンしていきたいと思うのです。
今回は、私の17年間のアメリカ生活の中で感じた、「日本人女性」へのステレオタイプと、それらとの付き合い方を書いてみたいと思います。
前もって書いておきますが、これは国際恋愛や国際結婚をゴールとしているわけではないので、恋愛対象者だけでなく、同性の上司やコーチ、友人達などとの体験も踏まえています。一般的な存在としての日本人女性、という解釈であることを念頭においてください。
まず、「日本人女性」と聞くと、従順で真面目でおとなしい・・・というイメージをネットなどでは見つけられるでしょう。
これらは良い悪いではなく、「従順」というのも良い結果を導けばそれは長所にもなるし、それで悪い結果が生まれれば短所にもなる、という意味です。
そんなわけで、まずは日本人女性のポジティブイメージをリストアップしてみます。
責任感が強い
たとえそれが口約束だったとしても、きちんと物事を覚えている人が多い。
これは例えば、パーティとかポットラックをするときにも、日本人女性がメインだと、高いレベルの「安心感」があるのに対して、日本人女性が少ない(またはいない)場所だと、「これってさー、どうなの・・・?」って感じることが多々ある。笑
仕事での責任に限らず、「あの時に、あれが欲しいって言ってたでしょ?」と言われて、単純に自分のことを覚えてくれている、という事実が嬉しい外国人は多いです。
時間に正確
5分前行動が当たり前だった日本文化で育つと、やはり時間に正確になります。
私の体験は、大学の部活でテニスをやっていた頃。
練習にいつも時間通りに現れると、コーチに、”You are trustworthy.” と言われるようになりました。”trustworthy” は「信用に値する」という意味で、実際に使われているのを聞くのはそれが初めてでした。(あなたは私の信用に値する→あなたは信用できる人だ)
「遅れないのは当たり前だと思うけど・・・」というのは当時の私の意見で、他のチームメイトはちらほらと遅れてきたり来なかったり、だったんですね。
気が回る
細かいところまで気がきく、注意を払っている、ということが感謝されることは多いです。
例えば、
「シャンプーがそろそろ無くなりそうだったから買っておいた」
「この練習の後は、ゲータレードを飲みたくなる」
とか、行動や物事の流れの先が見えていて、将来的にこうなるだろうな、というところまで気配りできる場合。
日本では当たり前だったことを、やってあげるとものすごく感謝されるというか、感激されることも多いです。
これは、
日本:他人(特に女性)への期待値(依存度)が高い
アメリカ:他人への期待値が低い
ので、何かを覚えてくれる、してくれる、ということが感謝される。
「ありがとう」すら言ってもらえない環境だと、誰かのために何かしたいと思えなくなるものですが、「えー!覚えてくれてたの!?ありがとう!!」って言われたら、やっぱりこっちも嬉しいものです。
“I feel appreciated.” (感謝されていると実感できる)という感じでしょうか。
器用で細かいものが好き
私はそれほど得意じゃないけれど、やはり小さくて細かいものへのこだわりというか、繊細さは評価されます。そして、その細々としたものに時間をかけたという気配りも。
こういうことを周りにしてあげられる日本人妻を、誇りに思ってくれるアメリカ人夫は多いですね。「ウチの奥さんはすごい!」って感じでしょう。
というのが一般的だけれど、どれかが不得意だからと言って、「私はだめな日本人女性」なんて思う必要はありません。
不器用な人だっているし、全員が全員、これに当てはまるわけではないからです。
では次に、多くの日本人女性が改善できるステレオタイプ。
欲しいものを欲しいと言う
アメリカでは、「相手に我慢させた」という事実を嫌う人が多いです。
これは男女関わらずそうで、他人に対して我慢をするというのは、その人間関係に対して真剣・誠実ではないと考える人もいます。
つまり、私がAさんに対して我慢しているのをAさんが認識した場合、「あー、エリナにとって私は本気でぶつかれる相手じゃないのね」とAさんが誤解してしまう可能性があるということです。
日本文化では、相手のことを思うからこそ生まれる「我慢」が、アメリカでは「遠慮できるなら自分たちは大した関係ではない」と受け取られます。
つまり、我慢や遠慮は、アメリカ社会における人間関係では、美徳ではないのです。
なので、欲しいものがある時、したいことがある時は、それをきちんと言う必要があります。
ただ、多くの日本人女性は、トップバッターで「じゃあ私がこれを食べます!」と言うのが苦手な人も多い。
一番乗りじゃなくて良いんです。二番目で良い。
誰かが先に行きそうだったら、”I will go after you.” “I will take it after you.” と、「あなたの後に行きますよ」という姿勢を見せれば良いだけ。
大切な人だからこそ、本音でぶつかり合う。
これは日本文化と大きく異なる部分で、日本人女性が身につけておくスキルだなと思います。
感情的にならずに自分の意見を言う
これは女性に限らず、日本の教育で欠けている部分なので、苦手な人は多いです。感情に任せて怒鳴ったり、泣いたり、落ち込んだりするだけでは、問題解決には至りません。
この記事でも書きましたが、困った時や何かトラブルが起こった時に、自主的に対処することをアメリカではかなり小さい頃から身につく環境が整っています。
やはりこれを身につけるためには、目の前の問題と向き合って、「じゃあまずはこれから手をつけて、次にこうやって、ゴールに向かおう」と建設的な会話を持つことが必要です。私がアメリカ人旦那と何かを解決しなくてはならない時も、”Is this a constructive conversation or not?” ということを自問するようにしているし、感情を一旦、横においておき、まずは目の前の問題をどうやって解決するか?というところに意識を集中させるのです。
これは日々の生活の中で訓練が必要になるし、結果として人間関係が格段にレベルアップしていくのも実感できます。
「今」を愛する
理想の自分、理想の仕事、理想の結婚、理想の子育て・・・。
そういうものに時間を費やして、現実とのギャップに落ち込む日本人女性は多いです。
これはやはり、前述したように、日本社会では女性への期待値が高いため、それを自分たちにも課してきたから。
だけど、そういう「こうあるべき理想像」がなかったら、どうでしょうか。
今あるものを大切にできるし、今の自分を愛することができる。たとえ短期間でも、アメリカに来て、そういう日本社会の呪縛から解放される日本人女性は多いですね。
・・・と、私の17年間のアメリカ生活の経験から感じたことを書いてみました。
当然ですが、あくまでこれは一般的なステレオタイプであり、例外もあるでしょう。
私自身、学生時代の友人(インド人女性)に、「あなたはステレオタイプブレーカーだわ。日本人女性のステレオタイプをことごとく壊してくれる」と言われました。褒めているのかけなしているのかは今では謎だけど。笑
ただ、少なからず「あー、自分にも当てはまるわ〜」と感じるところがあれば、それを上手に活かしたり、改善していくことで日々の生活が良くなるのではないかなぁと思います。
どうでしょうか。