
ドゥーラ・貴代さんとの出会い
こんにちは、Erinaです。
今日は、私自身の体験をもって、ドゥーラというお仕事をしている若山貴代さんの紹介をしたいと思います。
貴代さんのお仕事についてはこの記事でも書いてみました。
どうして彼女を個人的に紹介したいかというと、彼女のお仕事を一口でまとめることはとても難しく、かつ理解している人はとても少ないということ。しかしながら、現代社会では彼女のような役割はとても重要でありながらも、それを理解して利用している女性はとても少ないからです。
この記事をきっかけに、私たち女性が自分のからだと健康について考えるきっかけになったり、貴代さんに限らず、身近なドゥーラや、それに似たお仕事をする女性と出会うきっかけになれば良いなと思います。
また、独身・既婚・妊娠・出産の体験があるないに関わらず、全ての女性に読んでもらいたいですし、もちろん男性、特にパパさんたちにも読んでもらえると嬉しいです。
このブログでも何度か出てくるドゥーラ(またはデューラとも。Doula)というお仕事をする若山貴代さんは、「女性のからだ」のプロ。
産婦人科というメディカルな視点とはまた異なり、もっと私たちの生活や自分自身に密着した視点で「女性の健康」を考えます。
例として、私の貴代さんとの出会いを今日は書いてみようと思います。
「ドゥーラ」という言葉を初めて聞いたのは、2007年冬。長男を妊娠した時に、”Prenatal Class”と呼ばれる両親学級に参加したときのことでした。そのクラスの講師はアメリカ人女性で、彼女はドゥーラというお仕事をしている人でした。
それから年明けの2008年に長男を出産、続けて2009年11月に長女を出産した私は、「妊娠・出産はもう終わり!」と思っていたものの、からだの不調に困惑していました。
出産から半年が経ち、生理が再開すると、その生理痛は今まで以上にひどく、出血も多いものでした。生理時期になると、体温調節ができなくなり、寒いのに冷や汗が止まらなくなったり、暑いのに汗が出なくなったりしては、風邪を引いていました。毎月です。
「どうもおかしいなぁ・・・。」
まずはファミリードクター(内科医)にかかりました。
血液検査もし、甲状腺に異常はないと診断されたのですが、血中のビタミンDが低いので、多めにビタミンD剤を処方されました。
それでもなかなか体調は良くならず、また辛い冬がやってきたのです。私はからだも気分も重いまま、2010年を過ごしました。
そんな時に、友人が貴代さんを紹介してくれました。それ以前に貴代さんと面識はあったのですが、個人的な相談をしたことはありませんでした。
「貴代さんに相談してみなよ。」
そう言われて、私は2010年末のある日、貴代さんとスターバックスで待ち合わせをしたのです。
私の状況をすべて説明すると、貴代さんは一言、こう言いました。
「子宮が疲れちゃってるのね。」
子宮が・・・疲れる?
そんなフレーズは初めて聞きましたが、本能的にドキッとしました。
私:「子宮が疲れてる、ってどういうことですか?」
貴代さん:「うん、二回立て続けに妊娠と出産をして、あなたの体が回復する時間が足りなかったのよ。だから、今、それを回復させるために体、特に子宮が頑張ってるの。」
私:「はぁ、確かに一人目の出産後、体調が完璧に戻ったとは思えなかったです・・・。」
貴代:「そうでしょ?」
私は自分(の気持ち)は回復したつもりでいても、からだがそれについてこれていなかったのだと自覚しました。
私:「それで、どうしたら良いですか?」
貴代:「うん、ちょっと栄養のブーストが必要だから、ドクターにもらったビタミンD剤に加えて、マルチビタミンも多めに摂って。ビタミンDだけ摂るより効果的に吸収されるの。」
私:「わかりました。」
貴代:「で、後は生活スタイルね。」
私:「はい?」
貴代:「靴下はどんなのを履いてる?」
私:「え?靴下ですか?」
と二人でテーブルの下の私の足元を覗きます。
私:「あの、足首ソックスです・・・けど・・・。」
貴代:「うん、ハイソックスを履きましょう。足首が隠れるやつ。」
私:「ハイソックスですか?」
貴代:「日本語で足『首』って言うでしょ?手『首』とか。『首』という漢字がつく部位というのは、その先に血液を送るとても大事な部分なの。血管が皮膚の表面にも近いから、外の温度の影響をとても受けやすいのね。ホラ、私も今日はだからハイネック着てるの。」
私:「ほ~。確かに、私はいつも足も冷たいし手も冷たいです。」
貴代:「でしょ?だから、まずはハイソックス。」
私:「わかりました。メモメモ・・・・。」
貴代:「あとは『生姜』。」
私:「生姜ですか?」
貴代:「うん、生姜とベストフレンドになってください。」
私:「どうやるんですか?」
