
脱サラ母の数学教師への道 (3) Two Weeks Notice、そして交渉
こんにちは、Erinaです。
アメリカでワーキングマザーが銀行員を辞めて脱サラ数学教師になるまでの道のりを書いています。
突然ですが、先週、ボスにTwo Weeks Notice(「2週間後にやめます」という辞表)を提出しました。
一応、5月31日付けで辞職と書きましたが、引継ぎが見つかるまでパートタイムで残留すると同意したので、しばらくは残ることになりそうなのですが。
ことの始まりは、さらに一週間前にさかのぼります。
私の中で、あるゴールがありました。
それは、「昨年買い替えた車のローンが支払い終わったら、今の仕事を辞めてもいい」というもので、辞めた後はパートタイムの仕事をしながら勉強するという計画でした。それこそ、来年の秋に学校が始まるまでの一年間、スタバでもマクドナルドでも良いから、「働く」ということをし続けようと思っていました。
今月に入ってそのローンが無事に支払い終わると、私の決意は日々かたまり、色々なシミュレーションをした結果、ボスにこんな提案をしました。
「パートタイムで働かせてください」
ボスの答えは「ノー」。
理由は、私のポジションはチームにとってフルタイムである必要があるとのことで、もしそれができないなら退職という結論になり、「とりあえず一週間、考えてみて」と言われたのです。
まぁ考えるも何も、「パートタイムがダメならやめる」というシナリオは私の中ですでに出来上がっていたので、「じゃあTwo Weeks Noticeを書こう」ということになりました。
しかし同時に、新しい提案も生まれました。
「そう言えば、私はまだボスに学校に戻るという計画を話していない。来年、学校に戻るまでパートタイムで働いて、フルタイムの引継ぎが見つかるまでヘルプしますよ、という案もあるな」
ということに気づきました。
“I have nothing to lose.”
どうせもう失うものはこれ以上ないのだから、正直に伝えよう。
そしてこの新しい案を持って、交渉してみよう。
そして運命の一週間後。
「今朝、私の勤務時間についてディスカッションしたいので、時間を作ってもらえますか?」
とミーティングリクエストを送る。
「オーケー。外でミーティングがあるから、帰ってきたら呼ぶわ。」
とボス。
数時間後。
ボスのオフィスに入り、ドアを閉める。
ヤバイ、なんか超緊張してきた。
うちのボス相手に交渉なんてできるんかいな?
「考えました。家族とも話し合いました。」
なるべく歯切れよく、感情をこめないようにシンプルな言葉を選び、事実だけを伝える。
ボス:「そう。」
私:「結論に入る前に、言っておきたいことがあります。実は私、来年の秋から学校に戻ろうと思っています。」
ボス:「オーケー。」
私:「高校で数学を教えるために、Teaching Credential(教員免許)をとるためです。」
ボス:「そうなの。」
私:「それにアプライするためにいくつか授業をとる必要があるのと、実際に授業見学を数十時間しなくてはなりません。そのための時間が必要なんです。」
ボス:「わかるわ。誰でも時間は必要だもの。仕事時間を減らして、やりたいことができたらナイスだと誰だって思うでしょ?」
なんだか感情的になりそうなのは、ボスのほうだ。
この言葉で、「あぁ、この人は私個人としてのゴールを応援できないボスなんだな」と見切りをつけるが、気にせず続ける。
私:「なので、もしパートタイムを許可してもらえないなら、今ココに、Two Weeks Noticeを持ってきています。」
ボス:「・・・・。」
私:「これを渡す上で、提案があります。」
一呼吸置く。
私:「新しいアナリストが見つかるまで、パートタイムで私をキープしてもらえませんか?見つかり次第、トレーニングもします。」
また一呼吸置く。
私:「トランジション(引継ぎ)をなるべくスムーズにするために全力でやります。」
ボス:「・・・・・・。」
発言の間の沈黙が長くなる。
ボスのほうが次の言葉を見つけるのに時間がかかっているようだ。
ボス:「わかったわ。とりあえずHR(Human Resource; 人事部)にあなたのTwo Weeks Noticeを送って、オープンポジションの募集をかけ始めてもらいます。最初のレスポンスをもらえるまで2~3週間はかかるでしょう。」
私:「了解です。」
ボス:「夏の予定はどんな感じなの?」
私:「え?」
ボス:「授業とか、すぐに取り始めるの?」
私:「いや・・・フレキシブルです。」
ボスからのちょっと予想外の質問に、答えに戸惑う。
「辞めてから考えよう」と思っていた私は、5月31日の次の日からこれをしようという具体的な計画はなかった。
「打ち明けてくれてありがとう。」
ちょっと涙目になっているのはボスのほうだった。
ボス:「あなたを失うのはとても辛いけど、応援しています。」
私:「ありがとうございます。私も正直に伝えられて良かったです。Two Weeks Noticeを渡して、ハイ、終わり、というのは避けたかったから。」
ボス:「うん、とても感謝しているわ。」
それは本音だった。
ビジネスにおいて、うちのボスほど強力な女性はいない。
この仕事を辞めた後も、彼女には味方でいてほしかったし、そのためにはどこかで私から全てを打ち明けなければならないとわかっていた。
とりあえず、2週間後にサヨウナラ、という事態はまぬがれたし、5月31日以降はパートタイムで働ける可能性は生まれた。
交渉は成功だった。
Erinaさん、とても臨場感のある記事、ドキドキしながら読みました。本音で交渉してるところが何よりの強みですよね。がんばってください!
私も似たような交渉をしたことがあるので“I have nothing to lose”な気持ち分かります。
ダメで元々で例え当たって砕けても後腐れのないのがアメリカの良いところかも。
続き楽しみにしています!
Naokoさん、いつもありがとうございます!
h42m47さん、ありがとうございます。
確かに、後腐れはないですよね。言いたいことを言えるのはありがたいです。