退職後の二か月間に見えたこと

こんにちは、Erinaです。

 

ほぼ二か月前の7月はじめ、5年間働いた銀行での仕事を辞めた私。

このブログへの記事アップもかなり滞っていましたが、この二か月間に私が一体何をしていたのか、何を感じているのか、書いてみたいと思います。

 

やることを探す

まず、フルタイムの仕事を辞めてみて感じたことは、「思ったより色々と忙しい」ということ。

9時〜5時の仕事を辞めると決めた時に抱えていた「やることがなかったらどうしよう?」という不安は、無職初日からして消え去りました。それはもちろん、自分でアポイントメントを作ったり、やることを探すという姿勢が大事ということにも気づくことになりました。

 

無職になった最初の週には、これまで平日の昼間にゆっくり会うことのできなかった、愛絆会(あずなかい)のまなみちゃんや、Karen Organization of San Diegoのなおさんに会いに行って、私のこれからのことを相談したり、お二人の仕事っぷりをゆっくり観察することができました。

 

平日の昼間にフリーウェイを運転していると、自分がパソコンの前でじっとしていた時間にも、動き回れる人生というのを思い出すことになったり、「こういう人生を送っている人もいたんだな・・・」と当たり前のことに気づいたのでした。

それは「次にやること」に追われない生活の中で生まれる気持ちの余裕だとか、思考の豊かさだったり、自分にとって欠かせないものだったのでした。

 

 

仕事

9時−5時のフルタイムコミットメントを辞めようと決めた時、これからは「働き方」のシフトをしようと思いました。それは、複数のパートタイムコミットメントを組み合わせることで、家族のニーズに合わせながら、時間や働き方を調整しよう、という考え方でした。

 

9時−5時で働いていると、1日があっという間に過ぎてしまい、1週間があっという間に過ぎてしまう。職場にいる時間は、たとえ仕事が暇でも他に何もできないし、肉体的に拘束される。そういうアイドリングのある会社員という時間の使い方が、私にはもったいなく感じ始めた頃のことでした。

それなら、仕事の量やスケジュールを自分で選べるように、パートタイムの仕事をいくつか掛け持ちすることのほうが、自分の中でリーズナブルに思えたのです。

 

結果として、今はサンディエゴの学童クラブという塾と、日本語補習校(みなと)での代行教員のお仕事をいただきました。自分の中で、これくらいまでならできる、という調整をしつつ、そこにいる時間は忙しく働けるという働き方は、私にはとても合っているようです。

 

 

時間の使い方

そんなわけで、毎日、固定したスケジュールのない生活を送る上で、大事なのは、時間管理とオーガニゼーション。「明日は何時から何時まで、どこで誰と会う」 という予定が毎日異なる生活では、とにかく整理整頓されてなくてはなりません。この生活に慣れていない今の私は、そこに頭を使っています。

 

大きく分けて、

 

平日の午前中(子供が学校にいる時間)

平日の午後(子供が学校から帰ってきたあとの時間)

土曜

日曜

 

というブロックで考えています。

 

現在は

 

平日の午前中:教員免許の準備(勉強・授業観察・チュータリングなど)

平日の午後:塾

土曜:補習校

日曜:家族

 

というスケジュールになっていて、それなりに忙しいです。

 

そしてそういうやりくりが必要な生活の中では、提出物の期限日や、勉強の仕方も他のものとのバランスを考える必要があるので、”think ahead”(物事の先を見越して考える)という練習になっています。

 

体力

まず、人に教えるというのは「体力勝負」であるということ。これが何よりの気づきでした。それは、あらゆる準備と整理整頓をした上で、子どもたちの前に立ったり、横に座って頭を使いながら、言葉を選んで、物事を説明するためには、体力がないとできないな、というのが私の第一印象です。

 

銀行で働いていた時代は、運動不足も良いところで、足腰が弱って体力もかなり衰えていた私。

今回、教えることを本気でやろうと思った時に、何より最初にやり始めたのは腹筋と腕立て伏せでした。笑

そして、一人で無心になれる時間も必要だと感じた私は、一年くらい前に退会したジムのメンバーシップも再更新し、筋トレとジョギングを再開。こういうバランスの取り方も、これまでの試行錯誤の中で感じたことで、自分の中で大きな収穫でした。

 

 

勉強

来年秋の教員免許プログラムに向けて、必要な準備があって、それらを同時進行で進めている最中です。オンラインのクラスが3つ、テストが2つ、そして実際の高校数学の授業観察を40時間ほどしなければなりません。

 

同時に、数学科目の勉強を再びしたり、塾で教える内容の勉強をしたりと、今の自分に必要な勉強というものはかなり幅広くなりました。

それでも、学生視点だった頃に比べると、勉強の仕方が全く違う性質のものになったし、それは「誰かに伝えるための勉強」であり、自分自身の経験と、教科書の内容が融合されたものになっています。そしてそれがとても面白い。

