“The Divided States of America”

こんにちは、Erinaです。

 

またも激動のアメリカ、大統領選挙の年です。

 

日本では自国の選挙のニュースより、アメリカ大統領選挙の方がニュースになってるという声も聞きますが、やはりエンタメ性もあり、話題になるようです。

私もそのような見方をしていた頃もありましたが、アメリカ市民になって選挙権を得て以来、候補者や政党よりも、やはり「国全体としての歴史と未来」を重視するようになりました。

 

私にとってアメリカという国は、「アメリカンドリーム」という言葉があるように、夢のある国でした。

英語力ゼロの私が単身渡米し、20年間で得たものを考えれば、なかなか夢のような人生だったと思います。

もちろん簡単なことではなかったけれど、それを可能にしてくれる何かが、この国にはあり、それを信じて世界中から求めてくる人がごまんといる。

そういう希望と夢に溢れた国がアメリカという国なのです。

 

その希望の国が、今、とある危機に直面しています。

それは、経済ではありません。

銃規制でもありません。

軍事でもない。

 

「分断 (division)」です。

 

もちろん経済も銃規制も軍事も重要ではあるし、日々のニュースで目に見える部分でしょう。しかし、「分断」というのはこの国のイデオロギーに触れるものであり、この国の根底を揺さぶる恐れのあるコンセプトです。

 

「アメリカ合衆国とは【コンセプト】である」

 

とどこかで読んだのだけれど、確かにこの多様で(ヨーロッパや日本に比べて)若い国においては、”shared value” とか “shared concept” というものがものすごく重要になってきます。

 

英語も話せない、学歴もお金もコネもなかった20歳の私が、人種や性別や支持政党みたいなものに振り回されず、自分らしく努力すれば結果を出せた頃、その shared value は知らず知らずのうちに私の一部になり、いつの間にか大きく成長していきました。

 

それが今、多様な子供達と高校の教室で勉強することだったり、道端で出会う人々と「人間」として向き合うことだったり、目に見えないけれど、私をこの国で生きることに対して深くグラウンディングしてくれるものになっています。

 

私は、この感覚は、この国で生まれ育つうちの子供達には「アメリカ人であること」のアイデンティティとして持っていて欲しいものであると思っているし、やはりそのためには、日々の分断を進めるような時代の流れはとても苦しい。

 

この国の名前の “The United States” とは、

 

unite: 団結する

state: 州

 

つまり私達は、「団結した州の集まり」であることを忘れずにいるべきであり、今のような分断した州 “The Divided States” になってはいけないのです。なぜなら、”United” であることはこの国の根底であり、それを覆してしまうと、国としての存在意義に関わってくる。

国の分断は州の分断になり、それは市の分断になり、ストリートの分断になり、家族の分断になる。

 

かつて南北戦争で、きょうだいが敵同士になった時代がありました。南北戦争の前線となった中西部〜南部の州(ケンタッキー、インディアナ、サウスキャロライナなど)では身内同士で戦った記録が残っていて、“Brother against brother” というフレーズも残っているくらいです。

 

私は自分の息子と娘が、視点や立場の違いで分断し、いがみ合い、戦うなんてことは想像したくもありません。

自分と相手を二極化することよりも、相手との違いを理解し、共感し、協力し、共に成長する方法を見出して欲しい。そのための対話とコミュニケーションと知性を身につけてほしい。

それまで誰にも見えなかった光と展望を見つけられるようになってほしいし、自分もそうでありたい。

 

“We need to come together as a nation.” (国として、一つにならなければならない)

 

残念ながら、それを掲げるリーダー候補者は、現時点ではいません。

 

14歳のうちの娘が、アメリカのリーダーでそう言った人をまだ見たことがない、と言ったのを聞いて、私は強い危機感を持ちました。

この子達は、「国として一つになる」ということをまだ知らない。

日本で生まれ育った私が子供の頃から憧れたアメリカを、この国で生まれ育つ子供達が知らない。

 

それはとても危ないことだと思っています。

 

We are great already.

So let’s make America united again.

 

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