脱サラ母の数学教師への道 (14) 奨学金で教員免許を取る

こんにちは、Erinaです。

 

2児の母が、アメリカで脱サラして高校教師になるまでの道のりを書いています。

(このシリーズの他の記事はこちらで読めます

 

今日は奨学金をもらって学校に行くことについて書いてみます。

 

そもそも、大学卒業から10年、フルタイムの仕事を辞めて学生に戻るというのは、やはり経済的負担を考えるとかなり高いハードルでした。

MBAや数学修士号で迷った時も、やはりお金の計算をして、どれくらいの期間を無職でいられるか、そして仕事が見つかるまでにどれくらい時間がかかるかなどを計算しました。

 

今回、アメリカで教員免許を取ることに決めたとき、やはり気になったのは奨学金 (Scholarship) でした。

カリフォルニア州では、公立学校K-12の教員免許というのは、学士号と修士号の間の位置づけになっていて、一旦、フルタイム学生のステータスを卒業した人がやってきます。

中でも “Second-career teacher” と呼ばれる、私自身のように、別分野からキャリアチェンジをしてきた人が多いので、やはりそういう社会人学生を対象にした奨学金や助成金がかなり充実していました。

 

私も学士号取得後の10年間にできた貯金で今回の学費を賄うことは可能だったけれど、そうしてしまうと最終的に貯金ゼロに。

そう考えた時、やはりなるべく自分の手元のお金を使うのではなく、奨学金や助成金を探したいと思ったのでした。

 

この記事で書いた説明会で、TEACH Grant (The Teacher Education Assistance for College and Higher Education) という国からの助成金 (Federal grant)があることを知りました。

これは、教職課程プログラムへの助成金で、成績 (GPA) や将来的に働く学校の制限などをクリアすれば、年間の上限約4,000ドル、つまりうちの大学の場合、学費の半分を賄える計算になります。

 

おー、これは使わなくては!と思って、調べてみると、条件は以下の通り。

 

  • GPA 3.25以上であること
  • 教員免許取得後は、政府に認定された学校で8年以内に4年間をフルタイムで教えること

 

とあります。

まずGPAはクリア。

 

「政府に認定された学校」はサンディエゴカウンティ内では約80%の学校がここに入っている様子。

特に移民や難民が多い学校や、低所得者〜中流家庭の多い学校など、いわゆる「高級住宅街じゃない学校」であればこれにクオリファイするようなのです。うちの近所の学校も全てここに入っているし、通勤に時間をかけたくないから就職はやはりこの辺りのディストリクト希望だったので、これもクリア。

 

この制約は、やはりTEACH Grant自体が、アメリカ国家が「公立学校の教師を育てよう」という目的のもとに作られた助成金であり、その目的を果たす人材の経済面を積極的にサポートしていこう、というものだからですね。

だから、私みたいにこの条件にマッチしていれば、「8年以内に4年間フルタイム」という制約は「別に問題ない」と思えるわけです。

もちろん就職が決まらないと困るんだけど、まぁ数学教師不足と言われているから大丈夫でしょう、ということでやはりこのグラントにアプライすることにしました。

 

そしてこのTEACH Grantに加え、うちの大学 (SDSU)では教職課程に特化した私設奨学金が20ほどあるとのこと。その額は500〜2,500ドルと様々ですが、数打ちゃ当たる!ということで何かしらもらえればありがたい。

 

そんなわけで、学費全額免除にはならないけれど、とりあえず貯金を使い切らなくて済むのはありがたいし、今、教育分野にこういう後押しがあるというのは心強く感じました。

 

結果として、私は TEACH Grant + 私設奨学金で、学費の半分以上を賄えることになったのです。

1年半のSDSU 教職課程プログラムにおける学費と奨学金内訳は以下の通り。

 

Tuition(学費)

2017 Fall $4,203
2018 Spring $4,203
2018 Fall $4,203
Total $12,609

 

 

TEACH grant (助成金)

2017 Fall ($1,868)
2018 Spring ($1,868)
2018 Fall ($1,876)
Total ($5,612)

 

 

Scholarship(私設奨学金)

2018 Fall ($2,000)
Total ($2,000)

 

 

私の出費

= 学費 – (TEACH Grant + 私設奨学金)

= $12,609 – ($5,612 + $2,000) = $4,997

 

で、私のポケットマネーから払ったのは最終的に約5,000ドル(約56万円)ということになりました。

 

Not bad.

 

修士号で200万か500万か、なんて悩んでいたところから比べると、経済的な視点で言えば断然満足な結果です。

 

 

 

 

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