メイクラブと宗教と遊び心

こんにちは、Erinaです。

 

今日は、ドゥーラ貴代さんとの個人的なおしゃべりを(貴代さんの了解を得て)会話形式にして紹介します。

 

「ドゥーラ」という言葉を聞くと、どうしても妊娠・出産につなげてしまうことが多く、「妊娠してないから、私には関係ない」とか「子育てが終わったら、関係ないんでしょ」と考える女性がものすごく多いのですが、実際は、妊娠・出産というのは、女性のカラダの歴史の中での通過点でしかなく、その前後に自分をどうケアするか、と考える必要があると思っています。

初潮が始まる前も、閉経後も、女は女であり、自分の体との対話は常に必要だと思うし、そういうきっかけを作ってくれるのが貴代さんでもあります。

今日は、妊娠・出産を7年前に終わってしまった私が今でも、貴代さんとの会話を楽しめる理由を、みなさんにも紹介したくてこんな記事を書くことにしました。

 

貴代さんは、宗教の勉強もされていたので、今回はそのへんの話も出てきます。笑いながら読んでください。

 

まずは「メイクラブ」について。

 

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貴代:「私はね、自分のクラスでも『セックス』とは呼ばないの。『メイクラブ』って言うのね。それは二人で作るものだから。片方が頑張るものでもなければ、独りよがりでもない。二人できちんと向き合って、一緒に作るもの。」

 

エリナ:「良いですね。でも、日本人女性はメイクラブについて話すのが苦手っていう人も多いんじゃないですか?」

 

貴代:「多いわね。やっぱりそれは、親から『悪いこと』『汚らわしいこと』って教わってきた部分も大きいし、だからタブーにしちゃう。」

 

エリナ:「すいません、話がそれますが、私、タブーをタブーにしない会話って大事だなって思うんです。だって、世間のタブーが当たり前の人生を送る人もいるわけでしょ?特に日本人ってそういう見たくない、聞きたくないものから無言で遠ざかるっていうところがありますよね。」

 

貴代:「エリナさん、タブーってね、もともとは宗教から生まれたのよ。」

 

エリナ:「あぁ!そうなんだ!自分たちの教えに反するものをタブーにしたんだ!だからすごく主観的なんですね。今、すとーんと腑に落ちました。」

 

貴代:「仏教とかヒンドゥー教っていうのは、性にとてもオープンなのね、実は。」

 

エリナ:「へぇ。」

 

貴代:「だって釈迦なんてね、本当にたくさんの女性と関係を持ったのよ。」

 

エリナ:「えぇ?!そうなんですか?」

 

貴代:「でもね、満足できなかったの。」

 

エリナ:「うえぇぇ?!」

 

貴代:「だから出家したのよ。」

 

エリナ:「えーっ!!!」

 

貴代:「どうしてなんだ・・・どうしてなんだ・・・・って、それで悟りを開いたのよ。菩提樹の下でね。それであそこまで行けたらすごいわよね。」

 

エリナ:「すごいですよ。っていうか、超人間くさいですね。(笑)」

 

貴代:「そうなの。私たちと同じでしょ?」

 

エリナ:「同じだ・・・。」

 

貴代:「ヒンドゥー教はもっとセクシュアルよ。ヨガもそう。ほら、陰と陽っていうのは、二つの異なるエレメントが統合するっていう意味なのだけど、それももともとは男と女なのね。形の異なる男性器と女性器が統合することで一つになる、っていうことなの。」

 

エリナ:「えぇ~!全然知りませんでした。あ、でも、ヨガの『戦士のポーズ』は、若い男の子たちの性欲を発散させるために考案されたポーズだって聞いたことがあります!(笑)」

 

貴代:「うん、きっとそうだろうね。」

 

エリナ:「へぇ~、めっちゃ面白いですね。仏教もヒンドゥー教も人間くさいなぁ。」

 

貴代:「性について話を閉ざしたのは、バイブルなのね。」

 

エリナ:「あ~!そうか!だって命の始まりはアダムとイブで・・・。あ!『ヴァージンマリア』ですもんね!」

 

