ABCドラマ: スキャンダル

こんにちは、Erinaです。

 

みなさん、テレビドラマは見ますか?

私はここ最近はテレビを見る時間がめっきり減ってしまったのですが、「コレだけは!」と見逃さないドラマがあります。

それは、ABC局の”Scandal”(スキャンダル)です。

 

ケリー・ワシントンが演じるオリヴィア・ポープは、ワシントンDCで起こる政治家たちのスキャンダルのFixer(フィクサー)。つまり、問題事の片付け屋。まぁ彼女自身も大統領の不倫相手だったり、様々なスキャンダルの渦中にいて、毎週ドキドキハラハラです。

 

プロデュースはあのションダ・ライムズで、スキャンダルの前枠は同じく彼女の代表作である「グレイズ・アナトミー」、後枠は2シーズン目の「How to get away with murder」という、木曜日は3時間ぶっ続けで彼女の作品が見られるわけです。

私はそんなエネルギーがないので(笑)、スキャンダルの週一時間でいっぱいいっぱいなのですが、それにしても彼女の作品は面白い!

 

ションダ・ライムズ自身がそうであるように、主役たちやストーリーの流れにどんどんマイノリティ(黒人、ラテンアメリカン、アジアンアメリカン、女性、同性愛者など)を使い、それもスパイスになっている要素がとても多い。とてもリアリスティックで、タブーにもどんどん触れて、現代のアメリカ社会を痛いくらいに感じられるドラマです。

 

ではでは、私がすっかりはまってしまったドラマ「スキャンダル」について勝手に書いてみたいと思います。

 

スキャンダルは今年で5シーズンめが先週木曜日から始まりました。最近のエピソードはここで見られます

 

オリヴィアはPope & Associatesという会社を立ち上げて、政治家や有名人たちのいわば面倒なこと(=スキャンダル)を片付ける仕事をしています。

当初のメンバーは、

 

スティーブン

アビー

ハリソン

ハック

クイン

 

From tvequals.com
From tvequals.com

 

 

で、それはもうハッキングからなりすまし、恐喝・恫喝・事件もみ消しなど、クライアントからの依頼のためならなんでもやるチーム。このチームを統括しているのがオリヴィアなわけです。

 

たとえば、シーズン1の第一話では、ガールフレンドを殺されたと一人の男性が血まみれのシャツ姿でオリヴィアのオフィスにやってきます。

彼は元軍人のヒーローとして有名になった人物なのですが、自分の無罪を証明して欲しいというのが彼の依頼。

オリヴィアのチームは、彼のアリバイを探している間、あるセキュリティカメラに映ったこの男性の姿を見つけました。

そしてこの映像は同時に、この男性が、実はゲイだという証明になってしまったのです。

 

彼は、無実を証明することで自分の中の本当の自分(ゲイであること)をさらけ出すか、それとも社会的な「保守的な軍人英雄像」をキープするか、という決断を強いられることになってしまったのです。

 

この記事でも書いたように、アメリカの「保守派」というのはキリスト教の教えを守り、男女間での結婚を絶対としています。つまり、「ゲイである」ということはその教えに背くことになってしまうのです。

 

う~ん、難しいですねぇ・・・・。

みなさんはこういう「究極の選択」って経験したことがあるでしょうか?(殺人事件に巻き込まれるってことはないと思いますが・・・)

 

私がここで「このドラマは面白い!」と思うのが、こういうシーンでのオリヴィアのありかたです。

 

この男性は、自分が社会的にどう見られるかということをキープするために、警察に自分の身を受け渡します。つまり、無罪証明をするビデオを使わずに逮捕されてしまうのです。しかしその姿を見たオリヴィアは、留置所で彼に面会し、こう言うのです。

 

“We may never know who killed Paige.

But this isn’t about you not going to jail for Paige’s murder. This is about you not living a lie.

Sully, I saw that kiss. You love that man, whoever he is. You love him. You have been living with a secret for a really long time. I know what that’s like. I honestly do.

And you think you’re doing it for the right reasons. You think you’re doing it for your country and for the people who look up to you, but the thing is, who you are, who you love that shouldn’t be a secret. It shouldn’t have to be a secret, should it?”

「誰がペイジ(ガールフレンド)を殺したかはわからないかもしれない。

私が言いたいのは、冤罪でジェイルに行くなっていうことじゃないの。何が大切かって、あなたがうその上に生きていかないこと。

サリー、あのキスを見たわ。相手の男性を愛しているのでしょ?あなたは自分の中の秘密ととても長い間、生きてきたのね。その気持ちはとてもよくわかるわ。本当よ。

あなたは、正当な理由で今、ここにいると思っているんでしょう。あなたは国と、自分を尊敬してくれている人たちのために、こうしていると思っているのだろうけど、本当は、あなたが誰で、どんな人間かなんてことは、秘密であるべきじゃないのよ。そうでしょう?」

 

 

その後、この男性はプレスカンファレンスを行い、テレビの前で自分がゲイであることを公表し、自分の無実を晴らすのです。

 

オリヴィアの考え方は、男性が自分の無罪を証明することで、自分自身に正直に生きることを教えました。

結果として、当初の依頼よりも踏み込んだ、クライアント自身と向き合うことをお手伝いしたことになったわけですが、それこそがオリヴィアの強みなのです。

 

それは、相手が誰であろうと、まっすぐに一人の人として向き合うところとか、自分の中の自分を誰よりも信じるところとか、女性として見習いたいところがたくさんあります。(こういう彼女の正直さや強さは、周りの人間の信頼を得ることになり、オリヴィアは影の権力者として一目置かれるようになるのです。)

そう感じるのはきっと私だけでなく、「黒人女性が主人公」というこのドラマがヒットしている理由でもあって、マイノリティながらも、白人男性社会のシンボルみたいなワシントンDCに、果敢に立ち向かっていく姿が支持されているからかもしれないな、と思うのです。

 

 

 

 

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