エル・ニーニョ到来!
こんにちは、Erinaです。
ここ数年、深刻な水不足に悩むカリフォルニア。
農家への影響や、水道代の値上げなど、私たち市民への打撃も少なくありません。
ここサンディエゴでは、水の必要な庭の芝生を剥がして、あまり水の使わない多肉植物などに植え替えると、郡や市からお金をもらえるという節水推進活動なども行なわれています。雨が降った後24時間は植物に水遣りをしてはいけないとか、壊れたスプリンクラーから水が流れ出していたら罰金みたいなルールもできています。
「カリフォルニアのプライド!汚い車を運転しよう!」(つまり洗車に水を使うな)なんていう看板もフリーウェイ脇に掲げられたりして、水不足はカリフォルニアンライフの象徴みたいになってきました。
それほどに水不足を心配していた私たちですが、今年の冬は「エル・ニーニョ」の年。季節風の影響で、雨が特別に多い年なのだそうです。
南カリフォルニア~アリゾナなどを含めた砂漠地帯では、冬が雨季です。
だいたい11月くらいからぐっと気温が下がり、3月末~4月のイースターまで雨の日がチラホラとあります。
しかしここ数年は、その雨も少なく、コロラド~ネバダにある貯水エリア(ここからカリフォルニアの水はやってくる)はカラカラになってしまい、カリフォルニアへの給水が底をつくのでは?!なんて心配されていました。サンディエゴエリアの貯水池 (Reservor)や湖 (Lake)も、干上がってしまいカラッカラ。
そんなわけで、待ちに待ったエル・ニーニョ。スペイン語のEl Niñoは”a boy”(男の子)という意味ですね。
ランダムにやってきていたずらする、みたいな意味でそうついたのでしょうか。笑
今週、ついにサンディエゴにもエル・ニーニョ第一号くんがやってきました。
火曜の夜、数日前まで30℃もあった気温がググッと下がったかと思うと、そこここで雷が。
雷は英語で、光(「ピカッ」の部分)がLighteningで、音(「ゴロゴロゴロ」の部分)がThunderですね。
だんだん近づいてくると、家の真上を飛行機が飛んでいるんじゃないか?というくらいの振動も感じ、いつもはクールな息子も、「家に落ちる?落ちたらどうなるの?家具は溶ける?」とか聞いてました。笑
普段は2~3回もすれば過ぎてしまう雷も、この日は数時間連続。途中で雨が降ってきて、あられが降ってきて、なかなか珍しい天気になったのです。
私が日本にいた頃は、当たり前のことですが、雨なんてこれほど珍しく思わなかったし、「雨は良いねぇ」とか「美しい雨だなぁ」なんてことはまったく考えもしませんでした。この時期の雨なんて、冷たくて寒いし、どちらかといえば「嫌なもの」でした。
だけれど、人間、ところかわれば情緒も変わるもので、もう数ヶ月は見てない雨が降れば、「恵みの雨!」と感じるし、その後の植物たちの生き生きした姿やすがすがしい空気は特別なものに感じるのです。
ちなみに、雨にまつわる英単語は
misty 霧雨(顔につくような感じ)
drizzle 小雨(濡れても気にならないようなチョロチョロとした感じ)
rain 雨(傘が必要な感じ)
pouring rain どしゃ降りの雨(外に行きたくない感じ)
raining cats and dogs どしゃ降りの雨の慣用句(誰も外には行かないよ!という感じ)
雷がつくと、thunderstormになりますね。
とは言っても、悠長に「雨は良いねぇ」なんて言ってられない人たちもたくさんいます。
雨に耐性のない南カリフォルニアでは、ちょっと雨が降ったら交通事故は多発し、町中は大渋滞。
低いエリアやビーチでは排水が追いつかずに洪水が起こるし、サンディエゴリバーのすぐそばにあるファッションバレーモールはもう大惨劇。
10年以上もサンディエゴに住んでいると、雨のたびに必ずニュースに挙がるエリアや道があって、「あぁ、あそこは雨のときは避けよう」と思うようになるのです。
日本から見たら、「それくらいの雨で?!」と笑われるかもしれませんが、年間を通して30センチも平均降水量がないサンディエゴでは、そんなものです。
そんなわけで、エル・ニーニョを前に、排水溝をきれいにする道路作業員のみなさん、サンドバッグ(砂袋)を用意するみなさん、交通事故に対応するみなさん、お疲れ様です。どうか安全第一で。