
良い親と良い子
こんにちは、Erinaです。
よく「おたくのお子さんは本当に良い子ですね」とか「良い子に育って欲しい」なんて聞きますが、「良い子」ってどんな子どもか、考えたことはありますか?
大人の話を良く聞く子
勉強ができる子
お手伝いができる子
弟妹の面倒を見る子
親にとって「都合」の良い子
・・・と具体的に挙げてみたら、たくさん出てきそうです。
つまり、「良い子」という言葉の定義はとても曖昧で、人によって異なりそうだということ。
ちなみに、私にとっての「良い子」とは、子どもらしい純粋な好奇心を持ち、喜怒哀楽の感情がある子どもです。
特別に勉強ができるとか、大人だけのディナーテーブルで一時間座っていられる子、という意味では全くありません。
時には失敗もするし、調子に乗っておちゃらけることもある。悲しいときには泣いて、楽しいときには笑う。
私たちと同じで、「自分らしさ」を出せる子どものこと。
ではでは、「良い親」ってどういう親のことか、考えたことはありますか?
私たちは親になると、「自分は良い親だ」と思いたいし、そうなれるように努力したいと思うはずです。
悪いことは悪いと教えられる親
しつけができる親
子どもを有名大学に入れられる親
おいしい食事を用意できる親
・・・などなど、これも10人の親がいたら10通りの答えがあるはずです。夫婦間でだって、全く同じじゃないかもしれません。
どうですか?
みなさんの答えはどんなものでしょうか。
私自身が親として「こうありたいな」という姿というのは、子どもが必要なときにそこにいてあげられて、人間としてインスパイアできる親。
子どもが必要なときにそこにいてあげるためには、毎日の生活で彼らの話に耳を傾け、彼らが現在、どんなものに興味を持ち、どんなことを考えているのか理解する必要があります。
私の視点ではなく、あくまで彼らの視点をリスペクトし、「そういう見方もあるのね」と自分にインプットするわけです。
もちろん、私は「親」で、彼らは「子ども」なので、ファミリーのルールを決める権限は私と旦那にあります。だけど、まずは子ども達の意見や考えも、きちんとテーブルの上に乗っけて、それから判断しよう、というのが私たちのスタンスです。
人間として子ども達をインスパイアするためには、自分自身も常に成長しなければならないし、それを子どもにも見せる。「ママにだってわからないことはある」と言うし、だから一緒に調べようとか、私にも教えて、という気持ちを忘れないようにしています。
昨今話題の「公共の場所でどう振舞うべきか」というのも、親が他人に迷惑をかけない行動を見せていれば、子どもだって自然とその姿にインスパイアされ、一人の人間としてどう振舞うべきかを身につけていくはずです。
子どもがベビーのうちは、毎日のケア(食べさせる、清潔にする)という「作業」にかける時間のほうが多くて、「人としてインスパイア」という機会はそれほど多くはないかもしれません。だけれど、少しずつの積み重ねは、ある日、パーッと形になり、「自分は間違ってなかったんだな」と思える日がやってくるのです。
私は子ども達が成長するにつれて、Erinaというひとりの人間として、無理せず、自分らしい母親であるために、こういう結論に至りました。
たとえばここで、「良い親とは、毎日のランチを手作りできる親」という自分に向かないEntitlement(エンタイトルメント:「これはこうあるべき!」という固定概念)を自分で課してしまっていたら、きっと自分をものすごく苦しめてきただろうし、できない現実とのギャップに自分を突き落としていたことでしょう。
2年生の長男の担任とのカンファレンスで、こう言われました。
「先日、うちのクラスにいる少し問題のある子どもにこんな質問をしたんです。クラスの中に『こうなりたいな』って思える子はいる?って。そしたら、その子は長男君の名前を挙げました。長男君は自分の仕事をきちんとやり、人助けも上手だから、とそのクラスメートは言いました。私はその子に、あなたもそうなれるんだよ、と言いました。」
私と旦那は、思いもかけなかった担任からの言葉に、少し涙目になりました。
“He is a good citizen. You guys keep up with the good work.”
彼はとても良い市民(=団体の中で、他人とうまくやっていける人間)ですよ。(親としての)良い仕事をそのまま続けてくださいね。
子ども達も頑張ってる。
私たち親のいないところでも、頑張ってるんだ。
親の見えるところ(成績とか家での態度とか)だけで、「良い子かどうか」なんて測れない。
そういうことに気づいたのです。
これから10年、20年後にうちの子ども達がどうなるか、私にはわかりません。
私が「良い親」かどうかなんて、答えは今わかるものではありません。
子どもと一緒に、私たちも親として成長する。
完璧な親なんていないし、完璧な子どももいない。
大事なのは、親と子どもが二人三脚で少しずつ前進しようね、と思えることじゃないでしょうか。