「帰らないほうがいいよ」

6 Comments

こんにちは、Erinaです。

 

「帰らないほうがいいよ」

 

という言葉を、私は何度、飲み込んだかわかりません。

 

いつのことかと言うと、こちらで出会った日本人女性が、留学や海外赴任(帯同ではなく自身の)などを終えて、日本に完全帰国する時に生まれる言葉です。

 

実際、本人達に言ったことはありません。

だけど、正直なことを書くと、毎回、そう思っています。

今日はその心の内を書こうと思います。

 

私は子供の頃から日本で「女の子」であることをあまりポジティブに受け取れずに育ってきました。

昨今のニュースでもあるように、医学部の入試不正や蔓延するセクハラ、両立の難しさやワンオペ育児など、日本が女性にとって生きづらい国であることは、私が子供の頃から何一つ変わっていません。

「女である」ということが、ネガティブに反映され、ネガティブにリマインドされる社会です。

インターネットのおかげで、これらの事実は少しずつ海外でも知られるようになってきたものの、実際に変化を目撃できるようになるにはかなりの時間がかかるはずです。

 

そんな中、アメリカで進学・就職・結婚・出産を経験していると、やはりアメリカがいかに女性にとって暮らしやすい国であるかがわかります。

「女である」ということが、良い意味でリマインドされないので、性別について考える必要がない社会です。

(私は日本とアメリカしか知りませんが、他の国を知っている方は、「いや、うちの国はもっと素晴らしいよ!」というのが出てくるはず。そういうエピソードもぜひ教えてください。)

 

アメリカで出会う日本人女性達は、私なんか比べ物にならないくらい優秀な人が多く、「本当にすごい!」と純粋に思える人たちばかりです。彼女達がアメリカに残って、ビジターとしてでなく、この国の一部として貢献できる状態になれば、この国はもっともっと成長できるし、「日本」という国のレピュテーションもものすごく良くなる。

私にはそんな確信があるので、彼女達が日本に完全帰国となると、言い方は悪いけど、「もったいない・・・」と思うのです。

 

そうは言っても、個人の好みでアメリカ滞在できるわけではないことも、十分に理解しています。この17年間、私はそれなりの数の出会いと別れを経験してきました。

 

ビザの問題は大きいし、単純にアメリカが肌に合わないという人もいる。

日本でやらなければならないことがある人もいる。

 

私が「帰らないほうがいいよ」と言ったところで、彼女達の人生の責任を取れるわけではありません。もしかしたら、「帰らないほうがいい」と一番感じているのは、彼女達自身かも知れない。

 

だけどもし、そこに50−50の選択肢があって、これからの自分のベースを日本にするかアメリカにするかで悩んでいるとしたら、私は断言できます。

 

「帰らないほうがいい」

 

日本人女性が、もう少し、どこかにとっかかりを見つけて、アメリカ生活の基盤を必要としているなら、私は最大限にそれを助けたいと思うし、道端に転がっているチャンスの見つけ方を教えたい。

英語とか文化の違いが「アメリカ生活」においてハードルになっているとしたら、それを和らげたり、低くする手伝いもしたい。

 

どこで暮らしても人生に困難はつきものだけれども、日本のそれは、アメリカのそれに比べて、私たち女性にとって直接的で物理的にネガティブな影響を及ぼしているように私は感じるし、それが改善されるまでにはものすごい長い時間がかかる。

今日の日本にはびこる問題は、アメリカが50年、もしくはもっと前に経験したものであり、じゃああと50年で日本の問題は解決されるか?と聞かれるとそれも疑問です。なぜなら、日本における「変化のスピード」というのは、アメリカにおける「変化のスピード」に比べて断然遅いからです。

 

そう考えた時に、私は日本では戦うことよりも、戦わないことを選びました。

日本ではなく、アメリカという国に土俵を変えて戦うことにしたのです。

結果として、それは正解でした。

もちろん、「日本で生活していたら、どうなってたか?」なんて想像も比較もできないけれど、個人の人生を考える上で、その社会の成り立ちや状態というのは大きく左右することは事実です。

 

 

私自身がアメリカにやってきたのは、留学生としてでした。

これには「大学生活」という期限があり、その後にアメリカに残れる保証はありませんでした。結果として、アメリカ人旦那と出会い、結婚を通して永住権を得たわけですが、これははっきり言って全く予想していなかったことで、自分が一番驚いています。

