ブックレビュー:”Every Last Word”

こんにちは、Erinaです。

 

どんどんブックレビューを投稿します。

何せ、今年は今までにないくらい小説を読んだのですが、年が明ける前にそのレビューを書いておきたい!(いや、院の論文も読まなきゃいけないので現実逃避…)

 

そんなわけで、今回の作品は、”Every Last Word” by Tamara Ireland Stone です。

 

 

英語の作品紹介は、

“Samantha McAllister looks just like the rest of the popular girls in her junior class. But hidden beneath the straightened hair and expertly applied makeup is a secret that her friends would never understand: Sam has Purely-Obsessional OCD and is consumed by a stream of dark thoughts and worries that she can’t turn off.

Second-guessing every move, thought, and word makes daily life a struggle, and it doesn’t help that her lifelong friends will turn toxic at the first sign of a wrong outfit, wrong lunch, or wrong crush. Yet Sam knows she’d be truly crazy to leave the protection of the most popular girls in school. So when Sam meets Caroline, she has to keep her new friend with a refreshing sense of humor and no style a secret, right up with Sam’s weekly visits to her psychiatrist.

Caroline introduces Sam to Poet’s Corner, a hidden room and a tight-knit group of misfits who have been ignored by the school at large. Sam is drawn to them immediately, especially a guitar-playing guy with a talent for verse, and starts to discover a whole new side of herself. Slowly, she begins to feel more “normal” than she ever has part of the popular crowd… until she finds a new reason to question her sanity and all she holds dear.”

 

学校でも人気者のガールズグループにいる女子高生のサムは、OCD (Obsessive-Compulsive Disorder: 強迫性障害)に悩まされています。

自分でもコントロールできない様々な「思考」が巡るたびに、幼馴染のガールズ達とどうやって距離を取ったら良いのか悩みます。

そんな時に出会った不思議な女の子・キャロラインに紹介されたのが、”Poet’s Corner” と呼ばれる詩のクラブ。秘密裏に活動しているこのクラブに参加し、サムは自分の中の思いを言葉にしていくことを学びます。

そしてそこで出会う大切な人たち。

 

言葉というものは、人を傷つける道具であるのと同時に、人に力や愛情をくれる道具でもある。

サムは自分の「思考 (thoughts)」を整理し、名前をつけ、その大切な人たちに届ける方法を知るわけですが、そのプロセスが読者として目に見えることの面白さ。

今となっては、私も他人にどう思われようが気にせずに、言いたいことは言えるようになりましたが(笑)、やはりそうできなかった時期もあったわけで。

 

私の場合、英語を勉強することで、「言葉」というものを客観的に見るようになり、言葉ってなんて面白いものなんだろう、と思うようになりました。

それがどこから来るのか、というのは心と頭のつながりが大きな役割を果たしていて、目に見えない、外見だけでは判断できないものを想像しながら、私たちは発せられる「言葉」を注意深く使っているのではないかなと思うのです。

 

加えて、昨今のアメリカの若者達にとって大きな問題とされるメンタルヘルスは、私もとても興味がある分野です。

多大なる成績へのプレッシャーや、仲間同士でのプレッシャー、この年代の子供達はとんでもない量のストレスを感じながら学校にやってきます。

日本でも最近になって子供達のメンタルヘルスというものがだんだんと認知されてきましたが、やはり実際のケアは全く足りていないなと思うのです。

 

この作品を読んで、きっと私もOCDだったんだろうなと心当たりがあったし、それでも自分の中のそういう側面とうまく付き合っていく方法や、他者と成長していくというストーリーに、心を揺さぶられました。

 

高校生とはいえ、まだまだ危うさを秘めている部分や、これまでの幼馴染達から卒業したいという葛藤がものすごくリアルで、これはうちの娘にも将来的に読ませよう!と思えるほどでした。

思春期の女子同士の難しいやりとりをどうやって乗り越えるか、親としてもとても参考になった一冊です。

 

more than anything

five of us

keep a secret

in the deep….

 

と、各チャプターのタイトルが、本のタイトルと同様に3単語なのもおしゃれです。

 

最後に、想像もできないどんでん返しがありますが、それは読んでのお楽しみということで。

 

 

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