貴代:「すりおろしてお湯に入れて生姜湯にしたり・・・スライスを料理に入れたり・・・。」
私:「なるほど~・・・。しばらく使ったことありませんでした。」
貴代:「生姜というのは体を温めてくれる素晴らしい食べ物よ。今のあなたにはとっても必要なもののはずだから。」
私:「そうですね。」
確かに私は子供の頃から超がつく寒がりで、どこに行っても寒かった。朝の血圧はものすごく低くて(35/60とか)、寝起きも悪く食欲も無い。この体質を改善できるなら、何でもやる!と思っていたくらいだったのです。
貴代:「あと、体を温めるものはお味噌。お味噌汁、食べてる?」
私:「う~ん、まちまちですね。うちは旦那が料理担当なので。」
貴代:「そう。旦那さんが料理してくれるのは良いことだけど、足りない何かを補う必要があるかもね。」
私:「そうですね。いつもスパゲティとかアメリカン料理です。」
貴代:「うん。日本人が和食を食べてきたのには、やっぱり理由があるのよ。アメリカ人と日本人では体のつくりが同じではないしね。男女ならなおさらよ。」
私:「そうですよね・・・。」
貴代:「かと言って、旦那さんに和食を作ってもらうわけにはいかないし、あなたがいつも料理するわけにもいかないわよね。」
私:「そうですね。どうしたら良いんでしょう?」
貴代:「お味噌汁を作って、足せば良いのよ。」
私:「私の分だけ?」
貴代:「もちろんそれでも良いし。お豆腐を入れただけのお味噌汁を一品、旦那さんの作ったディナーに付け足せば良いの。」
私:「それだけですか?」
貴代:「それだけよ。」
私:「そっか。」
体質改善、と言うと、今ある全てを根っこからやり直さなきゃいけない、と思っていた私は、ちょっと気が抜けました。
私:「そんな簡単なことで良いんですね。」
貴代:「そうよ。」
私:「もっと大変かと思ってました。でもこれってちょっと意識を変えるだけでできそう。」
貴代:「でしょ?大変なことは続かないもの~。」
私:「運動はどうですか?来年から、ヨガをやろうと思ってるんですけど。」
貴代:「うん、ヨガは良いわね。ずっと運動してたの?」
私:「えぇ、子供が生まれるまではずっと、かなりハードに運動してました。でも今はそういう気分になれなくて・・・。」
貴代:「そうなんだ。ヨガはなら良いと思いますよ。」
そんな会話を約3時間(笑)かけてお話した私は、「まずは小さいところから始める」という意識に切り替えたのでした。
あれから5年。
家では常に(気分も明るくなる超派手な)ハイソックスを履き、生姜はベストフレンドになりました。
豆腐の味噌汁に加えて、冷凍できる油揚げや納豆を冷凍庫に常備。(何せ日本スーパーに毎日行けないので)
ヨガも細々と続けて5年になりましたが、「どうして妊娠前にやっておかなかったんだろう?!」と思うくらい、ヨガは女性のからだにベストな運動だと感じました。これまで、テニスやジョギングなどの、体を消耗するスポーツばかりが健康だと思っていましたが、その考えも覆されたのでした。
そして何より、「健康は大事だ」と思えるようになったのです。
私が貴代さんにあのスターバックスでアドバイスをもらっていなければ、おそらく何らかの病気にかかっていたと思います。これはお世辞でもなんでもなく、自分のからだの声であり、それを無視してしまうことの恐ろしさに気づいたのです。
その後、私はフルタイムの仕事に復帰し、仕事をしたらしたで様々なストレスにも囲まれるわけですが、そのたびに自分のからだと対話をし、いたわるという教訓を貴代さんに教わった気がします。
現代女性は、忙しさに追われ、自分自身の心とからだと向き合う機会がなかなかありません。
そんな中、情報だけが氾濫し、「これをすれば良い」「これはダメだ」という言葉だけを鵜呑みにするコンビニエンスなライフスタイルだけが溢れています。私はそういう生活をする女性の典型でした。
しかし、子供が生まれ、彼らの成長を見ていたいと思ったとき、大事なのは周りとの比較ではなく、自分の中のものさしをきちんと使うことだと感じたのです。
妊娠と出産を含めた過去8年間の体験は、女性としての自分自身と向き合うためにとても意味のある時間だったと思います。
そしてそれに気づくお手伝いをしてくれた、貴代さんを含めた全ての人たちに感謝の気持ちでいっぱいなのです。
貴代さんとはこの5年間、様々なお話をしました。
自分のココロとからだ、家族、結婚、仕事、友人・・・私たち女性には大切なものがたくさんあります。
守りたいものがたくさんあります。
その中でどうやって自分がハッピーでいられるか。
一人でも多くの女性が、私たちの言葉を読んで、自分なりの幸せと健康を見つけるお手伝いができたら良いな、と思うのです。
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