“Have fun!” という愛情

こんにちは、Erinaです。

 

夏休みも終わり、新学年がスタートするこの時期。

 

子供が小学校入学、中学・高校・大学進学などの大きなトランジションを経験している家庭も多いはずです。

 

我が家も息子がいよいよ中学をスタートします。学年の中で一番小さい彼。

 

「中学で大丈夫かなぁ?」

 

なんて不安になるときりがないのですが、今日は、私と同じような不安を抱えているママとパパへ、「大丈夫!」というメッセージを送りたいと思います。

 

 

思えばうちの子達が、日中を家の外で過ごすようになったのは長男3歳・長女1歳半の時。私がフルタイムの仕事復帰をする上で、デイケアに入れたのでした。

そこから長い小学校生活も終わり、我が家は次のステージへ進もうとしています。

 

ここ2年ほどは、子供達が親抜きで過ごす時間もどんどん増えました。

お泊まり会だったり、スポーツだったりと、ドロップオフしてあとはそこにいる担当の大人に任せる・・・ということが増え、それも子供自身がそこに行くことを決めてきました。

 

中学が始まる一週間前の今日、新入生のための説明会に参加した息子。

朝、ランチテーブルのエリアに行くと、同じ新入生たちはサインアップするでもなく無造作にゾロゾロと体育館に入っていきます。

親たちが行けるのはそこまで。

 

「じゃあね」

 

と振り返ることもなく友達と入っていく息子を見て、素っ気ないと思いつつも、まぁこんなもんだよな。

体育館の中ではすでに何らかのイベントが始まっていて、音楽やら生徒会の子供達のリードが聞こえてきます。

心配そうに入口のところまで覗きに行く親もいます。

 

ピックアップは3時間後。

それまで子供達は Team Building Activities と呼ばれるゲームやアクティビティを通して、自分を新しい環境に慣らしていきます。

これらは小さいストレスで友達作りを促すものばかりで、アメリカではこうやって新入生のために “familialization” に時間をかけます。

 

つまり、親がこれ以上ここでできることはない。

 

 

そうやって子供達が外に出て行くと、気づくと家で旦那と二人きりでボーッとしていることも増え、「こうやってエンプティネスト(空の巣)って始まるんだなぁ」と実感したり。

静けさが嬉しい反面、時間はもう戻らないことに気づくわけです。

 

 

そんな時、親の私が持ちたい視点は、

 

子供の成長を喜べるかどうか。

親のいない世界を子供が楽しめるかどうか。

 

です。

 

親の寂しさや不安を投影しちゃいけない、と私は思っています。

親の不安は必ず子供に伝わり、そこにはっきりとした言葉がなくても、「自分は本当に巣立っても大丈夫なんだろうか?」とか「やっぱり出ない方が良いのかも」と思ってしまう。

そうなると子供のチャンスを潰してしまう。

 

「可愛い子には旅をさせろ」

 

とはまさにその通りで、「行っておいで。帰って来たくなったら私たちはいつでもここにいるからね」という確かなものがあれば、子供って安心して出て行きます。

 

だから私は、子供たちを見送る時、そのまだ小さな背中を見ながら、”Have fun!” と言います。

 

外の世界には、私と旦那の二人では与えられないものがたくさんあり、子供たちはそれを必要としている。

どちらが良いとか悪いとかではなく、色々なものを見たり聞いたりしながら、彼らは何が自分にとって良いか悪いかを決断したり、選択できるようにならなくてはならない。

 

でもそういうプロセスを楽しんでほしい。

いつも仲良しの子たちと遊んだり、好きなことを仕事にしたりできるわけじゃない。

気が合わない子や、話が合わない人もいるでしょう。

苦手な科目や手間のかかることもやらなきゃいけないかもしれない。

 

だけど、そういうものすべてをひっくるめて、乗り越えることができたら、それは親として安心材料になるし、次も大丈夫だな、と思えるのです。

 

 

 

最後に、教育現場にいる人間の立場から一言。

 

毎年、何百という子供が入れ替わり立ち代わりで学校という場所にやってきます。

親がそれを見ると、「うちの子はこの中の一人になってしまうんだわ〜」と不安に感じます。「先生にとっては数十人(または数百人)のうちの一人・・・」と思うと、心もとないかもしれません。

 

でも実際は、そんなことありません。

 

先生達は、親とは別の角度から子供を見ていて、それもおそらく数人の先生が一人の子供を見ています。科目別だったり、同学年の別クラスの担任だったり。

 

私が教師になって初めて知ったことの一つが、「先生達は、親の想像以上に子供達の話をたくさんしている」ということでした。

 

先生達が集まると、共通の生徒や児童の話を、親が想像するよりかなり頻繁にしています。

それは単なる悪口とか褒め言葉ではなく、「この子にはこういうのがうまくいく」とか「ちょっとあの子、今日は元気なかったよね」とか、もっとパーソナルで建設的な会話です。

 

この部分ってあまり表面には出てこないけれど、きちんと学校生活に反映されるように先生達は努力し続けているし、親の知らないところで、子供と教師の信頼関係が築かれている。

 

イメージは、子供ー家庭ー学校の三角形ができていて、それがバランスよく保たれていれば、子供の成長はとても効率よく起こる。

 

 

だから、大丈夫。

 

子供は大丈夫なんです。

 

 

どうでしょうか。

 

 

 

 

 

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