大企業か、それとも中小企業か
こんにちは、Erinaです。
またまたアメリカでの仕事に関連した記事を書こうと思います。
みなさんは、「大企業」というと、どんなことを連想しますか?
- 日本を代表する大企業の名前
- 世界的に有名な大企業の名前
- カッコイイ
- 安定している
- 給料が高い・・・
なんて感じでしょうか?
では、「中小企業」というと、どんなことを連想しますか?
- 自由
- 忙しそう
- 不安定
- 給料が安い・・・
なんて感じでしょうか。
でも、これって真実なのでしょうか?
どう思います?
今日は、私が3社のアメリカ企業で働いて、感じたことや人と話して学んだことをちょっと書いてみようと思います。
「大企業」とか「中小企業」の言葉の定義としては、総資本額や従業員数、登記手段などで細かく区別されていますが、これらは日米でも定義が違うので、ここでは使いません。
その代わり、一般的な「あぁ、あそこは大企業だね。」とか「うちは中小企業だよ。」という主観的な判断での違いです。
一社目(インターン時代):超小企業
私が学生時代にインターンとして働いた会社は、社員約30名の超小企業。社長は40代のSDSUアルムナイ(卒業生)のジョン。インターンの私が「ジョン」と呼べるくらい、社長との距離は近かったです。
彼はビジネスパートナーと会社を立ち上げ、私がジョインしたのはおそらく、ビジネスが軌道に乗り始めたところでした。
社内には、何人か「キー」となる社員がおり、細かいことは彼ら・彼女らの裁量でそれぞれのチームを引っ張っていく感じ。日本で言う「ベンチャー企業」は、英語で”Start Up”(スタートアップ)と呼ばれますが、それよりはもうちょっと進んだ段階でした。
そんな超小企業で働いて感じたことは・・・
- 会社という場所はどう機能するのかを学べる。
- トップマネジメントの戦略や決断の影響が、学生ながらもよく見える。
- 仕事の流れの透明性が高い。誰が何をやったらAが起こり、誰がAをBにし、私がBをCにすると、CがDになってお客さんにたどり着く、というプロセスが見えやすい。
- 学生インターンの給料は最低賃金。
- アメリカ企業で働く体験や、アメリカの社会人と触れ合う体験がとても価値あるものだった。
二社目(新卒時代):大企業
私が新卒で仕事をしたのは、大企業のカテゴリーに入る企業。当時は社員が3,000名くらいいたと思います。会社名よりも商品名のほうが知名度が高く、そちらの名前を出せば知らない人はいないくらいです。
HQ(ヘッドクオーター:本社)はミネソタ州ミネアポリスでしたが、オフィスはロンドン、東京、ブラジル、中国など世界中にありました。
インターナショナルな電話会議をするために、変な時間に出社することもありました。社長の姿を見ることは、年に一、二回で、クオーター(四半期)ごとの会社のパフォーマンス報告は電話会議で行われます。
そんな大企業で働いて感じたことは・・・
- 「誰が何をやる」という役割がとてもはっきりしていて、その範疇を超えることは「全く知らない」か「全く興味がない」。
- ボーダーラインがはっきりしているのを好む人が多くて、そういう働き方をするのは、特にアジア系に多い。「そこをさ、もうちょっとこうやっていくのはどう?」って言う人は、煙たがられることも。
- 仕事の流れは縦割り構造で、プロジェクト以外では、横のつながりはほとんどない。
- 社内での透明性は低く(“less transparency”なんて言われますね)、トップの決断が社内に浸透するまでに時間がかかる。
- “politics”と言われるような「派閥」がある。これが仕事に影響してくると、仕事の効率は下がり、成長がスローダウン。
- 給料やベネフィットは手厚い。景気にも左右されますが、福利厚生と初任給は、平均より上。
- 良いレジュメビルダー(レジュメに箔がついた)になる。
- 「安定」という意味ではその保証は全くなし。アメリカ企業では、レイオフというシビアな現実が常にあり、「企業のサイズ=安定度」という等式は存在しないから。
- むしろ、レイオフが起これば部署ごとバッサリ切られるという意味では、大企業のほうがリスクが大きい。
三社目(現在):中企業
一年半の育児休暇後、フルタイムで復帰したのは地元のコミュニティバンク。
HQはLAにありますが、M&A(吸収合併)を繰り返しているので、運営のベースはサンディエゴにあります。私がジョインした3年前は社員が700名くらいでしたが、先月の大きな合併で1,500名を超えました。
ここでは、色々なものが一社目と二社目のちょうど真ん中くらいです。
仕事を効率よくするために必要なシステムを用意するのに小さすぎず、派閥に影響されるほどは大きくない規模です。
で、ここで感じることはというと・・・
- ある程度の枠組みはあるけれども、ボーダーラインはそれほどかっちりとしていなく、必要に応じて適切な人が仕事を任さる。(これはボスによるのかな・・・)
- 自分のアンテナの張り方しだいで、チームへの貢献を増やしていけるし、他のチームと仕事をする機会も作れる。
- また、人数が少ないぶん、一人がカバーすることが多いので幅広い経験ができる。
- 「自分はこれしかやりません!」という人はいなくて、「仕事を終わらせるためならなんでもやるわ!」って人が多い。「言われたらやる」という受け身の人は、いつまでも仕事が増えない→能力を発揮する機会を増やせないように思える。
- 中小企業にもレイオフはある。銀行はM&Aを繰り返して大きくなるのですが、それが起こるたび、レイオフされることも。
- 場合によっては別部署に異動させることでレイオフを逃れたり、新しい吸収先に取り込まれたりという「交渉」が起こる。そういう「柔軟性」があるのは中小企業ならでは。
- 給料やベネフィットは、平均レベル。多少、物足りなさは感じますが、私だけじゃなくて全体的にそうなので、特に不満にはなっていません。
こんなことを踏まえて、先日、同業種の先輩・アレックスに相談しました。
私:「ねぇアレックス。中小企業と大企業、どうやって選んだの?両方で働いたよね?」
アレックス:「う~ん、難しいね。僕の今のところ(某Q社)はやっぱり政治的なこととかすごいあるよ。でも給料とかではやっぱり・・・・ね。」
私:「そうだよね。」
アレックス:「でも、経験っていう意味では、中小企業は断然強いと思うよ。」
私:「そうなんだ。」
アレックス:「うん、中小企業で得られるものは大きいと思う。だからまずは中小企業で頑張って、『もうこれ以上、ここでは成長できない』ってなったら大企業に移ったら?」
私:「なるほどね。それは良い考えかも。」
アレックス:「若いときに色々な経験をしておいて、年齢が上がったときにシニアマネジメントっていうケースは多いよ。」
私:「へぇ~、そうなんだ。ありがとう。」
これからのことを考えるのに、とても良い機会になりました。
アメリカでは、転職を繰り返してキャリアアップ、ステップアップするというのが当たり前です。
その間に、大企業も中小企業も経て、様々な経験をするというのが強い人材になるようです。
さぁ、私も頑張ろうっと。