アメリカのPTAとドネーション

こんにちは、Erinaです。

 

アメリカの小学校は「親や地元が作る」という意識が強く、それは金銭的な面でも現れます。それがPTAによる「寄付金」(ドネーション)です。

 

うちの子供たちが入学した学校は、「PTAが強い」という評判がありました。それはどういう意味かを知ったのは、実際に入学してからのこと。

PTAが強い=寄付金が集まる=親が寄付をする

ということだったのです。

今日は、具体的に親がどんな寄付をするのかを書いてみようと思います。

 

 

現金の寄付

うちの5歳の娘はアートやクラフトが大好き。

家でも何かさせてあげたくてアートのお店に連れて行きましたが、必要なものをそろえると、結構お金がかかるんですよね。しかも、一人分(一回分)として売ってることはないので、同じ素材を大量に購入することになります。

そして実際に、一緒にアートをできるか、というと、なかなかそんな時間もなく、まして私はアートのプロではないので、娘を楽しませることができません。

学校で作った、季節に合わせたアートやクラフトを持ってきては見せてくれるのですが、家で何をやったら良いのか、さっぱりです。

そう考えたときに、学校でプロ(先生)に任せて、必要な素材を買うために親が寄付をするほうが、Win-Winなのではないか?と思ったのです。

 

これは学校によりますが、うちの学校では生徒が文房具を用意する必要はありません。

日本では、入学するときに「お道具箱」が与えられて、クレヨン、鉛筆、定規、絵の具・・・など、学校から指定されたものを買い揃える必要がありましたよね。

しかし、うちの学校は鉛筆から何から、全て学校が用意し、PTAがそれをまかなっているようなのです。

なので、先に払うか、後で払うか、という違いだけで、子供たちにとって文房具は絶対に必要なわけです。

 

では、実際に寄付のお願いがやってきたとき、いくら寄付したら良いでしょうか?

 

アメリカで寄付する機会が増え、

「これくらいで良いのかしら?」

「みんなどれくらい寄付してるのかな?」

「少なくて何か言われるんじゃないか?」

と不安になったことはありませんか?

 

ここで大事だと思うのは、寄付の額ではなく、気持ち。寄付したいと思ったら、周りと比べるのではなく、自分で良いと思った額を寄付するべきです。

誰しも、何かをもらうときは、気持ちよくもらいたいものですよね。

どうしても目安が欲しければ、寄付を集めている人に「どれくらい寄付すれば良い?」と聞いてみましょう。

たとえば、クラスのイベントとか、先生へのプレゼントなど、だいたいの予算がある場合は「5ドルで充分よ」とか「みんな10ドルくらいかな」と教えてくれます。

しかし「ファンドレイザー」の場合はできるだけ多く(as much as possible)なので、予算はなく、完全に有志に任せるわけです。

 

日本では「みんなこれをやってください」とか「いくら寄付してください」と常に指定されるので、自分で決めたり、その決断に自信を持つ必要がありません。

しかしアメリカでは、あくまで「個人の判断」に任せるところが大きいです。

 

「100ドルの寄付は多いですか?それとも少ないですか?」

という質問をされたら、どう答えるでしょうか?

 

難しいですよね。正解はありません。「100ドル」という額が、そのときによって多いか少ないかは、個人によるでしょうし、タイミングとか状況にもよります。

寄付においては、その違いをリスペクトするので、「100ドルだから少ない(または多い)」というジャッジメントをする人はほとんどいません。アメリカで上手に寄付をするということは、自分の寄付と判断に自信を持つことだと思います。

 

 

 

本の寄付

私は「本の寄付」が好きです。私自身、読書が好きなので、子供たちにも読書を奨励したいからです。

 

去年、キンダーガーテンだった息子のクラスでは、子供の誕生日になると、親がポプシクル(アイスキャンディーバー)やカップケーキなどを用意し、クラスルームで振舞われました。

今年になって一年生になると、担任の先生はこういいました。

 

「もし、子供の誕生日に何かしたいと思ってくれたなら、『本』の寄付をしてください。

カップケーキの砂糖よりも、本のほうがありがたいです。」

 

そういって、過去の親がクラスに寄付してくれた本を開いて見せてくれました。

裏表紙には、アメリカではおなじみの「ママとパパから、○○へ7歳の誕生日に」というサインが書かれていました。

 

「うん、今年はこれにしよう。」

 

息子に好きな本を選ばせて、クラスで使えるように寄付することにしました。

こうすることで、

 

親が本を買う→子供にプレゼント→子供がクラスにプレゼント

 

という寄付の流れができます。自分たちで寄付することで、子供たちはクラスや図書館の本を大切にするようになるし、とても良いアイディアだと思いました。

 

 

物品の寄付

これも学年度を通して、先生から伝えられるのですが、教室で使うティッシュ(クリネックス)、ハンドサニタイザー、ベビーワイプなどを寄付します。

これらも子供たちが清潔でいるために必要なものですが、親の協力をお願いしているということは、政府からは買い与えられないのでしょう。

「誰が使う」ということでなく、自分の子どもの教室が清潔であるために必要なものとして、我が家ではセールなどを見計らっては買い込み、学校に寄付するようにしています。

 

 

どうでしょうか?

