2016年、激動のアメリカ

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こんにちは、Erinaです。

 

今日は、現在のアメリカという国について、アメリカで暮らす日本人の視点で書いてみたいと思います。

 

11月に迎える大統領選がトピックに上がるようになって以来、アメリカ人は「これまでのアメリカ、これからのアメリカ」というものを真剣に考えざるを得なくなっている気がします。

 

私が知る「これまでのアメリカ」というのは、このブログ読者の多くの方と同様に、「外国人視点」でしかなく、世界が持つアメリカという国の先入観やステレオタイプに直接的に通じていると思います。

特に銃問題に関しては、昨今のニュースがそれを強調しているし、大統領候補者のトランプのようにコンサーバティブなアメリカ人が表に出ています。

 

アメリカのコンサバとリベラルに関してはこの記事でも書いたように、今回の大統領選の大きな分かれ道でもあります。

 

「古きよき時代」を取り戻そうとするトランプ

「マイノリティ(少数派)」をサポートするヒラリー

 

という二択は、経済政策とか軍事問題などではなく、「アメリカ」という国の根底を左右する選択肢です。

 

そもそもアメリカという国は、ヨーロッパからの移民が、ネイティブアメリカン(先住民)たちが住んでいたアメリカ大陸にやってきたところから始まります。

あの有名なコロンバス(日本語ではコロンブスかな?)は、集落を襲撃し、先住民女性たちをレイプし、先住民を奴隷にし、こき使ったという話は、今日では美化されて教えられていますが、そういう歴史があります。侵略とはそもそもそういう意味ですよね。

そこからどんどんとヨーロッパから移民が増え、アフリカから奴隷をつれてきて、アジアからの移民もやってきて・・・というのが今日のアメリカの成り立ちです。

 

アメリカという国が成り立った時代、白人(ヨーロッパ人)が大多数だったものの、現代ではそのデモグラフィーもずいぶんと変わりました。

ラテンアメリカンも、アジア系も、中東系もごちゃ混ぜになり、机を並べて勉強し、近所に住み、同僚として働く。

そういう風景が当たり前の時代になりました。

 

民族のことだけでなく、性的な多様性も生まれました。

LGBTという言葉は子ども達でも知っているボキャブラリーの一つになりました。

 

 

 

そういう時代の流れや社会の変化に、戸惑っている人たちや、ついていけない人たちがまだまだこの国にはいて、それに嫌悪感を持つと、コンサバよりになります。

 

「こんなヤツら(少数派)はアメリカにはいらない」

「俺たち(白人)が牛耳っていたアメリカを取り戻そう」

 

そういう過激な思想を持つ人が、トランプの応援を熱心にしているわけです。

誤解しないで欲しいのですが、私はトランプを嫌っているわけではありません。彼の昔のテレビ番組、Apprenticeのファンだったし、彼のビジネスマンとしての資質はやはり見ていて面白いものがある。

ただ、彼が立候補したときから私が持っていた疑問、「だからこそ、どうして今、(わざわざ)大統領なのか?」という個人的な質問に、彼はまだ答えてくれていません。その答えが「マイノリティ批判」というものだとしたら、やっぱり私は彼を支持できないな、と思うのです。

 

 

 

同時に、マイノリティの地位を確立したものにしようとしているのがリベラル派。候補者ではヒラリー・クリントンになります。

 

女性

非白人

LGBT

 

などなど、「ヘテロセクシュアルの白人男性」というカテゴリーに入らない人たちが多く支持しています。

 

彼ら・彼女らは自分たちの市民権を擁護するヒラリーやバーニー・サンダースを熱心に支持し、政治的なサポートを要求しています。

(色々と問題もある)Affirmative Actionだとか、新しい婚姻制度だとか、様々な変化を要求しているわけです。

 

 

もちろん、トランプとヒラリーの間には、これ以外の違いもたくさんあって、それを理由に投票する人もたくさんいるわけですが、私が「2016年はアメリカの歴史を変える年」だと思う理由は、今回の選挙は、やはりこのアメリカという国のパーソナリティを決める選挙になると思うからです。

ヒラリーを支える、これまでのマイノリティ人口が、マジョリティ(大多数)になることができるのか?というのが見ものなわけですね。

 

私自身を振り返ってみると、ヒラリーに投票しない理由はありません。

女性・非白人、LGBTをサポートという観点からも、「まぁ、ヒラリーだよね」という感じでしょう。(確実ではないですけど)

 

周りを見てみても、確実にヒラリー当選だろうな、と思うのですが、ちょっとここで考えてみてください。

 

私の周りにいる日本人女性の友人たち、投票権を持っている人はどれだけいるでしょうか?

このブログを読んでいるアメリカ在住のあなたは、今回の選挙で投票できますか?

投票権を持っているというのはつまり、アメリカ市民ということ。

 

ほとんど持ってませんよね。

 

これが良い悪いということではないのですが、日本人女性たちに限らず、この国に住んでいる外国人、つまりはポテンシャルとしてのヒラリーサポーターのほとんどは、アメリカ市民ではなく、グリーンカードホルダーであり、投票権を持っていないわけです。

 

これがリベラル派が苦労するところ。

人口的には多くても、投票できないんです。

 

こう見ると、アメリカ市民権について考えさせられませんか?