貴代:「そう。」

 

エリナ:「そうなんだ!じゃあ、日本人が性について話したくないって言うのは、長い間、それだけ知らず知らずのうちに聖書の影響を受けてきてたってことなんだ。」

 

 

 

貴代:「部屋の明かりを真っ暗にしたりね。自分たちに『秘め事』とか『しちゃだめなこと』っていう意識があるから。」

 

エリナ:「あぁ・・・見られないように。」

 

貴代:「うん、そう。でもね、メイクラブっていうのは、お互いに顔と体を見て、反応を見て、話しながら楽しむっていう気持ちが大事でしょう。」

 

エリナ:「うん、そうですね。」

 

貴代:「特に女性は、『自分から誘うものじゃない』『はしたない』って考えるから、つい受身になってしまう。

でもね、女性の体っていうのは、きちんとサイクルがあって、オキシトシンっていうホルモンが出る日があるの。そうすると、相手を求める気持ちが生まれて、女性器がジュースで潤う。そうなると、男性器を受け入れる準備が出来る。それに男性が応える。それこそがメイクラブなのよね。」

 

エリナ:「なるほど。」

 

貴代:「だからたとえば、そういう日は旦那さんの手を優しく触ってみるとか、そうしたら旦那さんも『じゃあ今日はちょっと早く帰ってこようかな』って思う。あけっぴろげになる必要はないけれど、そういう夫婦のコミュニケーションがあるっていうのは大事よね。」

 

エリナ:「ふむふむ。」

 

貴代:「そうじゃないと、『今日は排卵日だから、早く帰ってきてね』っていう会話になるのね。そうなると、旦那さんも家に帰ってきたくなくなるのよ。」

 

エリナ:「そうですよね。だって家でも仕事があるみたいだもん・・・それは私も嫌だな。そういうときって、女性は痛くないんですか?」

 

貴代:「どういうこと?」

 

エリナ:「『今日は子どもを作らなきゃ!』ってアタマで考えてメイクラブするって、カラダの準備ができてないと・・・痛いですよね?」

 

貴代:「痛いと思いますよ。」

 

エリナ:「それは、辛いな・・・。」

 

貴代:「だから、女性も楽しむことが大事。遊び心を持つことね。」

 

エリナ:「あぁ!それ、私も言われました。ホストマザーに。」

 

貴代:「そう?」

 

エリナ:「結婚してちょっとのときだったと思うけど・・・。なんていうか、やっぱり『ベッドではこうあるべきだ』っていうアタマの中に自分の考えがあって、それと現実が沿っていないことがあって。それをホストマザーに相談したら、“Be playful!”って言われたんです。」

 

貴代:「うん。良いじゃない。」

 

エリナ:「あ~、それ、自分にすごい欠けてるな~って思いました。彼女は遊び心満載な人だし(笑)。これだけ自分はアメリカナイズされたと思ってても、やっぱりまだ自分はマジメだなって思いました。」

 

貴代:「そうなのよ、『マジメ』ね。」

 

エリナ:「マジメって、日本語では勤勉で素晴らしいって思われてるけど、英語ではHardworkingじゃなくて、Seriousですからね。(笑)」

 

貴代:「日本は何事も学業につなげたいからね。」

 

エリナ:「こっちにいたら、Seriousってあまり褒め言葉じゃないですもんね。ビックリですよ。日本じゃマジメに頑張ってきたのに。(笑)」

 

貴代:「そうね。日本はマジメで勤勉で言われた通りのことができる子がえらいって育てられてきたけど、それだとフレキシビリティに欠けるっていう弱点はあるわね。」

 

エリナ:「ほぉ。」

 

貴代:「だから、30~40代くらいになって、仕事・結婚・家庭・子育てってマルチタスクになったり、予期できないイベントが起こると、マジメだった子っていうのは打たれ弱いのよ。」

 

エリナ:「なるほど・・・。」

 

貴代:「だからやっぱり遊び心っていうのは大事で、メイクラブでもそう。子作りは宿題じゃないから。」

 

