アメリカ高校の部活
こんにちは、Erinaです。
今日はアメリカの高校の「部活」について書いてみようと思います。
まず大雑把に書くと、アメリカと日本の高校部活の大きな違いは、
- 種目によってシーズンがある
- 各チームがレベル分けされている
というところでしょうか。
まず、シーズンとは
- 8月〜10月頃:Fall sports→アメフト・クロスカントリー・女子バレー&テニス&ゴルフ、男子水球
- 11〜1月頃:Winter sports→男女サッカー・男女バスケ・女子水球
- 2〜5月頃:Spring sports→野球・陸上・水泳・ラクロス・男子バレー&テニス&ゴルフ
となっていて、一人が一年のうちに3種目プレー、つまり「兼部」が可能です。そのシーズンしか練習しないので、サッカーが終われば、次は陸上!みたいなことができるんですね。
運動が得意な子は、こうやって選択肢や可能性を広げることができるし、とても良いシステムだと思います。
レベル分けとは、各種目が
- Varsity(一軍)
- Junior Varsity (JV)(二軍)
- Freshman(三軍→人数によってはないところも)
と分かれていて、シーズン前のトライアウトでコーチが各選手を振り分けます。
これは学年に全く関係なく、完全に実力主義であり、上手ければ(または速ければ、強ければ)一軍に入れることになります。
試合もそれぞれ別に行います。
例えば、JV(二軍)の試合が夕方4時半から始まり、その後に7時からVarsity(一軍)の試合、という感じです。
こうすることで、全く試合に出れないという子はいなくなるし、試合相手とのレベルも均等になるわけです。
今年、我が家の息子は9年生として高校に入学したのですが、ずっと続けていた水泳を高校でもすることに決めました。
放課後のトライアウトで泳いだ結果、Varsity Teamに入ることになり、周りがジュニア(日本の高2)やシニア(高3)の中で練習や試合で泳ぐことになりました。
この実力主義文化にはただただ驚くばかりです。
特に私は日本の中高で、とても伝統的な日本の体育会系部活(テニス部)を体験してきましたから、実力はあろうとも一年生はボール拾い、というのが当たり前でした。一年生の間はボールを打たせてもらえるのなんて本当に数分で、くっだらねぇなぁと思いながら(笑)、我慢していたのを覚えています。
私はほとんどの先輩達より強かった反面、うまく立ち回る処世術もなかったので、だいぶ「かわいくない後輩」だったでしょう。だけど、試合には(出してもらえたら)勝てた。
そんな中、うちの息子が一回りも二回りも体の大きいアメリカ人男子高校生達に囲まれ、泳がせれば誰よりも速く、だけど同じチームメイトとして受け入れられるだけでなく、小さい弟のように扱われているのを見ると、もうただただ感謝です。
コーチも学年に関係なく、「一人の水泳選手」として彼を扱います。
何をどうすれば速くなるかを彼のわかる言葉で説明し、常に選手のベストパフォーマンスを考える。
これこそがコーチングであり、チームマネジメントであり、結果の出せるチーム作りかと、この一ヶ月は驚くことばかりです。
先日、日本の野球界が快挙を成し遂げました。
WBCの日本チームは個々の能力が高い選手がいるだけでなく、やはり栗山監督の力量かなと思うのです。
彼は現役時代も異色の選手でしたが、日ハム監督時代も、日本野球界の古い体質にとらわれず、選手と監督が、人としての信頼やリスペクトを基盤に成長するという模範的な人間関係を築くリーダーだったと思います。
しごきとか年功序列みたいなものに頼っているチームやコーチングは、これからどんどん衰退していくでしょうし、結果も出せなくなっていくでしょう。
なぜなら、実力のある選手は、しきたりというものにこだわらずに、自分の実力を発揮させてくれる場所を求め続けるからです。
こう考えると、アメリカのスポーツは選手にとってだけではなく、チームやコーチ(監督)にとってもシビアな世界であり、お互いに切磋琢磨できなければ、どんどん弱体化していくものです。
少し話がそれましたが、そういうシビアな競争が、高校の部活でも現れていて、「結果こそがすべて」というのが選手監督誰しもに平等な世界なわけで、とてもアメリカらしいなと思うのです。
どうですか?
このシステムがエキサイティングだと思う人は、ぜひアメリカへ。