自分の一票が、外国人やマイノリティに対して寛容な国になるきっかけになるかもしれない、と思ったら。

 

私の周りの外国人は、アメリカの銃社会も嫌いだし、人種差別も嫌いだし、一握りの金持ちが搾取する社会にも反対するはず。

 

だけど、市民になってまで投票はしない。それを変えるという行動は起こさない。

 

 

私は投票します。

 

アメリカで生きているから。

 

反対票を入れなかったおかげで、銃社会が蔓延し、子ども達がその被害に遭ってほしくないから。

自分の子どもたちには、差別のないアメリカで育ってほしいから。

 

 

この国を変えるきっかけになれるのなら、アメリカ市民として投票します。

小さい一票かもしれないけど、まずはこの先4年間のアメリカを好きでいるために。

 

 

 

 

最後に、とても興味深い記事を見つけたので紹介します。

 

As a gay woman, I don’t feel safe in America right now. So I bought a gun.

「私は同性愛者の女性として、今日のアメリカで身の安全を感じません。だから銃を買いました。」

 

今回、フロリダ州オーランドで起こった銃撃事件をもとに書かれた記事です。

49人を殺害し、自殺した容疑者のOmar Mateenは、イスラム教徒であり同性愛者でもありました。結婚もしていました。そういう様々なバックグラウンドやアイデンティティが複雑に絡まり、そこに昨今の同性愛者への厳しい批判も募って起こった事件です。

 

このパラグラフが、かなり的を得ていると思うので紹介します。

 

I believe Omar Mateen is the manifestation of 2016 America. He is a product of conservative, fear-based rhetoric. He is a product of toxic masculinity pushed on him by our society. I believe Omar Mateen is a genuine representation of the broken American male. And I believe there are many, many more Omar Mateens out there.

 

Omar Mateen(容疑者)は、2016年のアメリカを具現化したものであると思う。彼は、コンサーバティブで、恐怖心をもとにした表現物だ。彼は、この社会における、有毒な男性像を押し付けられて出来上がった産物だ。Omar Mateenは、この壊れたアメリカ社会をとてもまっすぐに表したものであろう。そしてこの国には、同じようなOmar Mateenがたくさんたくさんいるはずだ。

 

 

 

「これが原因だ」とシンプルに結論付けることができない犯罪であり、しかし、誰もがわかるのは、今日のアメリカという社会では、息苦しく感じている人間が、これほど悲惨な事件を起こしうるのだということ。

 

銃弾ではなく、フレンドリーな”Hello.”や、”I understand.”をシェアできる人がこの国に増えることを願って。

私たちの子ども達が、こんな人間の醜さに辟易しなくて良い社会になるように。

 

 

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

4 Responses to “2016年、激動のアメリカ”

  1. avatar

    りょうこ

    わかりますー。オバマさんが大統領になった前回の選挙のとき、この歴史的な選挙に参加できないのはもどかしかったです〜。
    今回も。
    でも日本が好きなんですよね〜。日本から離れられない。往生際悪いけど(笑)日本、二重国籍認めてくれればいいのに。でも無理でしょうね。少しでも私の声が反映するようにと願って日本の選挙には投票してまーす。
    内容チェック細かくて申し訳ないのだけどおせっかいおばちゃんなので。。言っちゃいます。Omarが同性愛者っていうのはタイポかな?

  2. avatar

    Erina

    りょうこさん、こんにちは。
    日本の国籍をなくすっていうのは確かに大きな決断ですよね。
    りょうこさんは日本にはよく帰られますか?

    あ、Omarが同性愛者っていうのはニュースでも言ってましたよね?
    高校の同級生が「たぶん当時からそうだった」って言ってたし、パルスでも顔なじみだったそうですよ。
    それにも関わらず、彼の宗教が同性愛を許していなかったので女性と結婚したんですよね。それが苦痛だったんじゃないか?というのがこの記事の筆者の感想だと思います。

  3. avatar

    りょうこ

    おぉ!そうなんですか!Erinaさんのブログほんと勉強になります!こうやって同性愛者を攻撃する男性って往々にして自分の中の同性愛者的な所を認めたくなくって葛藤してるかもって感じます。

  4. avatar

    Erina

    いえいえ、どしどしコメント、ツッコミください!笑
    間違ってることは書きたくないのでw

    でも本当、ヘテロセクシャルの女性が同性愛者の女性に対して嫌悪感、ってあまり聞かないけど、ヘテロセクシャルの男性が同性愛者の男性に対してもつ嫌悪感ってすごいときありますよね。
    なんでそこまで嫌うの?!って理解の域を超えるというか。あれって自分の中にもそういう部分があるからなんでしょうか?
    人として好き、っていう博愛精神を忘れないで欲しいなぁ。あとは誰が恋愛対象かなんて、他人から見てどうだって良いことだろうし。嫌ですね、こういう醜い感情。

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