エリナ:「うん、本当にそうですね。あとね、自分のことを知るって大事だなって思うんです。」

 

貴代:「うん。」

 

エリナ:「うちは結婚して10年になるけど、10年前よりメイクラブがずっと良いよねって旦那と最近、話してて。」

 

貴代:「素晴らしいじゃない。」

 

エリナ:「はい。この記事でも書いたように、それはこの年齢になったからこそ、自分のカラダのことをきちんと考えるようになったし、それはきっと彼もそうで。

それまでの、性欲を満たして終わりっていうのではなくて、自分がどうやったら満たされるかってわかってるから、プラスアルファで満たされるんだと思います。」

 

貴代:「そうなの、女性にとってメイクラブが一番楽しいときって、30~40代なのよね。自分の体を理解できるようになってくるから。」

 

エリナ:「へぇ、そうなんですか。そのためにはやっぱり会話ですよね。メイクラブって体を使ったコミュニケーションだと思うし。」

 

貴代:「そうなの、そうなの。」

 

エリナ:「だから、それこそ私の生理の重さトークに始まり、そういう理解があるからこそ、10年経った今のほうがずっと良いのかと・・・。

だから、日本で多いっていうこの年齢のセックスレスっていうのは、なんていうか・・・やっぱり寂しいなと思います。だってちょっとした夫婦の会話でなんとかできるんだもん。」

 

 

 

貴代:「あのね、こういう話があるの。」

 

エリナ:「何ですか?」

 

貴代:「バレンタイン前に、ある奥さんが、プロの写真家を雇って、ベッドですごくセクシーな写真を撮ってもらったのね。で、その写真を旦那さんにプレゼントしたの。」

 

エリナ:「はいはい、ありますね。」

 

貴代:「でね、旦那さんはとても感動して、その写真家に感謝カードを送ったの。『僕のワイフをとても素敵に写してくれてありがとう』って。だけど、最後にこういうの。

『でも、君は僕たちのヒストリーも消してしまった。3回の妊娠・出産でついたストレッチマーク(妊娠線)も、顔のシミも、僕の愛するカラダの形も変えてしまった。とても残念だ。』って。」

 

エリナ:「はぁ!」

 

貴代:「つまり、フォトショップで、奥さんの体がもっている自分たちの『歴史』を消してしまったことにガッカリしたわけ。素晴らしい旦那さんよね。」

 

エリナ:「そうですね!」

 

貴代:「女性はみ~んな言うの。私は胸が大きくない、お腹が出てる、太ももがどうだこうだって。それは他人と比べるから。編集されてるグラビアと比べてるからよ。自分しか知らなかったら、比べられないわけよね。」

 

エリナ:「はい、まさに。」

 

貴代:「良いのよ、旦那さんが『君の体が一番素敵だ』って言ってるなら。そうじゃない?」

 

エリナ:「そうですね。私も同じこと言われました。『10年前とは違うけど、二人子どもを生んだ君のお尻が好きだ』って。(笑)」

 

貴代:「うん、そうでしょ?」

 

エリナ:「だから、自分の体を変えたいとは思わないですね。」

 

貴代:「それが一番なのよ。」

 

 

 

 

私は貴代さんがいなければ、こうやって自分のカラダというものについて考えることはなかったと思います。

具合が悪くなればドクターにかかるし、妊娠すれば産婦人科のお世話になる。

だけど、私たちのカラダって本当にそれだけでしょうか?もっと話し合うことってあるんじゃないでしょうか?

毎日のことだから、きちんと理解しておきたいし、自分のパートナーとも相互理解をしておきたい。そのためにはやっぱり自分がまずは自分と向き合わなくてはならないし、それこそが「自分を愛する」ということにつながるんじゃないかと私は最近思うようになりました。

 

何を食べても、何をしても、全く体が壊れなかった10~20代とは違います。

それが「年を取ることだ」なんて悲観的に全く思わないし、今だからこそ楽しめることや理解できることを、味わいたいなと思うのです。

 

 

 

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