子供に「留学したい」と言われたら?

こんにちは、Erinaです。

 

先日、ここサンディエゴから北にあるオーシャンサイドで、日本人留学生を巻き込んだ大きな交通事故が起こりました。

 

このニュースを知って、同じ19歳で留学生として渡米した私は、他人事のように思えませんでした。

今回は、子供目線ではなくて、子供に「留学したい」と言われたときの親目線で書いてみようと思います。もちろん、留学を控えている方も参考にしてもらえると光栄です。

私は留学生の親に、この記事を読んで感じてほしいのは、「危ないからやっぱり留学はだめだ」ではなく、どうしたら現実を一緒に理解し、その上で子供を応援できるか、だと思っています。

どこまで書こうか躊躇しましたが、これからの国際社会を担う、若くて優秀な日本人留学生が増えることを祈って、そしてこのような惨事が二度と起こらないことを願って、正直な気持ちと留学の現実を書くことにします。

 

 

私が19歳で渡米したのは2002年。今から12年前のことでした。

日本では高校を卒業し、一浪していた私は、日本での社会経験というものが平均並みにありませんでした。当時はもちろん、親の心配などが今ほど理解できる訳はなく、アメリカ留学に夢と希望を持ってやってきました。

 

19歳、高校卒業したばかりなら18歳の日本人留学生のほとんどは、親元を離れての生活が初めてです。

初めての自由、初めての自己責任。しかも、太平洋という物理的距離、時差という心理的距離から、羽目を外したくなります。

パーティ、未成年飲酒、飲酒運転、アルバイト、マリファナ・・・・などなど、あげればキリがありませんが、これらは現実として「手に届く距離」にあります。

それは、日本に住む親が想像する以上に近い距離です。

特に男の子なら「俺の方がすごいぜ」、女の子なら「あの子もやってるから自分も大丈夫」という感覚を持つ日本人留学生が多く、自分の善悪の判断ではなく、「周り」を基準としてこういうものに入っていきます。

 

パーティ

パーティ自体が悪いわけではありません。新しい人と出会ったり、英語やアメリカ文化を学ぶ上で、人との出会いは必須です。しかし、そこでの立ち回り方を知る必要があります。

このような集まりにいけば、21歳以上の人がいるならお酒が用意されているかもしれません。

アメリカでは21歳未満がお酒を買うことは絶対にできないので、もし未成年が飲酒したことがわかれば、それを振る舞った人(お酒を買ってきた人)や、パーティをホストした人は逮捕される可能性があります。自分が未成年でなくても、自分の行動の結果で違法者が出た場合、その責任をとることになるのです。

 

飲酒運転

アメリカでの飲酒運転は”DUI” (Driving Under Influence)と呼ばれ、とても多くのケースがあります。

アメリカは日本ほど公共交通が整っていなく、出先でお酒を飲んでも車を運転して帰ることがほとんどだからです。(思いきり飲みたいときは、タクシーを使ったり、Designated Driverと呼ばれる「今日は飲まない人」を用意するのが常識です)

問題になるのは、血中アルコール濃度が高いとき。たいてい、怪しげな運転をしていると、道路上で警察に停車させられて(pulled over)、検査されたらDUIでした、という感じです。

血液中のアルコール濃度がどれくらいなのかは体重によって異なり、どこまで飲んでも大丈夫かという基準値がウェブサイトなどにあります。(カリフォルニアの値はこちら

もちろんDUIが原因の事故もたくさんあります。

MADD(Mothers Against Drunk Driving)というNPOはアメリカでも有名な非営利団体で、自分の子供を飲酒運転が原因の事故で亡くした親によって立ち上げられました。この団体は、高校や大学に行って、飲酒運転事故の悲惨さを伝える活動などをしています。

 

 

アルバイト

留学生が特別許可なく日本食レストランなどでバイトをするのは違法です。

しかし、私の個人的な見解から言うと、日本人留学生の50パーセント以上は何かしらのバイトを違法でやっていると感じます。

特に留学資金に困っているというわけではないけれど、遊ぶためのお金欲しさで、という学生が多く、そういう学生を見ていると、「違法行為」という感覚が鈍っているように感じます。

 

 

マリファナ

マリファナは私ですらチラホラと見かけたくらいですから、相当、出回ってるんでしょう。「日本人留学生がどこから調達してきたの?!」と本当に驚きましたが、日本よりカジュアルに使われている証拠なんだと思います。

先日、コロラド州では、決められたルールの下ではマリファナ使用が合法になりました。カリフォルニアでも、医療品としてのマリファナが違法になったり合法になったりと、法律がコロコロと変わっています。

しかしどんな環境であれ、日本人留学生がマリファナを所持し、使用する理由はほとんどないはず。その場合は違法行為であることを理解するべきです。

 

 

親が、「こういうものがあるところには行くな」というのは不可能です。子供も、「行ったらあった」ということもあるかと思います。

その代わりに、親として子供に教えたいのは、判断力。

「自分は今、何をするためにここにいるのか。」

「自分のやるべきことは、何なのか。」

「じゃあ自分のやるべきことは、これなのか。」

成功する留学に必要なのは、他の何でもなく、そういう判断力だと思います。

そしてそのためには、親も「成績が落ちたら、留学資金はストップするからね」と脅すくらいの覚悟も必要なのではないでしょうか。

 

 

そして、「自分の身は自分で守る」という自立性が必要です。

アメリカでは、日本のように親切に何もかもが用意され、自分の安全が守られているわけではありません。「自分の身は自分で守る」というごく当たり前の社会です。

 

他人の判断は信用しないこと

自分の命は自分で守ること

簡単に他人に命を預けないこと

 

疑い深い人間、と言われるかもしれませんが、この国で生まれ育った人にとっては常識なのです。

 

生まれ育った母国では、「ここまでなら大丈夫かな」という危険回避の感覚を、誰もがある程度は備えているはず。

しかし、新しく海外生活が始まり、環境が変わると、その感覚が通用しなくなります。これは日本人に限らないことですが、特に若いうちはその感覚が研ぎ澄まされていません。

私ももちろんそうでした。何もかもが、「わからない」。

しかし現実は、”I didn’t know.”は通用せず、何か起こってからでは遅いのです。

 

 

子供に「留学したい」と言われたとき、まずは不安に思う親がほとんどだと思います。しかし同時に、子供の挑戦と未来を邪魔したい親もいないはずです。

不安 vs 楽しみ

のジレンマと戦うのは、どの親も同じです。

それを漠然とした不安と楽しみを抱えて送り出すのではなく、親も情報を集め、親としてアメリカ留学を理解し、応援できれば、子供の留学は成功するのではないでしょうか。

 

アメリカ留学にはリスクもあります。

大事なのは、それを回避するスキルを持つこと。賢くなることです。

それができれば、素晴らしい人々、場所、文化に触れ、人として何倍も何十倍も成長することができます。そしてその実感は、若い学生たちにとって、日本では味わうことができないくらいの快感なのです。

 

 

先日の事故で亡くなった3人の学生と、日本から送り出した家族のことを思うと、本当に胸が痛いです。

新学期も始まったばかりで、これから明るい未来が待っていただろうにh。

心から冥福をお祈りします・・・。

 

 

日本人留学生の皆さん、どうか自分のやるべきことを見つめ直して、アメリカで羽ばたいてください。

 

 

 

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