こんにちは、Erinaです。
みなさん、マルチャンのインスタントラーメンを知っていますよね。
ここアメリカでは、一個30~50セントくらいで手に入り、かつ様々なフレーバーでスーパーで売られています。
もちろんジャンクフードのトップランキング入りする食べ物でもありますが、このマルチャンのインスタントラーメンに見るグローバリズムについて今日は書いてみようと思います。(あぁ、もうくだらない内容になりそうな兆候が・・・)
まず、私が渡米して最初の日に、グローサリーストア(食料品スーパー)に行って、驚いたことがありました。
「マルチャンがある!それも超カラフルで安い!!」
そこには
“Maruchan Ramen”
とローマ字で書かれたパッケージがごっそりと並んでいたのです。
太平洋を越えて、初めてアメリカの地を踏んで数時間。
こんなところで日本を感じることになるとは!と軽くショック+心強さを感じたことを覚えています。
フレーバーはと言うと、日本のような「醤油」「味噌」「塩」ではなく、
Beef, Chicken, Pork, Shrimp, Oriental, Spicy Chili….と、なんともアメリカンな味付け。
「そうか、アメリカ人は醤油ラーメンと味噌ラーメンと塩ラーメンの違いがわからないんだな?」
なんて思った記憶があります。それよりもビーフ、ポーク、チキン・・・というわけ方のほうがしっくりくるんでしょう。
とにかく安いので、いつもハングリーかつ栄養を気にしない学生には強い味方のMaruchan Ramenだったのです。(こういうものを平気で食べられるのは若いときだけ・・・・)
それから9ヵ月後、ホストファミリーの家にやってくると、小腹の空いた学生のために「スナックテーブル」があって、そこに箱買いされたマルチャンがいました。(このホストファミリーには常時5~10人の留学生が住んでいたので、決められた食事時間以外で食べたいときは、セルフサービスでした。)
「あ。ここにもラーメンが・・・。」
衝撃的だったのは、ある昼下がり、イタリアンのルームメイト(ブルネラ当時19歳)がこのラーメンを食べようと作り始めたときのこと。
鍋に適当に(絶対に少ない)お湯を沸かせると、麺とスープを一緒に入れました。
で、1分も経たないうちに、「さぁできた」と言わんばかりに食べ始めたのです。
いやいや、アルデンテにしては堅すぎでしょ?!とツッコミを入れたかったのですが、「ねぇ、それって堅くない?」とちょっと丁寧に聞いてみました。
「ノ。別に大丈夫よ。」
彼女はそのまま超アルデンテなマルチャンラーメンを食べてしまったのです。
私にとって衝撃だったのは、堅いラーメンを食べたことよりも、「インスタントラーメンの作り方」に従わないイタリアンルームメイトの存在でした。
私たち日本人は、インスタントラーメンやカップラーメンを食べるとき、まずは「作り方」をきちんとチェックします。
最近はわからないですが、私が日本にいたときは、日本のレトルト系ってどれも順番とかがきっちりと決められていて、
「まずはこれを入れて、お湯を入れて3分待って、次にコレを入れて、最後にこうして食べてください」
という指示がとにかく細かい。
だけど、それが「常識」だったので、当たり前のように従っていたわけです。
しかし、アメリカに来てみると、イタリアンのルームメイトが、それを逸脱して自分の思うままに、それも1分しかゆでないでラーメンを食べている。
「おぉ~!作り方に従わなくても良いんだ!」と若干20歳の私には衝撃的であり、かつそうやって受け入れられて食べられるマルチャンってすごいな!と思いました。
私はそれ以来、料理するのにタイマーを使ったことはありません。
大学に行き始めると、仕事(バイト)+学校で忙しい学生たちに出会います。
きっと貧乏学生も多かったでしょう。
学生たちはランチにこのMaruchan Ramenを持ってきて、教室で食べます。
「え?教室で?」と思うでしょ?
そうなんです。
環境に適応した食べ方があるんです。
まずは袋を開ける前に、ガンガンと叩いたり、折ったりして麺を崩します。
袋を開けると、スープを取り出し、袋に入ったままの麺にふりかけます。
で、これを食べる。
そう、日本の「ベビースターラーメン」のように、ポリポリと食べるのです。
「画期的だなぁ!」と私は一人静かに感動しました。
これまで、「ポリポリと食べるのはベビースターラーメン」と思っていた私は、普通のインスタントラーメンをポリポリと食べるということを考えたこともありませんでした。
だけど、そうしちゃいけないなんて誰も言ってません。
むしろ味のバラエティは豊富だし、安いし、お湯も要らないし、忙しくて貧乏で若い(しつこいけど若いときにしかできません、こんなこと)学生にとっては、これでお腹が満たされれば十分なんです。
「作り方に従う」という常識を壊し(たのはイタリアンルームメイト)、「お湯ナシでも食べられる」という画期的な食べ方を発見し、留学当初の私は、このMaruchan Ramenのアメリカでの確立された地位に感動しました。(もちろんジャンクフードとしての地位も確立されてますが)
Maruchanすごいな。
超グローバルじゃんか。
いつの間にこんなに世界で有名だったの?
と、どんな食べられ方も受け入れてしまうその懐の大きさに、ちょっと憧れの存在になったのでした。

- アメリカの学校の避難訓練 - 2019-02-20
- 「ブス」という言葉の破壊力 - 2019-02-19
- 「日本人女性」というステレオタイプとの付き合い方 - 2019-02-18
- アメリカのJury Duty(陪審員義務) - 2019-02-16
- アメリカの国語:メンター・センテンス - 2019-02-05
2 Responses to “マルチャンのインスタントラーメンに見るグローバリズム”
佐藤美佐子
Erinaさんお久しぶりです。今日は立春、豆まきの日ですが “鬼は外 福は内”の声はとんと聞かれなくなりました。子供が小さい時はまめに季節の行事をやったものですけどてね。Erinaさんは子供さん達に日本の季節行事をどのようにおしえていますか? あと1ヶ月も過ぎるとお雛様です。歌を歌いながら娘と飾ったのがつい昨日のようです。私も働いていましたのでとても面倒だったのですが働いているからこそこういうことが大事だと思っていました。
Erina
佐藤美佐子さん、こんにちは。お久しぶりです。
そうですね、節分でしたね。
ここサンディエゴでは、新年が明けると急に暖かくなるのですが、昨日今日と気温が上がらず、日本の(特に北海道の)底冷えする2月を思い出していました。
そうやって行事や気温から季節感を感じるという意味では、だいぶ日本のものから遠ざかっていますね。
子ども達に日本のことを教えるということでは、行事的なことはほとんどやっていませんね。手に入るものが限られているので、食べ物とか日常的なものを通して、子ども達は日本のことを学んでいると思います。