
同僚の第一子誕生に(うちの旦那が)思うこと
こんにちは、Erinaです。
先日、うちの旦那の同僚ジョシュ(仮名・37歳男性)に第一子の女の子が生まれました。
ジョシュと私たちは10年来の付き合いで、若いときからしっかりものの彼は、きっと良いパパになるだろうね、とずっと思っていました。
今回、奥さんが妊娠して、ベビーシャワーに呼んでくれたり、男同士で「パパになるための心得」を語り合ったりしていたそうですが(笑)、いよいよ出産を迎えたジョシュ夫婦。
出産のちょうど2週間前にうちでのディナーに招待し、男性目線での「妊娠と出産」の話を聞いていると、それはまた面白いものでした。
まず、「妊娠と出産」と聞くと、女性が主役、ママとベビーのためのもの、と考えがちです。やはり自分自身が女性だし、話のフォーカスも女性がメインについなってしまいます。
しかし、アメリカでは両親学級やチェックアップでもパパを含めるように、そこには必ず「男性」がいることも忘れてはならないと思うのです。
私が最後に妊娠したのはもう6年も前のことで、すっかり忘れてしまった部分や、美化している部分もたくさんあります。
だけれど、男性目線から見たあの時間はまたちょっと違うもので、今になってそれを自分の旦那さんから聞くというのはなかなか興味深いものがありました。
それを私たちママへのリマインダーとして書いてみます。
妊娠中:ママも大変だけど、パパも我慢や努力をしている!
つわり、体の変化、ホルモンバランス・・・妊娠後期に向けて、様々な変化にママの心も体も疲れてしまいます。
だけど、それを感じ取っているのはパパも同じだということ。
私は臨月は仰向けに寝ることができず、横向きで寝ていました。
大きくなったおなかの下には枕を一つ、腰を支えるのに後ろに一つ、抱くのに一つ、曲げた両膝の間にもう一つと、枕で囲まれて寝ていました。
うちはキングサイズベッドでしたが、それでも自分のスペースが減った旦那は、「あれは狭かった・・・。」とこぼしていました。
あ~、確かにあの時は「どうやったら寝られるか?」に一生懸命で、旦那側にどれくらいスペースが残されていたか?なんて全く考えてなかったなぁ・・・ごめんね。
妊娠のチェックアップや両親学級は、全て一緒に行ったうちの旦那。ジョシュも行ったそうです。
ドクターやナース、ドゥーラに真剣に質問をする男性たちを見て、「彼らにとっても初めてなんだな。」と思いました。
妊娠中に、男性がパパとしてできること、ベビーを理解するためにできることは限りがあります。女性が妊娠を体で実感するのに対し、男性はどうしても頭で理解するしかないからです。
そこで、「奥さんとベビーのために、僕は何ができるんだろう?」と彼らは自分なりに考えて、必要なものを揃えたり、事前準備をするのです。
出産が近くなると、ママの緊張も疲れもピークに達します。
ママは自分の体とベビーの声に耳をすませるようになります。「もう少しだね、頑張ろうね。」
このときも、パパは彼らなりに、「自分の仕事中に陣痛が来たら、どうするか?」とか、「安全に病院に連れて行けるか?」と現実的なロジスティックを考えるようになるそうです。
いよいよ出産!:立ち会うか?俺は何を目撃するのか?
両親学級で、様々な出産スタイルを学んだとしても、やはり実際にどうなるか?というのはその瞬間になってみないとわからないもの。
「自分の体に何かが起こる!」と本能的、感覚的にわかっているママとは違って、パパにとっては、これから目の前で何が起こるのか、自分が何を目撃するのか、全くもって未知なわけです。
今思えば、陣痛で苦しむ私を横目に、かなりのんきなことも言っていた旦那ですが、陣痛が強くなって受け答えできなくなると、彼も無口になっていきました。
そしていよいよ出産のとき!
うちの旦那は「俺は全部見たよ。」というのがちょっと自慢らしく、「そこまで言うなら何を見たんだろう?」と思いますが、あまり知りたくないので追求していません。
普通は、パパを奥さんのそばに立たせて、取り上げる人(ミッドワイフやドクター)側からは見えないようにしているそうですが、彼はなぜか全て見たそうです。
まぁ何を見たにしろ、その後、「ウチの奥さんはすごい。命ってすごい。」と思ってくれたらしいので、それで良いや、と思うようにしています。
出産後にジョシュに会った旦那は、こう言いました。「ジョシュも全部見たんだって。会陰縫合もしたって、君と同じだね。」
それを聞いて、「え?私そんなのしてたっけ?全然感じなかったな。」と思いました。
さすが、「全部見た」だけのことはあります。というか、男同士でそういう話をオフィスでしているのか、と思うとちょっと微笑ましいような・・・。
私:「妊娠とか出産って、ママからしたらバラ色の体験として覚えてるところが多いけど、パパからしたらもっと現実的っていうか、また違ったトーンなんだろうね。」
旦那:「そうだね。」
そう言い合って「結局、男は女のことはわからないし、女は男のことはわからないんだな」とスタートに戻ってきた感覚でした。そして、旦那の中であの出産体験がどういうストーリーで残っているのか、ちょっと気になったのです。
それでも、お互いにわかりあおうとする努力はやめないだろうし、わからないからこそきっと面白いんでしょうね。
産後:いよいよパパの出番!
