
時間にルーズなのは誰だ?
こんにちは、Erinaです。
「アメリカ人は時間にルーズだ」
ということを、誰しも聞いたことがあるはずです。
実際に私がアメリカに来て感じたことは、人と場合によるということ。
そして同時に、アメリカ企業で働いている日本人として、日本について感じたことも書いてみたいと思います。(直接的な被害を受けているわけではないので愚痴じゃないですけど、辛口記事です。)
私も、「アメリカ人は時間にルーズだ」と聞いてアメリカにやってきたわけですが、それは大きな誤解で、学校や仕事でのミーティングなど、かなりきっちりと始まるということに驚きました。
大学の授業は当たり前ですが、仕事でのトレーニングやミーティングなどでは、時間前に座っていないとかなり印象が悪く、時間ギリギリに入ってくるのは「プロ意識の低さ」と受け取られる印象です。
日本では当たり前の「5分前行動」はやはりこういうところでも役に立つなと思うのです。
逆に、アメリカに暮らして、「日本人は時間にルーズだな」と感じるところ。
それは「終わり時間」に対してのルーズさです。
中学・高校の全校朝礼に始まり、会議やミーティング、いつまでもダラダラと終わらないおしゃべり・・・。誰しも経験があるはずです。
そもそも、そういう集まりに「開始時間」は明記されているのに、「終了時間」は決められていないですよね、日本って。
「ミーティングは10時です」とは教えてくれるけど、「10時から11時までやります」とは言われない。つまり、「終わるときに終わる」ので、「11時までに終えよう」という計画がないミーティングになるわけです。
これは日本独特の「サービス残業」の原因でもあり、終わり時間にルーズだから、いつまでも帰れないし、帰らない。
Aさんが帰らないから、Bさんが帰れなくて、Bさんが帰らないから、Cさんが帰れない・・・という負の連鎖にみんなで陥っている。
「5時に帰るぞ」と決めたら、5時までに仕事を終わらせるものだけど、終わり時間がないといつまでも仕事をし続けちゃう。だってそうでしょ?すごく大事な約束事とかあったら、絶対に仕事を片付けますよね。なんでいつもそうやらないのでしょうか?
私が今の職場で働き始めて、間もない頃。
ある融資担当者が、私の帰宅時間15分前(4時45分)に私のオフィスにやってきてこう言いました。
「これ、今日が締め切りなの!突然で申し訳ないんだけど、やってくれる?!」
彼女は大汗をかいていました。
同時に、私は彼女がギリギリまで仕事をやらないProcrastinator (ギリギリまでやらない人=つまりは仕事ができない人)だということも知っていたので、なんとなく今日は来るんだろうなという覚悟がありました。
ちょうどその日は、子ども達を迎えに行く日ではなかったので、仕方なく私も大焦りで分析を終わらせ、帰宅時間を10分過ぎた5時10分に提出したのでした。
私は、「はい、できました」と一言だけ言って帰宅。
次の日、この担当者にメールでこう書きました。
「分析が必要なときは、最低でも2日ください。満足なものができないと私も困ります。」
つまり、「次はもうありませんよ」という警告です。
(後々わかったのですが、みんなより一時間遅く出社し、一時間遅く退社するこの担当者は、周りの時間ではなく自分の時間で仕事をします。なので、こちらが一時間早く帰るための準備を全く理解していないわけです。そういう意味で、彼女のギリギリ提出は常習犯であり、私はそれに付き合っちゃダメだな、ということも知りました。)
彼女も申し訳ないと思っていたようで、
「昨日は本当にごめんなさい。ありがとう。これから気をつけます。」
というメールが送られてきました。
それ以降、そのようなギリギリで飛び込んでくる依頼はなくなり、他の担当者たちからも分析が必要な案件については数日前、数週間前からきちんと情報がもらえるようになったのと同時に、私のほうから、「あの案件、どうなってるの?」とアップデートをもらうようにし、ギリギリ提出を防ぐようにしたのです。これこそがタイムマネジメントのはず。
こういう変化が目に見えて、私は自分が「便利屋」ではなく、リスペクトされるべき「チームメイト」になったと感じました。
この話を、先日、アメリカの日系企業で働いたことのあるという日本人女性と話したのですが、やはり同じことをおっしゃっていました。
「こっちの日系企業で働いていると、メールで日本時間の緊急用件とか入ってくるので、ちょうどこっちの帰宅時間と重なる。それに毎回対応していると、『あ、この人ならやってくれるな』って思われて、結局、時間通りに帰れなくなるのよね。」
とのこと。
同時に、その会社で働いていたアメリカ人同僚たちは、「もう帰る時間だから」と断って帰るのが上手なんだそうで、この女性は、それを見て
