
適正価格の決め方
こんにちは、Erinaです。
今日は一風変わって、ビジネスの話でも書いてみたいと思います。
一応、仕事をしているということを世間にアピールするために・・・いや、冗談です。笑
みなさんは日常的に何かを買いますよね。
中には、日常的に何かを売るという方もいらっしゃるはずです。
そこでキーになってくるのが「価格」とか「値段」ですよね。英語ではPriceです。
同じものが別の店で30%オフになってた!
友達が同じものを15%オフでゲットしてた!
私たちは、少しでも安く買おうと必死になります。(はずです)
同時に、売る人は少しでも高く売ろうと試行錯誤します。
この「価格」って、どうやって決められてるんでしょうか。
また、売り手になる場合、どうやって決めるでしょうか。
私が価格について考えるようになったのは、育児休暇中に写真撮影のビジネスを始めたことがきっかけでした。
もともと、写真に興味があったものの、一眼レフは高価で買えなかった子ども時代。
自分にも子どもが生まれて、良い写真を残したいと思い、ニコンの一番安い一眼レフを買いました。
そうやって写真を撮っているうちに、友人たちの中で好評になり、他の人たちも撮りたいと思うようになりました。
そこで、コミカレで一クラス写真の授業をとり、同時にmixiで撮影させてくれる家族を募集。最初はボランティアで、それからお金をもらうようになりました。
そこで考えたのが、「私の写真撮影はいくらの価値があるか?」でした。
言いかえれば、”How much should I charge for my service?”です。
リサーチしてみると、プロの写真家たちは同じサービス(一時間撮影)に、100ドルから500ドルくらい。
と言っても、撮影した写真はフォトショップで加工され、人によってはプリントされ、決まった写真のみ、など様々なオプションもあります。
私はフォトショップスキルはそれほどではないので、特別な加工はなし、撮影した写真は全てデータであげます、加工とプリントは自分でどうぞ、という条件で、一時間20ドルから始めました。すると、週末の写真撮影希望者は殺到し、予約でいっぱいになりました。
ふたを開けてやってみると、撮影自体は一時間だったものの、帰ってからパソコンにダウンロードし、名前をつけ、基本的な加工をしたり・・・とやっていると、一つの家族に1時間以上かかるということがわかりました。
「う~ん、写真を撮影する1時間だけじゃないんだな」
20ドルを一時間で割れば時給20ドルだけれど、二時間かかれば時給が10ドルになります。三時間かかれば時給7ドルを切ります。
つまり、後作業の時間というのも報酬(20ドル)のコストであり、移動時間やら、準備時間というのも価格に含めるべきだということを知ったのです。
家族写真を撮っていて、何人もの方に「こういうサービスなら、$50でもお願いしたいですよ」と言ってもらったこともありました。
確かにその後作業や移動時間などを考えたらそれくらいが適正なのかもしれない、だけど、最終的に出来上がって形になるものは私の「作品」としての写真であり、そこに50ドルもらえるか?というのが私の中で引っかかるようになりました。
私のような趣味で始めて、一クラスしかとってない、ギアも一番安いカメラ一台で、できることは限られていたし、そこでオーバーチャージすることは自分の中で許せなかったのです。
「そう言ってもらえてすごくありがたいんですけど・・・」
と、結局、一時間20ドルでは自分の生活との採算が合わなくなり、同時にフルタイムでの仕事も始めたので、お金をもらって写真撮影をすることはやめてしまいました。
しかし私はこの体験で「価格」というものについての教訓をいくつか得られました。
これらの教訓は、今でもちょっとお金が絡んでくることを考えるときに、参考にしたり、目安にしたりしています。
「お金をもらう」ということはそれなりに生まれるものもあるので、額面的なものだけでなく、それを取り巻く環境なども考えるようになりました。
ではでは、その教訓を書いてみたいと思います。
1. 「価格」はその価格で買う人がいて初めて、成り立つ
これは常識ですね。
たとえば、不動産を見てください。
ある家が$1 millionで売りに出ています。
だけど、丸一年買い手がつきません。
どういうことかというと、おそらく$1 millionというのはこの物件の適正価格ではないにも関わらず、売り手がそれを理解せずに「この家には$1 millionの価値があるぜ~!」と言っているわけです。
そんな状況で、この物件は$1 millionでしょうか?
答えは「ノー」ですよね。
もしかしたら、$500,000で売れるかもしれない。そうしたら、結局は$500,000がこの物件の価格になるわけです。
つまり、自己満足じゃダメってことです。
2. コストを考えているか
1ドルで仕入れたものを50セントで売るおバカさんはいないはずです。
商品やサービスを売るためには、まずはコストがかかります。モノであれば直接的なコストがかかるし、サービスであれば時間がコストになります。
直接的なコストもあれば、移動時間・準備・その時間の子どものケアなどもコストになります。
それを考慮していなければ、会計上は黒字でも長期で見たら赤字で、profitable(儲けがある)とは言えません。
私の場合、撮影時間や後作業の時間は子どもと過ごせなくて、その価値は20ドルでカバーされるのか?と考えたわけです。
そして答えが「ノー」だったとき、これは長くは続けられないなと思うようになりました。
3. 自分がお客さんだったら、その値段で買いたいか
これ、大事。って誰も教えてくれなかったけど、私が思うにほとんどの人は見落としがちです。
#1と似ていますが、どうしてその値段なのか?をもっと多角的に見てみる必要性です。
良いんです。そのサービスや商品が100ドルだろうと、200ドルだろうと、つけたい価格をつけてください。
だけど、もしあなたがお客さんだったら、その値段で買いたいと思いますか?
または、安すぎて疑問を持ちませんか?
ということを客観的に見ることは大事。
ビジネスをやっている以上、自分のビジネスについてよ~く知っているはずです。競合も知っているし、マーケットも知っているはず。
ビジネスというのは、ビジネスオーナーにとってはベビーみたいなもの。
かわいくてかわいくて、どうしようもありません。それこそ目に入れても痛くないし、世の中で一番優れていると思いたい。しかし、時にはこの「熟知」のせいで盲目的になってしまいます。
お客さんはそうではありません。
シビアに、冷静に判断します。
考えてみてください。
お客さんほどあなたと競合との比較をしている人たちはいません。
つまり、自分がお客さんの立場になってみたときに、どうして競合ではなく自分の商品やサービスを使うべきなのか、ということを冷静に考えてみる。
自分のビジネスへの個人的なアタッチメント(執着)を横において、どうして自分のものがより良いのか、「自分がお客さんだったら、その値段で買うか」という判断が必要になってくるのです。
そんなわけで、適正価格の決め方について書いてみました。
銀行で働いて5年になりますが、ビジネスを学ぶベストの手段というのは、世の中の失敗例から学ぶということだと最近わかりました。
自分自身の失敗かもしれないし、他人のものかもしれない。
少なくとも、教科書から学ぶことより、実体験で学ぶことのほうがごまんとあるなと思うのです。
どうでしょうか。