
マーク・ザッカーバーグの育児休暇について
こんにちは、Erinaです。
Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグと奥さんは現在妊娠後期に入り、そろそろ臨月のようです。
出産が近いそうで、彼はこんな声明を出しました。
「奥さんの産後2ヶ月、僕は育児休暇を取ります。」
この宣言は様々なところで取り上げられ、「素晴らしい!」とか、男性がもっと子育てをするための先駆者だというような賞賛の声が挙がっています。
私自身、第二子である娘を産んだ後、育児休暇をとるために仕事を辞めました。ベビーとbondingする時間はとても貴重な体験だったし、それは現在の子育てにポジティブな効果を与えています。
ただ、私がこのニュースを聞いていて感じるのは、父親(または母親)になるということは「育児休暇を取ること」ではないということです。
ザッカーバーグが、現時点で、どれだけ奥さんの妊娠・出産にinvolve(積極参加)しているのかはわかりませんが、ご存知の通り、子育ては最初の2ヶ月だけではありません。
確かに最初の2ヶ月はとても重要でしんどい時期ではあるものの、「親になる」というミッションは人生を通して続くもの。
つまり、彼の父親としての真価は、育児休暇から戻った後に問われると思うのです。
そしてそれは共働きならなおさら、です。ザッカーバーグの奥さんはドクターで、産後に職場復帰をする予定なのかわかりませんが、もし彼女がそうしたいなら、させてあげられるパートナーとしても彼の力が問われると思います。
子どもは、親の都合なんてお構いなしにぐずるし、熱を出すし、吐くし、怪我をします。笑
明日の朝早くに、大事なミーティングがあってもです。
仕事でくたくたなのに、明日提出の宿題に手をつけてない、とか言われます。「どうしたら良いのかわからなかった」とか言います。
何もしたくない時でも、子どものために夕食を作らなければならないし、明日のランチを用意しなければなりません。
それが「親になる」ということです。
育児休暇は、あくまで休暇で、子育てをするための「休暇=バケーション」です。(本来の目的は、ママの体を休めることだと思いますが)
これは限られた人が享受できるprivilege(特権)であり、恵まれた環境にいることを自覚させられます。
世の中には、出産直後にも働かなくてはいけない親がごまんといて、それでも子育てと両立しているパパやママがたくさんいます。
だから、育児休暇を取ったら偉いとか、父親の代表だ、という考えはちょっと違うのでは?と思うのです。
私の周りのパパたちは、奥さんの産後に2ヶ月の育児休暇を取った人はいません。だけれど、毎日、彼らは「パパ」としての仕事を全うし、素晴らしい父子関係を築いている人ばかりです。
朝は奥さんが仕事に行く準備をしている間に、子ども達に朝食を作って食べさせる。
娘の髪をとかし、ポニーテールをする。
子どもの顔にジャムがついていないかチェックし、拭く。
奥さんと交代で、学校に子ども達をドロップオフする。
自分の仕事に行く。
仕事から帰ってきたら、子どもを学校からピックアップする。
子どもを習い事に連れて行く。
夕食の準備をして、食べさせる。
キッチンの片づけをする。
明日のランチとスナックを用意する。
子どもの宿題をチェックする。
子どものシャワー&歯磨きを手伝う。
子どもにベッドタイムストーリーを読んで寝かしつける。
これ、私の周りのパパたちにとっては、いたって「普通」のことです。奥さんと交代でやるものの、中にはシングルファザーだった人たちもいるし、それも子どもが2人という人もいます。
彼らは、「僕はイクメンだ!」とかステータスのためにやっているわけではありません。
“This is my job as a father.”
(これは父親としての自分の仕事)
なのです。
結果として、子ども達は、そういう父親たちを「自分の人生において、なくてはならない存在」ときちんと受け止めるようになります。母親に相談できないことも父親には言えるとか、父親の尊厳とかユーモアとか、そういうものを人生のスパイスとしてきちんと味わえる子ども達になっていきます。
「子育て」という体験は、確かに人生を豊かなものにしてくれるし、想像できないことで溢れる特別な贈り物です。
ザッカーバーグ自身が、「僕の人生において大事なもの」として楽しみにしていることは素晴らしいと思いますが、父親(でも母親でも)になるということは、一生続くマラソンであることを忘れてはならないんじゃないかなぁと思うのです。