理解しようとすること

こんにちは、Erinaです。

 

私はアメリカに来て、一番自分にとって良かったなぁと感じることは、「世の中には異なる人たちが本当にたくさんいる」と知ったことでした。そして私はこの事実を実感したとき、「理解しようとすることって大事だな」とつくづく感じました。

 

「何をいまさら?」と思う人もいるかもしれませんが、この事実を実感できるかどうか、日常生活で実践できるかどうかで、アメリカという国を心から愛おしいと思えるかどうかに関わってきます。

 

日本では、みんな似たような教育を受けてきて、みんな似たような人生設計があって、他人の行動に「だいたいの予測がつく」ということが多いです。団体行動向きというのでしょうか。

 

アメリカでは、そういうCommon Ground(共通点)を見つけるには多大なエネルギーが必要で、しかもみなさん自己主張が強い。笑

なので、「いったい、どういう経緯であなたはそれをしてるの?」と首をひねることがとてもたくさんあります。

 

そんな時、一瞬立ち止まって、「きっと、この人はこの人なりの理由があるんじゃないか?」と自分に尋ねるという癖がつきました。

 

 

たとえば、ちょうど今朝のことです。

仕事に向かう、サンディエゴダウンタウンで、毎日通る、ある交差点があります。

 

私が運転している道路は両通行なのですが、交差している道路は一方通行で、I-5(フリーウェイ5番)に入っていく道路なので、交通量がとても多い。

私の対向車線側にいる車たちは、この交差点で左折し、そのフリーウェイに入っていきたいのですが、信号も短く、歩行者もいるので、なかなか左折できません。なので、この車線は毎日のように渋滞するわけです。

 

私は今朝、2台目として信号待ちをしていたのですが、青になっても、前の車がなかなか出発しません。

「どうしたんだろう?また携帯でもいじってるのかなぁ・・・。」と一瞬、思いました。

 

しかし実際は、前の車は意図的に時間を空け、対向車線側の車たちが難しい左折をするために、譲ってあげていたのです。

 

「あぁ、そうか。」

 

と私は思って、イライラしそうな自分にブレーキをかけました。

 

「私からは見えない視界がある。」

 

そう思ったのです。

前の車の運転手からは、対向車線にびっしりと車が列を作り、左折しようとしているのが見えた。だけど、私からはそれは見えなかった。

 

そこで「ったく、何してるんだよ~?!急いでるんだから!!」とイライラしたり、ホーンを鳴らしていたら、どうなっていたでしょうか?きっとそのイライラを他の人(鳴らされた人や聞いた人)にパスオンして、自分も嫌な一日を過ごしていたかもしれません。

 

自分が見えているものは、全体の本当にちょっとだけで、見えてないもの、知らないもののほうが多いわけです。

それを知らないうちに、「この人はこうだから・・・。」と決めつけてしまうリスクは、ネガティブな偏見や先入観を作り出します。

もちろん、アメリカに住んでいる人たちだって、そういう偏見ばかりの人はいて、英語でも”box”と言われますが、「自分の箱の中に入っていて、外が見えない人」と呼ばれます。

 

現実は、他人がどこから来て、何を思って、どうしてそういう行動をとっているのか、100パーセント理解できることはありません。

毎日一緒に暮らしている夫婦や家族だって、100パーセント理解できないのですから、ほんの数秒の時間をシェアしている他人と理解し合えることなんてほとんど不可能に近いでしょう。

それでも、自分からネガティブなエネルギーを発するよりは、「理解しよう」と努力をするほうが、ずっとハッピーだと思うのです。

 

“I’m trying to understand.”(わかろうとしてるんだよ。)

 

と言ってもらえるだけで、人って色々な緊張が緩みますよね。

 

そんなことを思っていたら、直後に、知人(白人男性)がFacebookでこんなポストを書きました。

 

「昨日の夜、運転をしていて、ガソリンを入れなきゃいけないと気づいたので、銀行のATMに寄ろうとしたんだ。

そこで、財布を忘れたことに気づいた。ガソリンはほぼどん底だし、どうしようかと思って、一番最初に見つけたガソリンスタンドに入った。小銭をかき集めたら、1ドル40セントあったので、それをとりあえず持って、レジに並んだ。店員は、ちょっとぽっちゃりめの若いメキシコ人の男だった。

 

『財布を忘れたので、これしかないんだけど・・・。』と言うと、『OK。家に帰るぶんはありそう、ボス?』とその店員。

僕は『あぁ、たぶん大丈夫だ。』と言って、その1ドル40セントを渡して、パンプに戻った。

 

普通なら、渡した金額分しかガソリンを入れられないはずなのに、3ドル17セント分のガソリンが入ったんだ。僕は驚いて、レジに戻った。

『いや、助かった。なんだかすまなかったね。』と言うと、『いや、心配しないで。ちょっと余分に入れておいたよ。あなたが無事に家に帰れることのほうが大事だから。』とその若い店員が答えた。

 

僕はその時、人の温かさにとても感謝できた。

人類にはまだまだ、希望がある。お互いをケアすることができるって。

 

白人たちが、メキシコ移民に対して弾圧的な発言をしているけど、本当にそうなのか?

メキシコ人、ネイティブアメリカン、黒人、だれでもそれは「自分」の反映でしかない。もし、嫌な人間が周りにいるのなら、それは「自分」の反映なんじゃないか?」

 

 

彼は最後に、名前も知らないその若いガソリンスタンド店員へのお礼でこのコメントをしめました。

アルバイトかもしれない若い男性店員が、こういう温かい計らいをしたことは、多くの人の心に届いたし、「人間もまだまだ捨てたものじゃない」と感じたようです。

 

そして、こういうことがあるから、やっぱりアメリカが好きだ、と私は思ったのです。

 

I’m just trying to understand.

 

自分も人間でよかったなぁ。

 

 

 

 

 

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