カネなし、コネなし、経験なし
私が留学生のころ、アメリカで就職したいと思ったときに引っかかっていたのはこの3つ。
カネなし、コネなし、経験なし。
さぁ、どうしよう?
日本でアルバイトの経験もない私は、きっと周りのアメリカ人学生に比べたら、一歩も二歩も、いや、100歩くらい遅れを取っているに違いない・・・。という気持ちでした。
コミカレからSDSUに編入して、最初にとった”IDS”(Information Decision Systems)というビジネスライティング系のクラスがありました。
このクラスの最初の課題は「レジュメ」。
ビジネス専攻の学生たちは、2年次にとったビジネスコミュニケーションというクラスでレジュメについて勉強済みですが、同じ頃に数学しか勉強してこなかった私は、どこから始めていいのかわかりません。
私はレジュメが何たるかもさっぱりわからず、最初にこの課題にもらったグレードはDでした。添削してくれた教授の手書きの文字も読めない・・・笑
「フム。これはまずい。どうしよう?」
と思って、最初に相談したのは、ホストファミリーの娘ケリー。
彼女は若い頃からアルバイトもたくさんしたり、様々な団体での活動の経験もあるので、とっても華やかなレジュメの持ち主です。
「レジュメってどうやって書くの?」
と聞くと、まずは彼女のレジュメを見せてくれました。
そこには、自分の強みを客観的に述べた文章、それを生かした経験、学校での経験などが書かれていました。
「なるほどね~、こういうことを書くのか。」
少し理解した私は課題を再提出。
「ビジネス専攻じゃないから、今まではレジュメの書き方がわからなかった。」と教授に説明すると、再び添削してくれて、結果Bをもらいました。
それから、アメリカで仕事をしている社会人に会うたびに、どんな仕事をしているのか話を聞くようになりました。
うちの旦那の元学生たちは、社会人としては大先輩で、同じ専攻をしていた人に質問をしたり、とにかくどこからどうやって今の仕事にたどり着いたのか、話を聞きました。
足がかりとなるものを探していた頃、旦那との結婚で永住権をもらいました。
それでも、カネなし、コネなし、経験なしには変わりません。(ちなみにうちの旦那はシニアですので、一生養ってもらうというチョイスはありません。笑)
「とにかくどこかから始めなきゃ・・・」
まずは書き上げたレジュメを使って、仕事探しを始めよう。
そう思って、向かった先は学校の図書館。
とにかく興味のある仕事にアプライします。
新卒、特に留学生としてやってきた外国人学生は、アメリカで先立つものがありません。「ネットワーク」と呼ばれるコネも、仕事がもらえるようなものではないでしょう。
やはりある程度、社会人として経験を積んだりして、自分のできることややってきたことを具体的に、かつスペシフィックに伝えて自分を売ることができる人向けです。
「私はA社で、Bという職種でした。Cというプロジェクトに関わり、こういう結果を出しました。Dさんと一緒に働いて、こんなこともやりました。なので、Eみたいな仕事を探しています。」
という感じですね。
ただ、新卒の学生でこれができる人はかなりレア。
逆に言えば、学生にとって「なんにでもなれる」というのは強み以外の何者でもないのです。(逆転の発想をして、とにかくポジティブに!)
そう感じた私は、
「下手な鉄砲、数うちゃあたるだ!」
と思い、とにかく数で勝負することにしました。
Monster.com やcareerbuilder.comで応募した仕事の数は、軽く100を超えていたでしょう。”business”, “finance”, “analyst”, “operation”, “project”なんかをキーワードに検索しては、経験が少ない、または”new grads”(新卒)と呼ばれるポジションにアプライしました。
また、地元の中小企業を電話帳で調べ、レジュメをプリントアウトし「インターンをやりたいです」と直接、手渡ししました。
当時はそれほど「メールでやってください」と断られることもなく、「今はインターンを雇ってないけど、もし空きが出たら連絡するよ」と受け取ってくれました。
レジュメは無職の人にとってビジネスカード (名刺)みたいなものですから、とにかくばらまいたもの勝ちです。どこで誰の目に留まるかわかりません。
それからいくつか面接の連絡が入り、面接官たちと会って話をすることで、世の中にはどんな仕事があるのかを知る良い機会になりました。保険のセールス、ファイナンシャルアドバイザー見習い、不動産エージェント見習い、ベンチャー企業CFOのアシスタントなど。
面接も5,6個くらい行った頃にはそれが良い体験になり、今では面接が楽しみなくらいです。(ってそんなにやる機会もないけれども)
その中で結局、自分がやりたいと思えたのはリタイヤメントプラニングのキャッシュフロー分析のインターン。
この会社は、従業員30名くらいの小さい企業で、社長は同じくSDSU卒業生でした。従業員の多くは”Caller”と呼ばれる、クライアントに電話をかける人たち。一日中、電話の呼び出し音が鳴り響きます。
私はその部屋の裏で、「プランルーム」と呼ばれるチームでパソコンと向き合ってキャッシュフローの分析をしました。このインターンで学んだことは、「アメリカの企業はどう機能しているのか」、「どんな人たちがどんな仕事をしているのか」ということでした。
お給料は最低賃金でしたが、そんなことよりも、新しい仕事を覚えることや、人と一緒に働いたり、他の社会人たちの話を聞くことがとても楽しい一年間でした。
卒業前になって、新卒として仕事を探していた頃も、キャリアフェアや説明会に行っては情報を集めました。
このときも、とにかく数で勝負。そこで引っかかったのが第一希望だった、アメリカの分析会社でした。
私は幸運なことに、アメリカ人旦那との結婚のおかげで、ビザについての心配をしなくてよかったので、一般の留学生に比べて超えてきたハードルは少ないかもしれません。
外国人として、”Get in the game.”「ゲーム(社会)に参加する」という最初のステップはやはり高いものですが、いったん入ってしまえばこっちのものです。それにはやはり、自分 からリミットを作ってしまわないことがキーかと思いますので、悔いの残らないよう、がんばってください。