アメリカの「コモン・コア」とは

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こんにちは、Erinaです。

 

アメリカと日本の学校システムで大きく異なる部分が、「カリキュラム」にあります。

とは言っても、カリキュラムの内容ということではなく、「どうやってカリキュラムが組まれるか」という成り立ちの部分です。

 

これはやはり、アメリカは「州」による統治権が強く、同じアメリカ国内でも州が変われば様々な法律やルールが大きく異なり、それは教育現場でも見られることです。

 

日本では文科省が決めた全国統一のカリキュラムに沿って各出版社が教科書を作り、各自治体や教育委員会が使用する教科書を選ぶようですが、アメリカではそのような全国統一カリキュラムというものがありませんでした。つまり、ここカリフォルニアの9年生の数学と、フロリダの9年生の数学が全く同じように教えられているかというと、そうとは限らないということです。

 

ではでは、実際にどんなカリキュラムになっているのか見てみる前に、今日は、その根底となるスタンダード(基準)について書いてみます。

 

最近の話題によく挙がるのが、「コモン・コア」ですね。

聞いたことがある方は多いはず。

 

コモン・コアは、国語 (English Language Arts)と算数・数学 (Mathematics) の2科目が対象で、この動画がその成り立ちをわかりやすく説明しています。

 

 

 

これはもともと、Common Core State Standards (CCSS) の略称で、2010年、各州の教育専門家達が集まり、「全米で統一された基準(スタンダード)を作ろう」と決めました。

このコモン・コアには強制執行力はなく、各州がそれを取り入れるかどうかは自主的な判断に任されました。コモン・コアを拒否した州はアラスカ州、ネブラスカ州、テキサス州、フロリダ州、ヴァージニア州。それ以外の州は何らかの方法で導入されることになりました。なので、これまで全米で統一されたカリキュラムはなかったものの、コモン・コアのおかげである程度は足並みが揃うことになります。

 

しかしこのコモン・コア、あくまで「スタンダード(基準)」であり、カリキュラムではありません。が、コモン・コアの話をしないと、次に進めないので、まずはここから始めましょう。

 

スタンダードというのは、「各学年の修了時点で、これができるべきですよ」という学力到達度 (academic expectation) のリストのこと。つまり、「そのためには教師はこう教えるべきですよ」という具体的なカリキュラムではないわけですね。

コモン・コア導入時に、かなりの混乱を招いたのはそのせいで、「具体的にどう教えるか」と教育現場が戸惑ったようですが、最近ではそれも落ち着いてきて、生徒も先生達も新しい数学カリキュラムに慣れてきた印象です。

 

 

では具体的にカリフォルニア州の6年生数学のコモン・コア・スタンダードを見てみましょう。

 

 

Ratios and Proportional Relationships(比と比例関係)

  • Understand ratio concepts and use ratio reasoning to solve problems.(比の概念を理解し、問題を解くのに利用することができる。)

 

The Number System(数のシステム)

  • Apply and extend previous understandings of multiplication and division to divide fractions by fractions.(前年までに履修した、かけ算とわり算を利用し、分数÷分数のわり算に応用できる。)
  • Compute fluently with multi-digit numbers and find common factors and multiples.(2桁以上の数の計算を手早くでき、公約数と公倍数を見つけることができる。)
  • Apply and extend previous understanding of numbers to the system of rational numbers.(前年までに履修した、数のシステムを利用し、有理数を理解することができる。)

 

Expressions and Equations(文字式とその表現)

  • Apply and extend previous understandings of arithmetic to algebraic expressions.(これまでの計算理念を利用し、文字式にすることができる。)
  • Reason about and solve one-variable equations and inequalities.(変数が一つの等式と不等式を理解・説明することができる。)
  • Represent and analyze quantitative relationships between dependent and independent variables.(独立変数と従属変数の関係を理解し、分析・表現することができる。)

 

Geometry(幾何学)

  • Solve real-world and mathematical problems involving area, surface area, and volume.(面積、表面積、体積の概念を、現実的かつ数学的な問題に応用することができる。)

 

Statistics and Probability(統計と確率)

  • Develop understanding of statistical variability.(統計学的な変動性について理解し始めることができる。)
  • Summarize and describe distributions.(様々な分布を要約・表現することができる。)

 

・・・と、たぶん算数・数学を教えたことのない方にとっては、「何これ?」って感じだと思いますが(笑)、コモン・コアというのはこういう数学的スキルの項目がリストアップされただけのもの、ということです。

 

 

じゃあ次は国語。

 

国語(英語では”English Language Art/ELA”と呼ばれます)は

  • Reading(読解)
  • Writing(作文)
  • Speaking/Listening(話す・聞く)
  • Language(言語)

の4つの大きな柱に分けられていて、その中でまた以下のように細分化されています。

 

Reading

  • Literature(文学)
  • Informational text(ノンフィクション)

 

Writing

  • Arguments(議論的文章)
  • Explanatory/informational(説明文)
  • Narrative(ストーリー)

 

Speaking/Listening

  • Comprehension/collaboration(理解と協力)
  • Presentation of knowledge and ideas(知識やアイディアのプレゼンテーション)

 

Language

  • Conventions of standard English(英語の使い方)
  • Knowledge of Language(言語への知識)
  • Vocabulary acquisition and use(ボキャブラリーの習得と使用)

 

となっていて、それぞれの項目でどんなことが達成できるべきかというのは大変すぎるのでここでは省きます。笑

興味のある方は以下のリンクで読むことができますので、どうぞ覗いてみてください。左側に目次を出せると対象学年のページにとぶことができます。

 

国語のコモン・コア・スタンダード

数学のコモン・コア・スタンダード

 

次回は、これを踏まえて、”Traditional”, “Integrated Math”, “CPM”のようなアメリカ中高の数学カリキュラムについて書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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About Erina

こんにちは、Erinaです。 日本で一浪した後、2002年に留学生として渡米しました。ESLとコミュニティカレッジを経て、4年制大学に編入。高校時代は大嫌いだった数学が大学で大好きになり、応用数学専攻で卒業。金融アナリストインターン、IT企業でデータアナリスト、銀行で不動産アナリストを経て、現在、キャリアチェンジの真っ最中。アメリカの高校で数学教師になるために、2016年夏に脱サラ。久しぶりの勉強と主婦業に専念しています。二人の小学生のママです。趣味は読書・ヨガ・テニス・ゴルフ・DIY・庭仕事で、最近の一番の楽しみは子育てです。 アメリカに住む日本人女性を応援したくてこのブログを始めました。

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