 

どれもお金や時間がかかるものばかりですが、「無料」のものはないので(Nothing is free.とよく言われますね)、自分にとって大切なものは何らかの形でコントリビュートする必要があります。

アメリカでは、公立学校だから、と先生や学校任せにすることはできません。

 

これはあくまで個人的な意見ですが、自分の子どもたちが学校に行くようになり、加えて自分がフルタイムで仕事をしているとなると、やはり、先生たちや他の親など、周りの人たちを信頼せざるを得なくなります。

たとえば、子供の靴紐がほどけてたら、誰か気づいてくれるだろうか?

鼻水が出そうだったら、先生が「鼻をかみなさい」と言ってクリネックスを差し出してくれるだろうか?

寒くなってきたら、「ジャケットを着なさい」と言ってくれるだろうか?

 

・・・と小さいことですら、親が常にそこにいてあげることはできませんよね。

しかし、アメリカの大人たちは一般的に、たとえ他人の子供でも無視することはなく、誰かしらが気にかけてくれることが多いです。

そして同時に、自分が子供たちのためにやってあげられることがあるとしたら、それは自分の子どもだけじゃなく、同じ学校に通う全ての子供たちにもやってあげるべきだ、と感じたのです。

それがPTAのマインドセットであり、学校への寄付なのではないでしょうか。

 

 

“アメリカのPTAとドネーション” への9件の返信

  1. Erinaさん、こんにちは。
    私も去年から娘がキンダーガーデンが始まり、私にとっても始めてのアメリカの学校システムという事で分からない事だらけで色々ネットとかで手探りしてます。私の地域もPTAが盛んに行われています(まだ参加したことないですが)
    始めに驚いたのが、文具用品。日本ではひとつひとつに個人のものに名前を書いて(今考えると大変な作業ですね)個人で使用、アメリカ=クラスで皆で使う。(これは効率がいいと思います)もちろん、これは親からの寄付がつどないといけないですが。これもお便りで必要なものの連絡事項があるので助かります。

    イベントの多さ!バレンタイン、100days,先月はドクタースーでしたね。うちの地域はバスケットが盛んな地域なので特にそこのチームのシャツを着る機会が多いのですが。イベント行事を学校で皆で楽しむことは良い事だと思いました。

    本の寄付とは素晴らしいアイデアですね、私も来年はこれにしようと思います。

  2. Lisaさん、こんにちは!

    あら~、ちょうど近い年齢のお子さんもいらっしゃるんですね!

    そう、私もあの文房具には驚きました。
    息子の入学前に、学校からはなんのお知らせもなく(笑)、「鉛筆とか買わなくて良いの?!」と焦りました。
    私も、学校で子供たちがシェアって、良いアイディアだと思います。無駄にならないし、親への負担も最小限だし、先生たちが本当に必要としているものをリスペクトできるというか。面白いですよね。

    イベント、めっちゃ多いですよね!
    うちも毎週のように、蛍光カラーのTシャツとか、変な靴下とか(これはただ単にうちの子供たちの趣味かも?)、水玉模様の服とか着て行ってます。
    傍から見ると、「なんか楽しそうだなぁ・・・」とちょっとうらやましいです。笑
    親の負担も大きいですが、まぁできる範囲で、楽しませてあげよう、と思ってます。

    本の寄付、喜ばれますよ!

  3. えりなさん、Tomomiです。こちらでの記事も毎回楽しく読ませていただいています。

    この寄付のこと、えりなさんにちょうど聞こうと思っていたんです。
    うちの子供の学校もとにかく寄付が多い学校です。
    毎回一応していますが、なにしろ次から次へと来るので、みんな寄付してるのかな???と疑問に思っていました。
    これを読んで自分なりの寄付の仕方でいいのだと確認できました、ありがとうございます。

    あと、えりなさんはPTAの寄付集めのディナーパーティなどは参加していますか?

  4. そうですね、あまり毎回「やらなきゃ!」とこだわらず、「あ、今日は財布にキャッシュがないから無理」くらいでも良いと思います。笑 (←それほど財布にキャッシュがないのは私だけ?!)

