また実のないプレゼンテーション

こんにちは、Erinaです。

 

先日、うちの会社にHという医療関連企業があるプレゼンテーションをしに来ました。

私はこの会社が健康保険の会社だと知っていたので、新しい健康保険を売りに来たのだと思って参加しませんでしたが、参加した人の感想がなかなか興味深いものだったので、ちょっと書いてみたいと思います。

 

当初、”Wellness Program”というプレゼンのタイトルを聞いて、健康保険のセールスだと思った私。

また、そういうものだと思って参加したほとんどの人。

 

プログラムの内容は、個人の健康関連の情報(検診・治療・運動・食事など)を全てこのプラットフォームで管理し、総合的な健康カウンセリングをするというものでした。

Fitbit(運動とかをオンラインでモニタリングするリストバンド)と連携してチームごとの運動量を計算したり、職場で基本的な健康診断が受けられるなど、新しい試みです。

健康をキープするためには「一日10,000歩」なんて言われますが、それをするには5キロのジョギングが必要だとか。

 

特に私の職場は座り仕事(Sedentary work) が多く、一日8時間、パソコンの前に座っている人がほとんど。家と仕事の往復しかしなければ、社員たちの一日の運動量が足りないのは明瞭です。

 

そこでこうやってモニターし、健康になろう!というのが謳い文句なわけですが、どうでしょうか。

 

まぁ、プレゼンターの意図はわかるし、モチベーションもわかります。

ちょっと前は、「座り仕事は寿命が縮む」なんていう記事も出てたくらいだし(笑)、動かなくて不健康だと感じるのは自分自身ですから。

 

そこで、うちのチームの裏ボス的存在メリッサがこんな質問をしたそうです。

 

「じゃあそれ(=健康でいるために必要な運動)を実現するために、ランチ時間を2時間くれるんですか?」

 

 

 

(笑)

 

 

メリッサは、おそらくうちのチームで最も過小評価されている人材で、毎日の作業で欠かせない人物です。うちのボスは彼女の言うことを絶対的に聞き入れるし、誰もが「このチームになくてはならない人材」と思っています。

高校生の頃から様々なバイトをして、色々な職務経験を持つメリッサは、とにかくたたき上げの人で、話のポイントをつくのが上手く、頭が切れてスマート、そして何よりも(仕事のできない人の仕事を押し付けられるので)人の3倍働き者なのです。

 

彼女には6年生の娘と4年生の息子がいて、2人とも習い事に忙しい日々。

旦那さんはこないだまで通勤片道1時間の会社で働いていましたが、家でのサイドビジネスが軌道に乗り、退社したそうです。

 

そんなメリッサは、普通のフルタイム共働き家庭の普通の母親が、今すでに無いのに、1~2時間フリーな時間を作れるわけがない、という現実をこう発言したわけです。

 

 

プレゼンターは若い男性だったそうですが、これを聞いて苦笑いするしかできず・・・。

 

そこで彼の切り返しはこう。

 

「たとえば、ミーティングを会議室で座ってするんじゃなくて、みんなでウォーキングしながらするとか、方法はありますよ。」

 

「・・・・・。」

 

というやりとりを、参加した人から聞いた私は、笑ってこう言いました。

 

「それって・・・マネジメント(上司たち)に言ってくれないとね。(笑)」

 

私はメリッサに同意するしかできず、来年一月から社員のサインアップを受け付けるというこのプログラムに、”Let’s see how it will fly…” としか言うことができませんでした。

 

 

その後、私はメリッサのところに行って、「プレゼンでのこと、聞いたよ。(笑)」と言いました。

 

“It’s a joke.”

 

メリッサも笑います。

 

「仕事中は仕事だけで手一杯、家では家のことで手一杯。それなのに、家ではこのテストを受けろ、健康のためにモニタリングしろだなんて、ありえない。

それよりも私のストレスを解消させてくれるカウンセラーが欲しいわ!プレゼンターの話を聞きながら、握ってたストレスボールを投げつけてやろうかと思ったくらい。(笑)」

 

「これって全員サインアップしなきゃいけないの?Hって保険会社だと思ってたんだけど。」

 

「ううん、違うみたい。こうやって社員の健康に対する姿勢をモニタリングして、データにして、医療保険のプレミアム(保険代)を増やすかどうかという判断材料に使うんだと思う。」

 

「あ~、なるほどね・・・。じゃあ結局、カイシャの損得勘定から来てるわけね。」

 

「もうここまで行ったら、Naziよ。」

(”Nazi”は旧ドイツのナチスのことで、ものすごい独裁で非民主的なことをする管理者をこう呼びます)

 

私はストレートに正論を言うメリッサが大好きで、みんなが言えないことをズバッと言える性格がとてもかっこいいと思っています。企業の政治的なものには向かないのかもしれないけど、人として深みのある人だと思うし、チームや家族のことを本当の意味で考えている人です。

 

「まぁ、(このプログラムが)どうなるか見ものね。」

 

という結論でしめましたが、今回のもこの記事同様、あまり実のない(意味のない)ものの臭いがプンプンします。アイディアが画期的だとしても、現実的に見てどうか?という地に足のついたものじゃないと、人の心って動かされませんよね。プレゼンの失敗例として参考になります。

また、健康のために5キロ走っている人はもうすでにやっていると思うし、時間を作って運動することだけが健康ではないと思うので、こういう画一されたものさしで測るのはどうかなぁ?と思うのですが、どうなんでしょうか。

 

このプログラムは社員のためというのは建前で、カイシャが医療保険費の出費を減らすために、保険会社からの査定プログラムに参加しなければならず、そのしわよせが社員にやってきて、結局ストレスにしかならないという・・・。

 

笑い話と私のブログネタになるくらいですね。

 

ちなみに、このプレゼンに出席した人は全員、「あのプレゼンターはあと10キロは痩せるべきだ(=健康の話をしに来たのに説得力がない)」と言っていました。

 

 

 

 

 

 

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