Dr. Seuss(ドクター・スース)

こんにちは、Erinaです。

 

みなさん、Dr. Seussを知っていますか?

アメリカで子育てをしている方、アメリカの学校で育った方は、一度は聞いたことのある名前でしょう。

 

日本語で「ドクター・スース」と呼ばれるこの人は、アメリカではとても有名な絵本作家。

50代~60代の人たちも、「私もDr. Seussを読んで育ったよ!」というくらいですから、アメリカ文化とは切っても切り離せない存在です。

 

サンディエゴ史博物館で展示されていたDr. Seussの作品で、サンディエゴを描いたもの。
サンディエゴ史博物館で展示されていたDr. Seussの作品で、サンディエゴを描いたもの。

 

Dr. Seussが1991年に亡くなったとき、彼はここサンディエゴのラ・ホヤに住んでいたそうで、UCSDのライブラリーは彼の本名 (Theodore Seuss Geisel) をとって、”Geisel Library”と名付けられています。そのライブラリー前には彼と有名キャラクター “Cat” の像があったり、サンディエゴの美術館で彼の特別展示などが開かれるのもやはりゆかりの地であるからでしょう。

 

UCSDにあるDr. Seuss像
(From https://www.flickr.com/photos/acordova/)

 

 

日本で育った私は、日本語の本を読んで育ちました。

  • いもとようこさん
  • 五味太郎さん
  • 谷川俊太郎さん
  • ぐりとぐらシリーズ

なんて、日本を代表する絵本作家さんの名前を知っていますよね。

じゃあ、アメリカではどんな絵本が読まれているの?と考え始めたのは、やはり子供が生まれてから。

そこで目に付き始めたのが、このDr. Seussの本でした。

 

なんだか似たような絵柄の本がたくさんある・・・。

でも、「カワイイ」とは思えない・・・。

 

というのが第一印象。

そうなんです。日本語で言う、「コワカワイイ」(みたいな言葉ってありませんでしたっけ?)感じの絵本です。

 

子供が小さくて、絵だけを見せるときはあまり気にならなかったものの、読み聞かせをするようになって知る、Dr. Seussの面白さは、その「言葉」にあります。

 

英語では、rhyme(ライム)と呼ばれる言葉遊び(?)があるのですが、これは日本語の詩の「韻を踏む」というのに似ています。

たとえば、

bookとnook

rainとtrain

catとhat

とか、単語の終わりが同じ発音のものを並べるのです。

英語の詩や洋楽を好きな方は、お気づきだと思いますが、このrhymeはとても多く使われていますよね。

Dr. Seussは、このrhymeに代表されるような「言葉遊び」がとても面白く使われています。

 

ちょっとDr. Seussの作品を紹介してみましょう。

 

おそらく、Dr. Seussと言えばコレ!というのは、“The Cat in the Hat”じゃないでしょうか。アメリカで育った人で、この本を知らない人はいないはず!

映画化もされているし、ちょっと理科のお勉強的なコンセプトで、毎朝PBSの番組もあります。

 

 アメリカの絵本の定番

 The Cat in The Hat

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でもやっぱり面白いのはオリジナルの本。

ストーリーは、雨の日にお留守番をしているサリーと”I”(男の子)。

何もすることがなくてつまらないときに、”Cat”がやってきます。

で、このCatが面白いことをやって帰っていく・・・・というストーリー的にはしょ~もない感じなんですが(笑)、このメチャメチャ感が面白い。

ストーリーの端々が、「そりゃないでしょ?!」とツッコミどころ満載なのですが、憎めないキャラの”Cat”と、言葉のリズムで、なんだかとっても引き込まれてしまうのです。子供が二人生まれてからは、「我が家の”Thing 1″と”Thing 2″はこれです。」とかジョークにも使えます。

 

私がDr. Seussを知ったのは、この本がきっかけでした。

長男がまだ小さかった頃、この本を読んでみたものの、音のリズムを意識せずに読んでいた私が感じたのは、「何が面白いんだかわからない・・・・。」(笑)

そのうちに、うちの旦那が読み聞かせているのを耳にして、「あぁ!そういうふうに読むのか!」と納得。コツは、役に入り込み、リズムをとって読むこと。練習も必要かもしれません。

 

また、この作品は映像化もされています。

オススメは1971年のアニメバージョン。

この中に出てくる歌がとにかく面白い!私のお気に入りをyoutubeで見つけられたので紹介します。

 

これは映画の中で、探し物が見つからないシーン。

「見たけどなかった場所」をチェックするために、こういう方法があるよ!とCatが子供達に教えるシーンです。

“Calculatus Eliminatus”なんて、完全に造語ですが、こういうところにも英語のセンスが見えますね。これもDr. Seussが作詞したのかな?

 

 

次は、“Green Eggs and Ham”。日本語訳では「緑のタマゴとハム」。まずそうでしょ?内容は、まぁそういう感じの本です。

 

英語のrhymeを練習するには最高の

Green Eggs and Ham

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これも、ストーリー性を考えると、「で?」という感じなのですが(笑)、大事なのはそこじゃありません。

英語のrhymeを勉強したい方には、もう完璧な本がこれです。

この本に出てくるrhymeは、ちょっとしつこいくらいですが、英語のリズム感をつかみたい人、抑揚をつけてしゃべりたいな~と言う人にはぜひオススメです。「なまむぎなまごめなまたまご」みたいに、アナウンサーの発音練習にもなりそうな本です。

この本を読みすぎのせいなのか、私たち夫婦の会話中に”Sam I am”とわけのわからないフレーズが出てきます。

 

 

最後に紹介したいのは、もうちょっと大人向けの本。

“Oh, the Places You’ll Go!”

 

この本文中に有名なクオートも多い

Oh, the Places You’ll Go!

 

 

この本は、言葉遊びもありますが、ストーリーというか、メッセージ性が強く、卒業生や、新しい何かが始まる人への応援メッセージになる本です。

 

“Congratulations!

Today is your day.

You’re off to Great Places!

You’re off and away!”

 

・・・と始まるこの本を読んでいると、実際に、Dr. Seussが目の前で応援してくれているような気分になります。

 

他の有名どころは・・・

などなど、とにかくいっぱいあります。映画化されているものも多く、アメリカの学校行事などでも欠かせない存在、それがDr. Seussです。

 

彼の本を日本で見かけないのは、やはりその面白さはストーリーではなく、「英語」という言葉にあるからです。

Dr. Seussはいわば、「英語使いのプロ」であり、やっぱりこれは英語で読んで「おぉ!面白い!」と思って欲しい。和訳しちゃうと、その面白さがまったく伝わりません。

 

私にとって、英語が日常言語になって14年が経ちましたが、彼の絵本を読むことで、「アメリカ人が使う英語はどこからやってきたのか?」が見えてくるようになりました。

教科書からは得られない言葉の使い方や選び方、リズムの練習、単語の意味などは、こういう「生きた言葉」から得るのが近道のようです。

 

 

 

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