人生の転機に必要なもの
こんにちは、Erinaです。
「転職したい」
「人生を変えたい」
「今のままじゃダメな気がする」
という漠然とした不安やフラストレーションって誰でもあります。
ただ、それを打開したり、変化を起こすために、具体的に何をしたら良いかわかっている人って一握りで、しかも、実際に行動を起こしている人ってその中のもっと一握りです。
私自身も、そういうステージを経験し、その中でわかったことがいくつかありました。
今日は、ここ数年間に自分の中で起こった変化と、そのきっかけになった出来事について書いてみようと思います。
しばらく前のことになりますが、
2013年、ダウンタウンにしばらく住んでいた我が家は、ダウンタウンから車で20〜30分離れた現在の家に引っ越してきました。その時の記事はこちらで。
当時は、今のような心境や人生観の変化を遂げるなんて想像してもいなかったし、単純に、「もう少しのんびりしたところで子育てしたい」くらいしか思っていませんでした。
しかし、その「のんびり子育て」が結果として、私の中で色々なものを見直すきっかけになったのです。
まず、この家に決めた理由は、子供達の学校にありました。
ここアメリカでは、家の購入について、多くの人が子供の学校を判断基準に使います。
我が家もそれを考慮しました。
しかしそれは、テストスコアや進学率ではなく、コミュニティに根付いた教育だとか、実際に子育てをした人たちの経験談を元にした評判でした。
今の家に引っ越してきた時も、ご近所さんが、「うちの子供達がみんなこの学校に通ったわよ!みんなもう成人したけどね」という声ばかり聞こえたし、まさにコミュニティ全体で子育てできるというエリアだったのです。
子供達が実際に学校に通ってみると、先生達自身がこの小学校の卒業生だったり、自分の子供が卒業していたり、ということが多々ありました。加えて、自分の子供がこの学校に通っている、という先生も数人いたのです。
彼女達は、自分の子供と一緒に出勤・登校し、放課後も子供と一緒に帰宅する。
夏休みのスケジュールもバッチリ合うし、とにかく地元密着型の生活でした。
私自身、外国人でグローバルな人生を送ってきたけれども、それでもやはり子供が小さいうち(小学校)は、こうやって小さいコミュニティで、みんなの目と手を使って子育てするという感覚が新鮮で、とても温かいものに思えたのです。
その頃、私は銀行員で、実体のない大きなお金を動かし、現実味のない不動産の計画とにらめっこしてはストレスがたまる生活を送っていました。
「これで良いのかなぁ・・・?」という疑問はいつも拭えず、だけど何をどうしたら良いかわからず、ダラダラとした毎日を過ごしていたところでした。
そんな地元密着型の生活で、コミュニティで子育てしている家族を見て、
「これだ!こういう生活が欲しい!」
と直感的に感じたのです。
もちろんこれまで自分は、親として地元密着型の子育てに関わってきたわけだけれど、それをキャリアにしたい。つまり、こういう環境で教える仕事をしたい。
と思うようになったのです。
「教職」という選択肢が、初めて自分の中に生まれた瞬間でした。
それまでは自分が教師になるなんて想像もしなかったけれど、地元密着型の周りの子供達や親、先生達を見ているうちに、自分もそのメンバーになって、もっと広く関わりたいと思うようになったのです。
そこにはやはり、素晴らしい先生達がいて、彼女達は同時に母親でもあり、妻でもあり、女性でもありました。
そして私自身を反映するのに、ちょうど良い距離にいたのです。
「自分もああなりたいし、なれる!」と思えたわけです。
そこから、この記事でも書いたように、高校で数学を教えるために必要なものをリサーチし始め、着々とアメリカ教職課程というものを現実のものにしていきました。
「人生の転機に必要なもの」
それは、「良い刺激」だと思います。
「ロールモデル」ほど立派なものじゃなくても、「あぁ、こういうのって良いな」と思えるものや人に、数多く触れているうちに、それはだんだんと自分の中で現実のものになっていき、実現させたくなっていきます。
ぼんやりと頭の中で思い描いているだけでは、所詮、幻想で終わってしまうけれど、人に相談したり、誰かの話を聞いたり、すでに実現している人に出会ったりしているうちに、それは現実的になっていくからです。
そして、そこにある「良いなぁ」を単なる嫉妬心にするのではなくて、「自分もやろう」につなげる強さや自信も必要です。
怒りや悲しみ、「もう今の場所は嫌」みたいなネガティブで受動的な感情は、新しい道を照らしてはくれないし、そういう時だからこそ、オープンマインドで世界を見ることって大事だなと思った経験でした。
大学卒業から12年。
子育ても少し落ち着いてきたところで、こんな転機がやってくるとは思わなかったけれど、銀行で働いていた頃に比べて、毎朝、仕事に向かうのが楽しい。仕事が終わると、「あー!今日も頑張ったなぁ!」と自分に言ってあげられるし、反省点を考えたり、良かったところをリマインドするなど、毎日が満たされています。
So, take that first step.
You know it’s a right thing to do.