アメリカでご近所さんと子育て
どうもこんにちは、Erinaです。
私事ですが、我が家は先月、新居に引っ越してきました。
今まで住んでいたサンディエゴダウンタウン~海岸沿いに比べると、アメリカのサバーブ(suburb)と呼ばれるような、住宅街です。
サンディエゴは世界でも有名な観光地であり、ダウンタウンや海岸沿いというのは、一年中、観光客がやってきます。通学路に”Hotel Del Coronado”などの有名な観光スポットがあったり、イベントがあれば近所に見知らぬ車が溢れたり、町全体が世界からの観光客を相手にしています。
今回、引っ越してきた場所は観光地ではなく、地元サンディエゴ民(サンディエガンと呼びます)が住み、仕事や学校に行き、いわゆる「ふつ~の生活」を送るエリアです。
母の日のあった先週末、サンディエゴは猛暑でした。内陸部にある我が家の日中の気温は、摂氏33度になりました。
このご近所の多くの家にはプールがあるのですが、我が家にはまだなく、この夏に建設予定。それでも水遊びが大好きな子供たちのために、ビニールのウォータースライダーを買いに行きました。しかし、膨らますのが大変な上に、膨らましたら、ホースの接続部分が合わない・・・・。
子供をがっかりさせたのは、土曜日の夕方5時のことでした。
一日中、真夏日の中をワクワクさせて、本当に申し訳ないなと思っていた頃、「ピンポーン」とドアベルが。
そこには、お向かいさんのソニアさんが立っていました。
お向かいに住んでいるのは、50代後半~60代のご夫婦。
3歳の孫娘(サマヤ)は、ママが日中、働いている間はこのおうちに預けられます。我が家の3歳の娘は、この孫娘と仲良くなり、道で見かけるたびに「サマヤと遊んで良い?」と言うようになりました。
ソニアさん:「暑いでしょ?子供(孫)たちが来てるから、うちのプールにいらっしゃいよ!」
私:「ありがとう~!!You are a life saver!実はね・・・・・。」
と我が家のビニールプールのことを話すと、
ソニアさん:「なら、なおさら来なさい!明日は母の日のパーティもやるからぜひ来て!」
と招待され、夕方5時、海パンで一日待機していた子供たちを連れて、道の向こう側へ。
ソニアさんのおうちには、孫娘のサマヤと、パーティ用にジャンパーを持ってきたという知人の子どもたち二人(7歳と5歳)がすでにプールで遊んでいました。プールには色とりどりのビーチボールや、水鉄砲、浮き輪があり、我が家の子供たちの目がパ~っと開くのがわかりました。
私たちはソニアさんとおしゃべりをし、子供たちはプールで遊んだあと、そろそろ家に帰って夜ご飯でも・・・・と思っていた頃。
「ホットドッグ、食べていきなさい!」
とソニアさんがさっと子供たちにホットドッグを用意しました。
我が家は、旦那がすでに家で夜ご飯をしたくしている最中だと伝えると、「持って帰って食べなさい」と快く子供たちにホットドッグとチップスを入れた紙のお皿を手渡してくれました。
私は、ソニアさんの家を出て車通りのない道路を渡っている間、バスタオルにくるまった子供たちと紙皿に載ったホットドッグを見ながら、「これってすごいな・・・」と思いました。
子供たちは、すでにバーベキューをしていたうちの旦那に「これ、もらったの~!」と大喜びで伝え、ちゃっかりとそのホットドッグを夕食に食べ、明日も遊びに行けることを楽しみにしていました。
私はそんな姿を見て、旦那にこう言いました。
私:「こんなこと、体験したことない。ご近所さんが、自分の家の子供のようにこうやってみ~んなひっくるめて面倒見てくれるの。自分の家は目の前なのに。」
旦那:「アメリカでは当たり前なんだよ。」
私:「きっとそうなんだろうな、って思った。でも、前の近所ではなかったじゃない。みんなリタイヤしたご夫婦とかばかりだったから、子供がいなかったもんね。」
旦那:「うん、良い近所に引っ越してきたよね。」
子供ができて、アメリカ人の優しさに触れることがすごく増えましたが、ここまでの手厚い愛情には本当に感謝です。
「うちの子供、よその子供」ではなく、そこにお腹の空いた子供たちが並んでいたら、みんなにホットドッグをあげる。そういう分け隔てない愛情こそが、母親、父親、なのかもしれません。
もちろん、私もご近所さんの子供たちのケアをしてあげたいし、こうやってみんなで子供を育ててきたんでしょう。そして、きっと昔は日本もこうだったんでしょうね。
次の日は母の日。
お昼からお花とビールを持って(笑)、またまたお向かいさんの家にお邪魔します。もちろん、子供たちは水着にビーサン&浮き輪姿。笑
そこにはティーンの男の子から9ヶ月のベビーまで、幅広い年代の親戚&知人が家族ぐるみで来ていました。
同年代の子供たちとしか遊ぶことのなかったうちの息子は、ちょっと年上の男の子たちを見てプールに飛び込みをしたり、シャイな娘も初めて会った子供たちと仲良く遊んでいました。
見た目がちょっといかつそうなお兄さん(後にソニアさんの弟だと判明。見た目若すぎ)が、プールの向こう岸でうちの息子に何かを教えています。私には言葉は聞こえないけど、息子は教えられたことを聞いて、なんだか楽しそうに遊んでいます。
年上の子供たちは、自然と年下の子供たちには手加減をしたり、目線を下に落とすことを知っています。
危ないことをする子供たちは、自分の親じゃない大人にも叱られ、それを素直に聞き入れます。
「これはお金では買えないな~・・・・」としみじみと感じた週末。
子供を巻き込んだ犯罪への対応や、核家族化が進み、アメリカでもご近所とのつき合いが薄れていっている場所もあります。
だけど、両親だけでは教えられない人間関係、年の違う子供たちとの遊び、親じゃない大人から叱られること、教わることが、子供たちにとって本当に大切なことなんだと感じました。
ここで親として自分ができることは、「させてあげること」だと思いました。
私の母も言いましたが、これは私たち夫婦が積極的に夫婦づきあいをしようという姿勢があるからできたこと。特にうちの旦那は誰にでも人懐っこく、それを子供たちは見て育つのです。
なので、相手に関係なく、子供たちが楽しんでいるときは、楽しませてあげる。
誰かに叱られているときは、叱ってもらう。
プールの向こう側でのやりとりを見守り、子どもたちの動きを観察し、自分の子どもと周りの人たちを信頼する。
もちろん、親からのしつけや礼儀が備わっているのは最低限のルールですが、それ以上は親だけではカバーしきれませんもんね。
ちょうど良い距離感というのを、親子でもご近所でも保っていこうと思いました。