
「戦争できる国」の意味
こんにちは、Erinaです。
私が日本に住んでいた頃、アメリカという国に夢を持っていました。
実際にアメリカに住んでみて13年。
日本とアメリカの二つの国を知って感じたことは、「どの国にも良いところと悪いところがあり、完璧な国なんてない」ということでした。
私は日本とアメリカの二つしか知りませんが、きっと別の国々で生活したことのある人たちもそう思うのではないでしょうか。
私がこの結論に達したとき、自分にぴったり合う場所を探したり、今いる場所の欠点を直そうとするよりも、生活することになった場所でどうやって幸せになれるか?を模索するほうが、賢い生き方だと思ったのです。
アメリカは(今のところ、そしてしばらく先は)世界で強い国です。それは軍事力というものを考慮に入れた場合。
しかし、アメリカは世界で一番素晴らしい国か?と聞かれたら、「ノー」と答える人(それもアメリカ人)は、きっと想像以上にたくさんいます。
もし、今の日本が、「戦争に行くこと=強い国」だと思っているのなら、ちょっと考えて欲しいと思います。
今の日本に必要なものは「戦争できる権利」だと思っているのなら、ちょっと考えて欲しいのです。
現在、軍事国のアメリカは、過去最大の借金を抱え、教育・医療・テクノロジーなどの分野にかけるお金がありません。
戦争に行く代償として、アメリカの子供たちの音楽・美術・体育の授業がなくなり、先生たちはもちろんレイオフされました。
医療問題は深刻で、必要な治療を受けられない人がごまんといます。この世界GDPトップ国で、ですよ。
戦争から帰ってきた軍人たちはPTSDに悩み、社会復帰できない人たちはホームレスになり、街中に溢れています。私のオフィスの外にも(たった今)ホームレスたちが新しいキャンプを作っています。
ミリタリーファミリーの離婚率も上がります。
海兵隊員(マリーン)と結婚して10年の知人女性は、未だに、旦那さんと離れ離れになる生活と、精神的に不安定な生活の辛さに慣れず、慢性的なうつ状態になっています。5歳になる一人娘の子育ても楽しめず、新しい土地にもなじめず、長期で里帰りするたびに親と喧嘩しては、最悪の親子関係になっているそうです。
「日本も絶対にこうなる」とは言いませんが、「戦争をする国の行く末」としてのアメリカを、私たち日本人は今、客観的な目で見るべきだと思うのです。
戦争当事国に住んで13年、戦争することで起こる損害は並べられても、利点は一つも挙げられません。
だからと言って、アメリカは戦争をやめないでしょう。
戦争はアメリカという国のアイデンティティの一部だからです。
では日本は?
日本という国を現したとき、そこに「軍事国」という言葉はあるでしょうか?
「敗戦国」という言葉はあっても、現在進行形の戦争当事国ではありません。
敗戦国で何が悪い?
平和ボケで何が悪い?
戦争を知らないで育ったことを、日本の子供たちが誇りに持てるような国にすることが、私たちの仕事だと思いませんか?
私はそう思います。
親が戦争に行かなくて良かった。
友達が戦争に行かなくて良かった。
知り合いを戦地で亡くさなくて良かった。
国が軍事費に国家予算を割くのではなく、義務教育で音楽と体育と美術の授業があってよかった。
出兵準備より、合唱コンクールや運動会が思い出で良かった。
日本の全国民医療と教育を受けられて良かった。
私は心からそう思うのです。
「戦争に行きたくない」
当たり前です。
行きたい人は一人もいません。
行かせたい親だって一人もいません。
そうやって正直に言える若い世代のほうが、自分たちの将来と命のことを誰よりも真剣に考えています。
でも戦争当事国になってしまったら、行かなくちゃいけなくなります。
誰かが行かなきゃいけないから、誇りを持ってみんな行くんです。
行かなきゃいけないから、行く
行かせてあげなきゃいけないから、行かせる
そんな時代が日本にはもう来ないように。
今の日本に必要なのは、そんな時代ではないですから。
次世代には、Burdenよりも、Legacyを残したいと思いませんか?
アメ10のYukaです。
いつもこういうトピックのErinaさんの視点、すごく共感します。
今一本記事を書いていた所なんですが、ミリ妻(元ですが)をしていると
冷たい言葉をかけて来る人も沢山います。
『自分で志願して行ったんでしょ?強制じゃないんでしょ?わかっていた事なのに』
”行かなきゃいけないから、行く
行かせてあげなきゃいけないから、行かせる”
本当にそうなんです。
誰かが行かなきゃいけない。
平和の中で育った私には、ミリ妻時代の経験はすさまじいものでした。
PTSDで苦しむ軍人や、鬱になる家族、不安定になる子ども。
PTSDに耐えられず、家族を残し自殺した元軍人の友人もいました。
従軍中にPTSD(に限らず足を失ったり、病気)になると、
軍から『保証金』のような形で一生保証のお金が貰えます。
でもそんなお金いらないから、家族を返して欲しいという痛ましい家族の声も聞こえてきます。
一体何の為に。誰のメリットの為に。
そんな事ばかりを考えるミリ妻時代でした。
Yukaさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
アメ10での記事も読ませていただいてます。
それこそ、ミリタリーだけじゃないですけど、「知っていたら結婚しなかった」「現実を知って結婚を考え直した」っていうのも私はアリだと思うんですね。
「恋愛」っていう勢いを含んだ感情だけで乗り切れるほど、「結婚」って楽じゃないです。
「それまでの愛情だった」って言われたら、確かにそうかもしれません。
でも、結婚は現実だし、生活だし、人生と命がかかってます。子供なんて生まれちゃったら、夫婦2人だけの問題じゃありません。
私は若い頃、アメリカ(というかサンディエゴ)に来て、ぼんやりと思ったことがありました。
それは「ミリタリーの人とは結婚できない」(ミリタリーだけじゃなく、警察も消防も)。こう言うと、かなり語弊を招きそうですが、私はミリタリーや警察・消防・医療など、人命救助が仕事の人たちに、他の職業とは比べ物にならないくらいリスペクトしています。
自分ができない、自分が選択しなかったことをやってくれている人たち。
彼らの奥さんたちや子供たちが強いられている我慢とか不安を考えると、同じ妻として、心が張り裂けそうです。
その大変さを理解しているから、「自分のハズバンド」には違う仕事を持っていて欲しかったのです。
この決断で、私は他の幸せを逃したか?ありえます。でもそうじゃないかもしれない。
「あの時、もしこうだったら・・・」って私はノンセンスなのでやりません。「今」しかないし、この「今」が最高だから。
ただ、「知識がある」ということが、幸せの形に何らかの影響を与えられるとしたら、知って損にはならないと思うんですね。
Yukaさん夫婦のように乗り越える人だってたくさんいます。
ミリタリーファミリーであることを、心から楽しんでいる人たちだって、たくさんいます。
だから、「自分はどうだろう?」ってまずは考えて欲しい。相手じゃなくて、まずは自分。
・・・と、記事の主旨からはちょっと外れてしまいましたが、ミリタリーを持つことで起こるConsequenceを知ってもらいたいですよね。