
アメリカ留学に本当に必要なもの
こんにちは、Erinaです。
このブログは、高校卒業と同時に、アメリカ留学を考えている方たちもたくさん読みにきてくれます。
私自身の体験が、少しでも誰かの参考になることはとても嬉しいことですし、十数年前の自分と同じ希望を持ってアメリカに渡る若い日本人のことを考えると、応援したい気持ちが溢れてきます。
今日は、私自身の体験を通して感じた、アメリカ留学に本当に必要なものを書いてみたいと思います。
「高校卒業後は、アメリカに留学します。」
と志望進路を提出した後の休み時間、担任に「あ~、○○さん、ちょっとおいで。」と呼ばれ、職員室で「アメリカ留学ってどういうことね?」と聞かれる。
親にアメリカ留学の相談をすると、「何を考えてるの?!」とちょっとヒステリックにさせてしまう。
現代は留学がそれほどまれじゃなくても、日本の進学校では典型的な「日本の大学進学」以外の道を進もうとすると、レッドフラッグが挙がるようです。
そこで、日本の大学進学希望者なら聞かれないような質問が待ち受けています。
「アメリカで何を勉強するの?」
「アメリカに行って、何をしたいの?」
「仕事はどうするの?」
「卒業後は日本に帰ってくるの?」
「留学は就職のハンデになるよ?」
(果ては「失敗したらどうするの?」なんて失礼な質問まで)
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
え~っと・・・・そこまで考えてないんだけどな・・・。
というのが本音でしょう。
てか、17~18歳で、やったこともない行ったこともないアメリカ留学にそこまで明確な将来設計があるほうがおかしいです。
私の高校時代はテニスばかりやっていて、「とりあえず書いておくか」くらいで日本の大学志望校をリストアップしていました。それくらい「自分の将来」についてはっきりとしたものは何もなかったのです。
日本で浪人時代を経て、海外生活経験のなかった私が、今に至る流れは以下の通り。
やりたい勉強は生物工学
↓↓↓
アメリカの大学をリサーチ
↓↓↓
生物工学で有名な学校は「UC San Diego」らしい
↓↓↓
じゃあサンディエゴのコミカレに行こう
という感じで、サンディエゴにやってきたわけです。
当時のサンディエゴは、日本では今ほど知名度が全くなく、私も知りませんでした。
しかし縁とは奇妙なもので、今ではこの町に住んで11年、結婚して子供も二人生まれました。就職氷河期にも関わらず、大学卒業後も就職先は無事に見つかり、しかも生物工学とは全く関係のない仕事をしています。
おそらく、留学経験のない日本人のオトナたち(親や先生)は、「留学とはどんなものか」を知らないので、情報をできるだけ多く得たいと思っています。
私が留学を決めたとき、エージェントの方に言われたことがあります。
「知らないと、怖いからね。」
周りのオトナは、留学やアメリカについての情報を充分に持っていない場合、
「知らない」=「危ない」
と考えがちです。特に最近のメディアを見ていれば、アメリカについてネガティブな情報しか日本には入ってきませんしね。
これは人間として、そして責任あるオトナとして当然の感覚なのですが、それを、「相手は17~18歳」という年齢を考慮しないと、上のような無理難題を問いかけてしまうものです。
ではでは、留学を考えている若いみなさんは、何を掲げて「アメリカ留学したい!」と主張したら良いのでしょうか。
それは「エネルギー」と「覚悟」です。
精神論で申し訳ないですが(笑)、たかだか17, 18年生きてきたくらいで、初めての留学生活に関して、先立つものは何一つないのは現実です。
しかし、アメリカ留学には、想像もできない様々なことが起こるのも事実。
ホームシック?
言葉の壁?
カルチャーショック?
そんな簡単な言葉で括れるものばかりじゃありません。
挫折、孤独、差別、理不尽、不公平、大人の事情、政治、金銭・・・・もう想像を絶する世界です。
どれも日本で体験してきたものよりスケールが違うでしょう。(留学を体験した方たちは今、ウンウンとうなずいているはず)
もうビビッてますか?
いやいや、まだまだです。
留学したら、誰でも泣きます。
辛くて悔しくて情けなくて恥ずかしくて惨めで、どうしようもなく自分が弱くて小さい人間のように思える日が、誰にでもあります。
もう何もかも捨てて、日本に帰りたくなるでしょう。日本で大学生活を満喫している同級生たちをうらやましく思うかもしれません。
でも。
でも、ですよ。
じゃあどうしてみんな留学するのか?
理由は、そこに、それ以上のReward(報酬)があるからです。辛くても、みんなそれを手に入れるために、必死になります。
その得られるものが何なのか、それは人によるでしょう。
達成感
自信
自立心
人とのつながり
金銭的報酬
名誉や地位
形になるものもあれば、ならないものもあります。
18歳のあなたがアメリカ留学を経て、そこにたどり着くのに必要なものが、「エネルギー」と「覚悟」なのです。
私は、渡米したとき、自分の中で決めていたことがありました。
それは、
「アメリカで成功するまでは絶対に日本に帰らない。」
今思うと、「成功」って実際にどういうこと?と自分に疑問ですが(笑)、自分の中での「成功」ですからはっきりした定義はありません。この覚悟は、留学中に辛かったとき、自分を励ますことになったのです。
そして、何でもやってみるエネルギー。誰かに「こうしてみたら?」とアドバイスをもらったら、私はまず体が動いていました。「あなたは自分とは違うか ら・・・。」とか「ちょっと違う気がする・・・。」なんてためらうことなく、良かれと思って教えてもらったことはとにかく実行です。
それが自分に合うかどうかは、やってから決めれば良いだけのこと。
こうやって日本から掲げてきた覚悟と、若いエネルギーを持って、色々なことを乗り越えたとき、あなたは日本では想像できなかったくらい成長しているはずです。
それは英会話力とか、学位とか、仕事とか、そんな表面的なものだけではありません。
私は、日本とアメリカという二つの国を知ることで、自分のアイデンティティとやるべきこと、人間はどこからやってきたのかという理解、そして弱い自分に負け ない強さを得られました。苦労して何かを成し遂げたとき、「やった~!!」と大声を上げて叫んだ経験は、何事にも替えられないものです。
それをこれからどう社会に役立てられるかはまだわからないけれど、私は日本で感じていたような、常に切迫した感覚とか、焦燥感とか、走ってるけど何に向かっているかわからない感覚とか、そういうものは今は全くありません。
これは私の個人的なアメリカという国との相性かもしれないし、留学という体験の成果なのかはわかりませんが。
「若いときの苦労は買ってでもしろ。」
信心深かった亡くなった祖母に、よく言われた言葉でした。そしてこの言葉は、留学にピッタリだと私は思っています。
It’s all about you, nobody else.