エンパワメントとは今あるものを否定することではない

こんにちは、Erinaです。

 

Empowerment(エンパワメント)の意味は英語で、

 

“authority or power given to someone to do something.”

 

日本語では「何かをするために力(または権限)を与える」という感じでしょうか。

 

グーグル辞書を見てみると、この単語が頻繁に使われるようになったのは80〜90年代頃からで、やはり欧米社会の女性進出がきっかけになっているのでしょうか。

 

 

最近では日本のメディアでもこの単語を見かけるようになり、それはやはり日本社会にある性差別をなくす動きと関係しているようです。

 

今日は、この言葉の使われ方と、それにまつわる個人の意識について書いてみようと思います。

 

 

まず、この言葉の構造について考えてみます。

 

“power” は名詞で「パワー」「力」だという言葉はお馴染みだと思います。何か重いものを動かすという物理的なパワーもそうだし、人を動かす権力とか権威という非物理的なパワーでもあります。

そういうパワーが溢れていることを示すために、パワフルという形容詞も使われて、これも日本語にかなり馴染んでいる英単語です。

 

それに比べると、”empower” という言葉は日本語ではそれほど浸透していません。

 

“en”など”em”のように単語の頭についてその言葉の意味を変えるものを “prefix” と言います。

en/em がつくと単語はどうなるかというと、その状態にさせるとか、それを与えるという感じです。

 

たとえば、”em” + “power” なら、”give power” となり、”empower” はパワーを与える、という意味です。

 

他には、

 

em+ body = embody: become a part of body(ボディの一部になる)

en + able = enable: give ability to do something(能力を与える)

en + danger = endanger: put something in danger(危険にさらす)

en + large = enlarge: make something larger(巨大化する)

 

などがよく聞く言葉でしょうか。

 

 

とちょっと話がずれたので戻しましょう。

 

そんなわけで、empowerment とは自然発生するものではなく、そこにそうしようという意思と意図があって始まるものであり、他者に影響を与えることを想定しています。

 

 

で、今日の本題。

実際にどんなアクションや言動がエンパワメントなのか考えてみます。

 

特にこの言葉がよく使われているのは、日本の性差別。

もちろん男女差別自体はもう何十年もあって、この記事でも書いたように、私自身、それが嫌で日本を出たというのもあります。

最近では日本でも、それに声をあげる日本人女性が増えてきたこと、その声を支持する男性も出てきたことから、やはり日本は何かしらの変化を起こさざるを得ない時期になってきているのは確かです。

 

しかし、その「声」をあげるときに、このエンパワメントの本来の意味を知っているかどうかで、影響の仕方が変わってくるのではないかな、と私は思うのです。

 

そこで今日のタイトル。

 

「エンパワメントとは、今あるものを否定することではない」

 

Empowerment is not to condemn or to criticize the present.

 

つまり、

 

「男性の子育て協力が足りない」

「男性上司の理解が足りない」

「女性同士の結託が弱い」

「女性への寛容さがない」

 

と、自分ではない誰かを指差して責めることではない、ということです。It’s not about pointing a finger.

 

というのも、「あの人が悪い」と誰かを指差しているうちは、それが延々と巡り巡って、何の解決にもならないからです。

 

じゃあ、どうしたら良いか。

 

やはりここは「問題解決の意識」が必要で、

 

男性の子育て協力が足りない→プレパパ専門の子育て教室を開催しよう

男性上司の理解が足りない→子育て経験をシェアする社内セミナーを計画しよう

女性同士の結託が弱い→社内でママネットワークを作ろう

女性への寛容さがない→まずは自分の旦那と息子から教育しよう

 

などなど、次のアクションへつながる意識改革が必要なわけです。

 

こうすることで、「男性の子育て協力が足りない」という受動的な不平不満から、「プレパパ向けの子育て教室ではどんなことを伝えれば良いか?」という能動的な選択肢につながるわけで、これこそが「パワー」なのです。

 

こういうものの見方ができるようになると、自分の目は後ろや周りではなく、前を見ていることに気がつきます。それがまずは最初の一歩。

そして必要なことがわかってくると、今までに言い訳にしていた色々なことがどうでもよくなってくるというか、「とりあえずやってみてから、どう思うか教えて」という気持ちになってきます。

最終的に、こういう人間の姿勢というのはやはりポジティブに他人に影響していきます。ネガティブに「これはダメだよね〜」と不満を言い合える仲間が集まるのではなく、「これはこうしたほうがいい」と客観的に改善策を判断してくれる人が集まってくる。

 

そう考えると、やはり何もかもが自分次第であり、本来の意味でのエンパワメントを目指す時、どんな気持ちでいられるかがキーになるわけですね。

 

今あるものを否定したり、不平不満をいうことのほうが、ずーっと簡単で楽なんです。同調してくれる人もたくさんいるし、それで満足しちゃえる。

だけど、何も生み出しません。

 

本当の本当に、何かを変えたいなら、やはり前を向くしかない。

後ろに解決策は落ちてないから、自分で作り出すしかないんです。

 

頑張りましょう。

まだまだ、これから。

 

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