「自分だったら、こう言うだろうな」とか「こう伝えたらわかってもらえるかな」とか、「この子だったらこういう練習問題が必要なのかな」という頭の使い方は、自分にとって、本当にリアルタイムの勉強なのです。

今になってまた、「もっと勉強したい!」と思えるようになったのは、自分にはまだまだやれることがあると見えてきたからだし、とりあえずここからスタートだな、と自分で言い聞かせながら吸収している段階です。

 

 

読書

この夏、村上春樹の1Q84をやっと読み終えました。笑

朝、子供達を学校に送っていって、洗濯物を洗濯機に放り込み、メールをチェックしながら朝ごはんを軽く食べ、何もなければ読書。窓際には猫が寝転がっていて、洗濯機がゴワンゴワンいっているのを聞きながら本を読んでいると、それこそ村上春樹の世界ですね。小説書けるかもしれないなぁ。笑

これも、今という時間は、次の物事が起こるまでの準備期間で、こういう充電の仕方もありだな、と思っています。こんな生活をさせてもらえることは、これからの人生の中で何度やってくるのかわからないので、許されるうちにやっておこうと思っています。

 

 

総合

そんなわけで、これらのことを総合してみると、周りの人には「今回の変化は、あなたにとって良い変化だったのね」と言われるのですが、betterか worseかは、私にはまだわかりません。というか、ベターかどうかということは私にはそれほど大きな問題ではない、というのが正直なところです。

確かに、9時−5時の仕事を辞めて以来、幸せを感じることは増えたけれども、失ったものもたくさんあるわけで、それらを無視したり、比べることはとても難しいからです。

ただ、毎日、満たされた気持ちで眠りにつくことはできるし、朝、会社に行くことを考えては「またあの1日が始まるのか・・・」と重い気持ち(dreadful)で目覚めることはありません。

 

「新しい何か」が始まったことだけは確かであり、それを選んだ(というか作り上げた)以上、形にするために一つ一つ楽しみながらやっていきたいな、というのが今の私の目標です。

 

 

 

 

 

 

“退職後の二か月間に見えたこと” への4件の返信

  1. Erinaさん、すごく大きな決断でしたよね。私も6年勤めた会社をやめて、フリーの字幕翻訳家として独立しようとしていたとき、大きな勇気が必要でした。会社員の時は、いろいろな人間的しがらみや無駄に思える会議などが多くてそれがイヤだったのですが、辞めてみて初めて、会社員がいかに守られているか、ということに気づきました。毎月の決まったお給料は「我慢代」も含まれているんだな、と。でも、フリーになったらイヤなことがなくなるのかと言ったらそれは大間違いで、違った意味での我慢をたくさんしないといけない。人間関係も、それこそ一層気を使わないといけなくなりました(人脈がすべて、という感のある業界だったから余計にそうだったのかも)。でも辞めてからは、字幕翻訳一筋でやっていくぞ!という気合いですべてを乗り切った気がします。最初の仕事をもらえた時の嬉しさは、言葉にできないほどでした。

    それにしても、まず「腹筋と腕立てから」というのには笑いました!でも本当は笑っちゃいけなくて、健康第一ですよね。

    新しい道に進んでいるErinaさんを、心から応援しています!

  2. 「我慢代」、まさにそうですね。
    会社員生活は色々な意味で守られてるという感覚も、私も辞めてから感じました。だけどどれもmissはしてないですけど。笑
    健康管理も、会社員ならちょっと具合悪くても、数日ならなぁなぁで仕事してその分もお給料もらえますけど、フリーになったらそれは大変ですもんね。

  3. はじめまして、Erinaさん。
    私は日本にいて2016年2月に14年間勤めた仕事を辞めました。
    せっかく選んだ(つかみとった)道だから新しい働き方を探していたはずなのに、ありきたりな再就職活動をしては愕然としていました。Erinaさんの考え方、整理の仕方が心地よく前向きで子供との時間を大事にしたい点も共感でき、とても感激しました。日本在住の女性にとっても、Erinaさんのこの思考の整理方法は励みになっています。ありがとうございます。

  4. yunさん、こんにちは。
    14年間働いたお仕事を辞めるとは、大きな決断でしたね。
    私も転職したら何かが変わるかも・・・と同業種での転職活動をしてみたものの、どこかで「根本的なことは変わらない」ということに気づきました。ボスが変わっても、会社が変わっても、自分のライフスタイルと向き合わない限り、表面的なものだけを変えてもダメなのだな、と。だからどこに行っても満たされない人生はもう嫌だな、と思った時に、こういう思考のシフトができた気がします。
    日本の働く女性にも役に立てて光栄です。またいらっしゃってくださいね。

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