
個人的にとっちゃダメだよ “Don’t Take It Personally”
こんにちは、Erinaです。
英語で生活をしていると、一度は聞いたことがあるかもしれない、このフレーズ。
“Don’t take it personally.”
聞いたこと、ありますか?
私がアメリカに来て、「この考え方は大事だなぁ!」と感じたことがこのフレーズなので、ちょっと紹介したいと思います。
留学生として、ホストファミリーのおうちに住むことになったとき、この言葉が張り紙されていたのがこの言葉との出会いでした。
“Don’t take it personally”は日本語に直訳すると、
「(前提となる言動などがあって、それを)個人的に受け取っちゃダメだよ。」
という感じです。
いったん理解できると、「なるほど、そういうことね!」とわかるのですが、それまではなかなか理解しがたい感覚です。なので今日はちょっと書いてみたいと思います。
ケーススタディで説明してみましょう。
こんなことはありませんか?
ケース1:
フリーウェイで運転していて、後ろにピッタリつけてくる車がいる。
自分は遅すぎるわけでもないし、普通に運転しているんだけど、後ろの車は、渋滞で自分を追い抜けなくて、イライラしている。
「あぁ・・・どうしよう。もしかして私、運転が下手なのかしら・・・?」
ケース2:
久しぶりのデートに、ずっと持っていたけど着ていなかった服を着てみた。
旦那(またはボーイフレンド)に、「それ、あまり好きじゃない。」と言われて、ショック。旦那(またはボーイフレンド)は悪びれた様子もなくてなおさらイライラ。
「どうしてこんなの着てきちゃったのかしら。デートも楽しくないし、旦那(ボーイフレンド)は私が傷ついてるのを気にもしない。」
ケース3:
オンラインで買い物したものを返品しに行くと、フレンドリーじゃない店員の対応。
なんだか店頭の金額と違うから、余分なプロセスが必要になったらしく、店員はイライラしながら他の店員に聞いたり、舌打ちしたりする。
「あぁ・・・なんかイライラさせてるかも・・・。」
ありますよね~?笑
ではでは、それぞれのケースで、「個人的に受け取る」「受け取らない」の意味を考えてみましょう。
ケース1の分析:
後ろでイライラしている車を見て、「あぁ、私に原因があるんだわ・・・。」というのが「個人的に受け取る」という意識です。
つまり、「後ろの車がハッピーじゃないのは、私に責任がある」という考えが生まれてしまったわけです。
ケース2の分析:
せっかく新しく出した服を気に入ってもらえなくて、デート中もへこんでしまった自分。
加えて、「傷ついている自分のことを彼は気にしてない」と考えてしまうなんて、ダブルパンチ。
ケース3の分析:
イライラしている店員を見て、「あぁ、面倒くさいことを頼んじゃんったわ・・・。もしかしたら、なんとか使えたかもしれないのに。返品なんてするんじゃなかった。」と、これも自分の行動が原因であるように考えてしまいます。
どうでしょうか?
この3つのケース、経験ありません?
私はどれもあります。笑
アメリカでは、思ったことや感じたことをストレート(以上に)言葉や態度に表す人が多く、それがたまにはこうやって攻撃的(Offensive)な形になることも少なくありません。
日本で生まれ育った多くの人にとっては、これが大きな壁になることがあります。
特に、日本文化のように、「人に迷惑をかけないように!」と強くしつけされてきた場合、「私、迷惑かけてるかも・・・。」といったん思ってしまうと、その自責の念がものすごく強くなってしまう人が多いです。
じゃあ、”Don’t take it personally”な人は、どう考えるでしょうか。
また、上のケースで見てみましょう。
ケース1:
「あぁ、なんか後ろの人、急いでるんだな。
まぁ、でも私にできることは何もないし。安全運転でせいぜい頑張って。」
ケース2:
「あぁ、なんか気に入ってもらえなかったな。
ま、でも良いか。私が着たくて着てるんだし。次のデートでは別の服にすれば良いだけのことよね。」
ケース3:
「私はここで買ったものを返品したいだけ。プロセスが面倒なのは私のせいじゃないし。」
という感じでしょうか。
共通点は、「相手の行動の原因が自分ではない」と自覚することです。
相手がイライラしている時には、
「あぁ、きっとこの人は今日ツイてなかったんだな。」
「あぁ、うちの旦那(またはボーイフレンド)は、この色が好きじゃないんだな。」
「あぁ、きっと奥さんに赤ちゃんが生まれそうで急いでるのかな。」
「あぁ、この人、生理前なのかな。」
とか思うようにしました。
こう考えると、「自分にはどうしようもないところでイライラしているなら、自分には関係ない」と思えるようになったのです。
実際、相手がイライラしている理由なんて絶対にわかりませんよね。
その人のず~っと過去が原因かもしれないし、仕事で嫌なことがあったのかもしれないし、お腹の調子が悪いのかもしれないし、本当に赤ちゃんが生まれそうなのかもしれません。
人間、誰だって四六時中ハッピーだとは限りませんから、どうせなら、こうやってちょっと笑えちゃう理由をつけて、なんともなかったように過ごせるほうがお互いのためだと思いませんか?
これは「相手の意向を無視する」ということではなく、「あなたが気に入らないのは残念だけど、それはあなた自身の問題で、これは別のことなのよね。」と、受け入れた上で前に進む、という意識です。
英語では、
“I’m sorry you don’t like this, but this needs to be done.”
“I’m sorry you don’t like this, but there is nothing I can do about it.”
なんて聞いたことがあります。
特にビジネスのような世界では、こういう姿勢はとても重要で、”It’s just a business decision, not personal.”なんて言いますね。
私がピュアなアメリカ社会で生きていきたいと思っていたとき、日本人留学生を良く知るホストマザーが、このレッスンを叩き込んでくれたのは、やはり何事にも代えがたい体験になりました。
それまで典型的日本人だった私(しかも若かった)は、何かしらにつけて「自分のせいかも」「自分に原因があるかも」と気にしては、直せないものを直そうとしたりしていたからです。
もちろん、無意味に他人に迷惑をかけたり、傷つけることは、ナニジンに関わらずよくないです。
ただ、こうやって自分の心を守ることも必要だということは、私のアメリカ生活の教訓になりました。
もし、ストレートに何か言いたいとき、礼儀のある人ならこう言います。
“I don’t want you to take it personally, but I think…….”