言葉の力
こんにちは、Akariです。
今回は言語について書いてみました。
言葉には計り知れないパワーがある。
私達は、言語を使って話しているのではなく、言語によって私達が作られている、生かされているのだと思う。
言語は人も変えてしまう。
例えば私。
私は英語を話している時と、日本語を話している時とでは違うような気がする。
英語という言葉の持つキャラクターにつられて、英語化した自分というものができている。
さっき友達と英語で話した事を日本語に直訳すると、なんか”変”なのだ。
そうやって私がアメリカに来て変わっていったことの、1番の理由は、言語だ。
言葉、自分を表現するためのもの。
言語というのは自分そのもの。
言葉という形をした自分のタマシイみたいなもの。
考えずとも出た言葉が自分となって生きている。
そんな役割をしている言葉が変わったら自分もそれと平行して変わる。それは頷ける。
英語という波に最初は流されて、だんだんと上手に乗って来ると、私は「英語化」した自分になる。
言い換えればアメリカナイズされた自分。
だから、英語という言語によって「英語化された人々」のかたまりによって出来たものが「アメリカの文化」というもので、それが1つになってアメリカという国ができているのかと納得できる。言語が人に影響を与え、文化を作り、国を作っているのかもしれない。国の始まりの全ては言葉なのかもしれない。
そうやって考えると面白い。
日本にいた頃、私はもっと、はっきりとしない人間だったと思う。
日本語という言葉にある独特の自由さに乗せられて、友達に意見を述べたりすることが苦手だった。
私がいう日本語の独特の自由さというのは、例えば文末。
ただ単に ”Can you get one for me?” などと聞きたいとすると、
取ってくれる?、取って、取ってもらってもいいかな、取っていただけますでしょうか、などなどこれだけの言い方がある。
私はこれを自動的に使い分けていた。
すごく仲の良い友達には、「それ取って」とひとこと。
すこし距離がある友達には、「取ってもらってもいいかな」と優しめに。
先輩には、「取って頂けますか。」と丁寧にお礼を添えて。
相手との関係や自分の立場をわきまえ、どの言い方を使えば相手が変に思わないのかを考えてから言葉を選ぶ。
それはいくら同年代のクラスメイトであったとしても、私はいつも伝える相手によって言い方や言葉のニュアンスを変えることをしていた。つまり常に、人の目を気にしながら言葉を選んでいた。
だから自分のことをハッキリと人の前で話すのはおっくうで、話せる人は本当に家族のように仲が良くなった人だけで、いつも他人の存在を意識していたと思う。
それは今思えば、日本語という言葉が私をそんな風に考えさせていたのかもしれない。
確かに、日本は年上の方を敬ったり、自分の周りの人を思いやることを重要視する文化が、アメリカよりも強くあると思う。それは日本語という言葉自体が他人を意識させるようになっているからなのかもしれない。
アメリカに来て英語で生活するようになって英語と日本語の違いに気づいた。
先ほどの例だと、すごく仲の良い友達に対しても、顔見知り程度の人であっても、歳が二つ上の友達でも、
私はただ、”Can you get one for me? Thanks!” という。
英語を話していて私が気にすることは、自分と相手との距離感や、相手に対する自分の立場なのではなく、自分が伝えたいことをいかに正確に相手に伝えられるかということ。
自分が何を述べたいのか、どうしたらハッキリとわかってもらえるように言えるのかと意識しながら話す。日本語を使って話している時よりも、自分自身にフォーカスしていると思う。
だから私は、英語で話している時は、自分のことをわかりやすくはっきりと話そうとするし、それが周りから、英語を話す文化から、求められていることだと思う。
日本にいたとき、自分のことをうまくはっきりと話せずに、他人の感じ方ばかり気にしてしまうのは自分の性格だと思っていたけれど、それはそれだけではなかった。
日本語という目に見えない力が私に大きな影響を与え、それをベースにして自分の性格が作られていた。
アメリカにきて、今度は英語という言葉に影響を受け、新しい英語化した私が作られた。
逆の言い方をすれば、言葉は性格を変えてしまうほどのインパクトがある。
それならもっと他の国へ行って、新しい言葉に触れてみたいと思う。
それぞれの持つ言葉の独自のキャラクターから、新しい自分を見つけ出したい。
どんな言語をまとった私はどんな新しいアイデアを得ることが出来るのだろうか。
ワクワクする。
もっと自分のアイデアを膨らませたい、考えもつかなかったことに触れてみたい。
それを叶えるための1つの方法は、色々な言葉に触れてみることなのかも知れない事がアメリカに来て分かった。