 

「なるようになった (It was meant to be.)」と言われればそれまでなのだけれど、やはり振り返ってみれば、その時々で、あらゆる選択肢に対してオープンでいたことの結果かなと思うのです。

人生って不思議です。

 

 

どうでしょうか。

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

6 Responses to “「帰らないほうがいいよ」”

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    Yuki

    アメリカ在住です。
    100%同意したので、思わず書き込みました。
    日本の男尊女卑は女性が作り出していると思います。
    日本は
    なぜ、このような社会になんでしょうか。
    なぜ、変化ができない社会なのでしょうか。
    なぜ、話し合いが苦手なのでしょうか。
    なぜ、自分と違う意見を受け入れるのが難しいのでしょうか。

    では、こういう日本人の精神だからこそ、アメリカよりも優っている点はあるのでしょうか。

    Erinaさんの記事はいつも勉強になります。 考えさせられます。

  2. avatar

    Tommy

    私も同意です!アメリカに来て、日本にいた時の女だから、容姿がどうだから、年齢がこれだから、服装が流行に沿ってないからとかそういった呪縛から解放されて本当によかったです。

    駐在員の妻としてアメリカに来て早4年。現在は就労許可を得て、ヨガインストラクターとしてテキサスで働いています。仕事を持ち、完全ではない英語でも受け入れてくれる懐の深い生徒さん達の中で、アメリカでの自分の居場所を見つけられした。周りを見渡せば本当に才能に溢れた人達ばかりで圧倒されますが、アメリカを土俵に私なりに戦って行きたいというかもっと精神的に自分を解放し、情熱の赴くまま進んで行きたいと思いました。その情熱を忘れかけて、日常の忙しさに埋没しかかっていたので、エリナさんの記事は良いリマインドになりました。

    夫は任期がないため、いつまでアメリカにいられるかわかりませんが、私達のビザの問題をクリアしてずっと居れることを願っています。
    英語ももっとうまくなりたい!

    いつも刺激を有難うございます!

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    メイ

    私も主人の仕事でアメリカに住んでますが、同じようなことを感じていました。
    特に感じるのは(これは女性に限らずですが)、日本で仕事に就く際に年齢制限があるところです。
    日本の求人には必ずと言って良いほど(特に女性)、年齢制限が明記されていたりします。
    私の友達ですごく能力がある人なのに、日本で仕事に就くのは本当に大変だったと言ってました。
    最近は日本でも働く女性を支援したいと話題になっていますが、まだまだ改善の余地はあるのでは無いでしょうか?

  4. avatar

    Erina

    Yukiさん、こんにちは。
    返事が遅くなってしまいごめんなさい。

    >日本の男尊女卑は女性が作り出していると思います。

    というのは鋭い指摘ですね。
    完全に、というわけではないですが、私も部分的に女性が担っているところは大きいと思います。
    男性、女性、どちらが発端にしろ、こういう社会になることを女性側が許してしまったのは事実です。
    だからこれからそれを軌道修正していくことが、日本人女性の役割ですよね。
    まずは外の世界を見てほしい。そこで戦ってきた女性達から学ぶことがたくさんあるから、それを知ってほしいです。

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    Erina

    Tommyさん、こんにちは。
    コメントありがとうございます。

    アメリカでは、「個人」で勝負することができますよね。
    良くも悪くも、性別とか国籍とか、そういうものが守ってくれない。
    自分自身と向き合うことがたくさんあります。
    外国人としてのハンディキャップももちろんあるけれど、それでももっと根本的なところを見てくれる人が多いことは私も感謝です。
    お互いに頑張りましょうね!

  6. avatar

    Erina

    メイさん、こんにちは!

    そうですね。この日本の現況を悲観視するか、楽観視するかは個人の選択だと思います。
    改善の余地はあると思いますよ。
    日本には賢くて強い女性達がたくさんいますから。
    これからの世代にはやはり外の世界を見て、他の社会がどうやって同じような課題を乗り越えてきたのかを勉強してほしいです。
    そうすることで、こういう変化はスピードアップできると思うので。
    ただ、時間はかかりますよね。世代交代が必要な部分もあるでしょうし。

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