    ディナーパーティは、先日あったのですが、行きませんでした。
    PTAイベントなのに、「親だけ」というのがちょっと引っかかります。子供を預けてまで寄付集め?というところがちょっと疑問なので。
    大人だけのイベントって、ビジネスオーナーの親のネットワーキングみたいのも含まれてるんじゃないかな~と思っているので、サラリーマン家庭の我が家は無縁・・・と思ってます。笑

    ファミリーイベントはなるべく参加したいですけどね。

  5. こんにちは。

    Erikaさんの記事の多くはタイムリーなものが多くて感心してしまいます。
    我が家もとうとうキンダーが始まり、先日募金について夫と話し合ったばかりです。

    私は夫に、
    「私が育った環境のせいかもしれないが、学区に対する異常なこだわりや募金システムに疑問を持つ。」
    と言いました。

    「私の母は2人子連れのシングルマザーで、相当貧乏だった。
    子供の頃は、風呂も水洗トイレもなく、水道が朝7時になると止まってしまうような古いアパートに住んでいたの。
    でも通った学校はごく普通の学校で、裕福な家庭の子もいたし、彼らと一緒に普通の教育を受ける事が出来たよ。でもこれがLAだったら学区も最低で、銃やドラッグやギャングを心配する環境でまともな教育は受けれなかったかもしれないよね。ここは何でもお金でうんざりする。」

    去年は学区の話題でもちきりでした。
    我が家は共働きで、決して金持ちでは無いけど、日本ではごく普通の公立小学校へ行ける家庭(のはず)なのに、ここLAでは教育レベルが平均以下の学区。
    良い学区は一軒家が多く、アパートの家賃が$3000と聞き、
    「ただ公立学校へ行きたいだけなのに!」
    とやるせない気持ちになります。

    地域が金銭的に協力して学校を盛り上げていく事は良い事と思う反面、国や州がもう少し頑張って、たくさん募金が出来ない家庭でも教育レベルの格差をもう少し減らしてくれたら、と思います。
    私は地方都市出身なのでそう感じるだけで、都会だったらどこも同じかもしれませんが・・。

    平均的な募金金額はわかりませんが、うちの近所の学校では、年間最低$1000程度の募金が必要・・というママ友さんの情報もあり、夫と「募金してくれという話を学校でされたよ。」
    「いきなり$1000募金と聞くと大金に感じるけど、1か月$100以下の学費と思えばバーゲンだよね・・。稼いだお金を税金で全部持っていかれるより募金で息子が行く学校に貢献したほうがいいんじゃない?」
    「いや~それをするにはかなり大金を募金しないとダメなんじゃ?」
    という話をしていたところです・・。

    話が長くなってごめんなさい。興味深いトピックの提供ありがとうございました。今後も楽しみにしています。

    私のシングルマザー

    学区の良いエリアへ引っ越しする家庭もたくさんあって・・。
    以前から感じている事ですが

  6. すみません、私の投稿の↑最後の3行は無視して下さい。
     「今後も楽しみにしています。」で締めくくるつもりが私の校正ミスで削除し忘れ、そのまま投稿してしまいました ^^; 

  7. Shiroさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

    公立校間の格差、本当に驚きますよね。日本じゃ考えられない。
    子供達がアメリカの貧富の差をこんな幼いうち見て成長するというのは、考えるだけで胸が痛みます。
    私も日本でシングルマザー家庭で生まれ育ち、それでも学校は新しくて、トイレが詰まって使えないとか、窓が割れたまま修理されてないとか、そういう不便を感じずに当たり前に教育を受けられたことは、当たり前じゃなかったんだなとつくづく思います。
    アメリカだけじゃなく、学校に通うことすら許されない国や、命からがら教育を受ける子どもたちもたくさんいます。

    これから教育の世界に入っていく身として、子供達や親にどんなことを伝えたいか、自分の中でも煮詰めている最中でもあり、自分にも何ができるのか、まだまだ模索中です。
    私は政治家ではないので、アメリカの教育を根本から変えることはできないかもしれないけど(いや、むしろそちらには注力したくない)、自分のクラスルームにいる子どもを一人でも多く、「できた!」と思わせられたら良いな、と思っています。自分のやるべきことを、自分の居場所でやること。それが世界を変えるための大事な一歩なのではないでしょうか。

  8. Erinaさんへ
    本当に・・。
    当たり前と思っていた事が当たり前じゃない。
    でもその違いに気づけたのは別のやり方を見たからであって、
    ありがたい事だと思う事にします!

    学校が始まってまだたった1週間ですが
    すでにクラスメートの母親がリーダーとなり、
    送迎ルール、始業前の荷物の置き場、放課後のアクティビティのスケジュール、
    ボランティアの取り決め・必要な寄付の種類などをクラス全員の親へメールしています。
    日本なら先生がやる仕事の内容を
    アメリカでは親がやっているのでカルチャーショックです。
    日本ではクラブ活動や放課後の陸上など、時間外でも先生達は
    半ボランティアで仕事されている部分も多く、
    それが当然だったという甘さにも気付かされました。

  9. Shiroさん、こんばんは。

    そうなんですよね、自分たちが当たり前に育ってきたものがここでは全くない、ということがとてもたくさんありますね。
    親のボランティアもそうですね。
    こういう学校運営のしかたもあるのか・・・と面白く見ています。

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