日米の高校数学の比較
こんにちは、Erinaです。
今日は、日本とアメリカの高校数学の比較をしてみたいと思います。
日本の高校数学は、
1年生:数学Iと数学A
2年生:数学IIと数学B
3年生:数学III(理系)←数学Cは新課程では廃止
となっていますが、アメリカでは学年にはあまりこだわらずに、レベルや必要に応じてクラスを取ります。
そんなわけで、このややこしい高校数学の日米比較表を作ってみましたので、ちょっと紹介します。
まず、アメリカの高校数学は、スタンダードなカリキュラムでは、
- Geometry(幾何学、つまり図形)
- Algebra 1&2(代数学)
- Trigonometry(三角関数)
- Pre-Calculus(微積分学の準備コース)
- Calculus(微積分学)
- Statistics(統計学)
のように、単元というか分野ごとに分かれていて、高校一年生は全員これ!ということではありません。(最近では、”Integrated Math” などと呼ばれることもあるようですが、これはまた後で紹介します)
なので、日本で高校に通った人にとっては、「今、アメリカでやっているこの単元は、日本の何年生の数学にあたるかわからない」ということがしばしば。
そんなわけで、それぞれの学年・分野で学ぶことを細分化して、日米でいつ履修するのか比較してみました。
左からそれぞれ、日本の高校でのクラス、日本語での単元名、英語での単元と内容、アメリカの高校でのクラスになっています。
日本のクラス | 日本の単元 | アメリカの単元 | アメリカのクラス |
数学 I | 数と式 |
|
Algebra |
集合と論理 |
|
Algebra | |
二次関数 |
|
Algebra | |
図形と計量 |
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Algebra/Trigonometry | |
データと分析 |
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Algebra/Statistics | |
数学 A | 場合の数と確率 |
|
Algebra |
整数の性質 |
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Algebra | |
図形の性質 |
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Geometry | |
数学 II | 方程式・式と証明 |
|
Algebra |
図形と方程式 |
|
Algebra | |
三角関数 |
|
Trigonometry | |
指数関数・対数関数 |
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Algebra | |
微分・積分 |
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Calculus | |
数学 B | 数列 |
|
Algebra |
ベクトル |
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Algebra | |
確率分布 |
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Algebra/Statistics | |
数学 III | 平面上の曲線 |
|
Algebra |
複素数平面 |
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Algebra | |
関数と極限 |
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Calculus | |
微分と応用 |
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Calculus | |
積分と応用 |
|
Calculus | |
(旧課程)
数学 C |
行列 |
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Algebra |
数値計算 |
|
Calculus |
先述の “Integrated Math” というのは、だいたい Algebra とGeometry が一緒にされ、それにプラスアルファで国語的なものが含まれているという印象です。
日本の高校で数学が大の苦手だった私が、アメリカの大学で数学を勉強して感じたことは、ノウハウやテクニックに頼らず、その単元や分野の本質を捉えることができれば、言語やカリキュラムに左右されることはないということ。
それはつまり、数学を「自分のものにできるか」というところにあります。
今、数学を勉強している学生達と向き合って感じることもやはりそれです。
数学を苦手に感じている子供というのは、自分でその単元や問題を説明できない、つまり、自分のものにできていません。逆に、子供達が「わかった!」と言うときは、必ず彼らに説明させるようにしています。そうあって初めて、テストで答えられるからです。
そのあたりの対処法もまた書いてみたいと思います。
日米の算数・数学教育の違いについてはこの記事でもどうぞ。
エリナさんの記事はいつも面白いです。
日本の高校数学は、IとAで分けている所からして、センスがない気がします。
確かに、最初で出鼻をくじかれると、すべてがわかりそうにないと判断しそうになりますし。
日本が求める受験数学とは、異なる問題で、評価されているんですか?
みつさん、こんにちは!
そうですね、確かに、アメリカみたいに分けられていると、「去年の数学はCだったけど、今年はB」とかっていう子がけっこういます。
挽回できるシステムですよね。
日米の受験でどんな数学が聞かれるのか、良い質問ですね。ちょっと私も調べてみます!