自然分娩だったジョシュの奥さんは、産後2~3日で退院し、自宅に戻った様子。そこでいよいよ、新米パパの出番です。
私:「で、ジョシュに会ったんでしょ?どんな感じ?」
旦那:「うん、ボロボロだよ。(笑)」
私:「そっか。」
旦:「珍しく無精ひげだし、顔もかなり疲れてたね。」
私:「寝てないのかな。」
旦:「奥さんが産後、すごく眠たいらしい。だから昼間は家に戻って、奥さんが昼寝できるようにベビーを見てるんだって。」
私:「しばらくは2人で大変な時期だよね。」
旦:「うん。」
「そういえばウチもふらふらになって乗り越えたよなぁ・・・。」なんて思い出していました。
私が覚えているのは、娘の産後3日目くらいの写真。ベッドに横になっている旦那と娘の写真なんですが、旦那の目の下のクマがすごいこと!!(笑)
この写真を見るたびに、産後数週間の大変さを実感します。
旦:「そういえば、一日14回オムツを替えてるって。」
私:「もうプロだね。」
旦:「ウンチのにおいが耐えられないらしい。」
私:「え~、今はまだ良いでしょ。離乳食とかになって、人間のウンチのにおいのほうがきついと思うけど。」
旦:「・・・・。食事中にこのネタはやめよう。」
私:「そっちから始めたくせに。(笑)」
懐かしいなぁ。
そういう時期があったよなぁ。
と各自で反芻する夫婦。
旦:「君は良いよ、自分のオフィスで2歳児のウンチオムツを替えたことがないでしょ。」
私:「(このネタ、やめるんじゃなかったの?!)ないけど・・・普通はトイレに連れて行くもん。そこのChanging Tableを使うべきだよ。」
旦:「そんなの、大学の古い校舎の男子トイレにはついてないんだよ。」
私:「新しい校舎にはついてるんじゃない?」
旦:「ついてないよ。」
私:「それは問題だね。」
当時、午後にデイケアから子供たちをピックアップし、私が迎えに行くまで自分のオフィス(大学内)で待っていた旦那。
時にはウンチしてしまった娘のオムツを替えるのに、唯一床がカーペットだった、自分のオフィスを使っていた旦那。学生やら他の教授たちも出入りしていたはずです。
そこでオフィスメイトのジョシュがオムツ替えの場にいたこともあり、旦那は今でも「悪かったなぁ、あの時は。君の娘も連れてきて、オムツ替えてもいいからね。」とジョークにしているそうです。
こうやって今一度、昔のことを話し合っていると、同じ子供たちの子育てをしてきても、たとえ夫婦でも、見ている視点は違ったんだなと改めて感じたのです。
今さらだけど、あの時はお疲れ様、と旦那に言ってあげようと思います。
えりなさんの旦那さんも、同僚の方も素晴らしいお父さんですね。感心します。
ありがとうございます。
私の周りには、「イクメン」なんて言葉じゃ全然足りないようなパパたちが結構たくさんいて、驚きます。
父親ってこういうものなのか〜とカルチャーショックです。
妻として、母としての視点で「父親ってこうあるべき」と決めるんじゃなくて、彼らは彼らの視点があるし、やり方があるし、子育てがあるんですよね。
それに気づいた会話でした。
うちの場合は、日本勤務になってから出産したので、主人も日本の社会生活で毎日残業ばかりで、産まれた直後ですら、育児休暇を取れる雰囲気じゃありませんでした。
そのせいで、アメリカ人の主人が、ある意味日本的になり、私一人で赤ちゃんのお世話をしている!と、かなり疲れてしまった記憶があります。
(もちろん日本人でもイクメンはたくさんいると思いますが!)
アメリカで出産すれば違ったかなと思います。
こちらに戻ってからは、子供の世話を本当によくしてくれるようになりました。環境かなぁ。
男の人にとって、環境って大きいでしょうね、きっと。(想像で書いてます)
私たち女性って、妊娠してしまったら、「環境がどうのこうの」なんて言ってる暇はありませんもん。おなかは大きくなるし、出産日は近づくし。
男性はそうやって体で感じられないぶん、頭でワークライフバランスをコントロールしなくちゃいけないし、加えて妊娠中の奥さんとベビーを養わなきゃ!という責任感もあるでしょうしね。
かと言って、会社が「じゃあ君は、子育てしてきて良いよ」とお膳立てしてくれるわけではないので、どこかで「今日は帰ります」って言えなきゃ、日本では子煩悩パパにはなれないでしょうね。
男性たちも、できることなら、もっとパパになりたいんじゃないかな〜。