「だから、最初から『もう今日は帰る時間なので』と断るのは大事。」
なのだそうです。
なるほど。
やっぱり日本人は、相手の都合を気にしすぎて、自分を犠牲にしてしまうからこうやって「みんな揃って帰れない病」になってしまうんだろう。
誰かが「時間なので帰ります」と帰るようにならないと、いつまでもサービス残業をして当たり前の社会から抜け出せず、みんな揃って疲弊する社会のまま。
私は長時間働く人=仕事が出来る人だとはまったく思わないし、決められた時間内で、決められた仕事を終わらせられる人間が有能だと評価されない社会では働きたいとは思いません。これが私が日系企業で働きたくない理由の一つでもあります。まぁ日本企業の全てがそうだとは思いませんが。
加えて、これだけ長時間勤務を強いられている日本が、これだけ普通に帰宅するアメリカよりも、GDPでは勝てないどころか、ランクも落としていますが、ご存知ですか?(2005年から2010年の間に、日本は中国に抜かれて世界で第3位のGDPになりました)
つまり、勤務時間と生産性は全く関係ない、というより、むしろ長すぎる勤務時間は非生産的になるということは様々なリサーチも行なわれています。
この「生産性」を決めるのは、たいていは管理職の仕事であり、結局、部下にいつも長時間勤務をさせているというのは管理職の能力が問われているということになります。みなさんの職場はどうでしょうか?
こういうことを書くと、「残業しないと仕事が無くなる」とか「この職場で働けなくなる」という声を聞きます。
私も前の職場は独身の若い社員ばかりで、周りが6~7時まで仕事をしているのに自分は5時に帰ることに引け目を感じました。もしそれが原因で仕事が回ってこないとか、仕事がなくなるのだとしたら、自分はそれまでの人材だったんだ、と割り切っていたし、現在の自分の状況でも必要とされる職場で働けるほうが大事、と思うようになりました。だから、今は定時で必ず帰ります。
仕事と家庭を両立させる上で、私は”Time is money.”(時は金なり)を心しているし、時には何かを捨てるという勇気を使っていかない限り、常に疲弊し、消耗するだけで、目の前にある喜びを感じられなくなることを私は学びました。
これ以上書くと、日本で働いている人から批難されそうですが、外から見ると、そういう風に思われてますよ・・・というところでやめておきます。
これを読んで、以前友人がシェアしていたこの記事を思い出しました。。
http://netgeek.biz/archives/66694
日本人は開始時間には割とキッチリしているのに、終了時間には本当にルーズなんですよねぇ・・・開始時間を守らないのはNGなのに、終了時間を守れないことはNGだと全く思っていないというところに、日本の長時間労働文化の根底がある気がします。
Erinaさんの文章を読んでハっとしましたが、日本人はそもそもチームの全員が「5時に帰る」という前提を持っていないんですよね。なので当たり前のように定時終了直前や定時後に「今日中」の仕事が上司から降ってくる、部下も上司から指示が下りてくるまで帰れず、上司も出来上がったものを承認するまで帰れない・・・という負のループが発生するんですよね。
こうなったら自分から負の連鎖を断ち切らねばといつも思いつつ、まだまだ日本人の中では周りに合わせてしまうわたしですが、考えさせられる記事でした。
Mayuさん、お久しぶりです。
リンクありがとうございます。
知人の、「時差の関係で、西海岸の人間は帰れない」というコメントを聞いて、思い出したことがあります。
最近は、自宅勤務やらフレックスが導入されて、いつでもどこでもメールチェックできるようになりました。これって、便利な反面、「オフ」の時間がないんですよね。
いつでもどこでもチェックできるから、いつでもどこでもチェックするようになっちゃう。周りも「すぐに返事してくれるだろう」って期待するから、結局、週末もメールチェック→仕事しちゃったり。私も経験あります。
だから、オフラインになるというのは、「今日は仕事これでやーめた」と自分で言わなきゃいけないわけで、それは仕事を定時で上がるっていう姿勢と同じだと思うんですよね。
これからそういう常にオンラインになれる環境はますます整って増えてくるけれど、どこまでやるか、いつまでやるか、という線引きを自分で出来ない限り、それこそ24時間ずっと仕事モードから抜けられなくなるんじゃないでしょうか。
私も帰り際に仕事が入ってくることはありますが、必ず、「今日じゃなくて良いんだよね?もう帰るからね」と一言付け足します。
「仕事は決まった勤務時間中にやる」という当たり前の常識が、日本社会でもっと広がると良いんですけどね。