
A先生でわからなかったら、B先生に聞け!
こんにちは、Erinaです。
今日は少し、教える側の視点で書いてみたいと思います。
勉強する上で、先生との相性って大事です。
私の好きなTEDトークで、「子供は、嫌いな人間からは学ぼうとしない」と言ったあるスピーカーがいました。この言葉は、当時、教職という道を考えていた私の心にグサリと刺さり、他のどんな言葉よりも頭に残りました。
私が日本の中学高校時代、数学の落ちこぼれだったことは何度も書きましたが、アメリカに来て、数学をこんなに心から愛することになった(笑)きっかけはいくつかあります。
その中でもやはり、「好きな先生達に出会えた」というのはとても大きい要因です。
数学を面白い!と思わせてくれる先生達との出会いは、もっと勉強したい!という純粋なモチベーションにつながったし、数学という学問自体への興味が生まれたわけです。
私の中高時代、中学3年間、高校3年間は、それぞれ同じ数学教師でした。
「先生のせいにするな」という厳しいお言葉ももらうかもしれませんが、やはり人として「好きだな」と思える人たちではなかったし、「(数学が)わからない」という人間としての恐怖心を受け止めてもらえるかどうかというのは、生徒にとっては死活問題であり、当時の私は、彼らに受け止めてもらえるとは思えなかった。
今、そんな当時の自分に言えるとしたら、こう言います。
「他の(好きな)先生のところに質問に行け」
というのも、A先生の授業でわからなかったことも、別のB先生の説明でわかるようになる、というのは想像以上に頻繁に起こるからです。
皆さんも、こんな経験はありませんか?
一つの出来事(またはアイディア)を、Aさんから聞いた時には理解できなかったけど、Bさんから聞いてわかったという経験。
これってどうして起こるのでしょうか?
同じ出来事(またはアイディア)のはずなのに、人(情報の伝え手)によって、
- 言葉の選び方や使い方
- こちら(情報の受け手)の反応を読み取る能力
- 声のトーンやエネルギー
などが異なり、結果として、話のクオリティが異なってしまうから。
つまり数学も同じで、「一次方程式」とか「微積分」というアイディアも、教師という「伝え手」を通り抜けて、生徒という「受け手」にやってくるわけで、伝え手が違えば、受け取り方が違ってくるのは当然のことです。
実際に、教壇の上で、30人の「受け手」の前に立ってみると、「全員が理解するように伝える」ということの難しさがわかるようになりました。
こちらの持っている100%のものを伝えたいけれど、やはりそこにいる30人全員が、自分の持っている100%を理解してくれるかというと、とても難しいことです。
ベテランの教師や、多くの学生の支持を得られる教師というのは、やはり、15人よりは20人、20人よりは25人、25人よりは29人に伝えられる人のことであり、そこにいる「大多数」が何を必要とし、何を受け止められるかを知っている人ですね。
もう20年以上、カレッジで数学を教えているうちの旦那ですが、私が伝えることの難しさについて質問した時、こう言いました。
「教えるっていう仕事は、プレゼンテーションをすることだ。数学というコンセプトを、どうやって相手(学生)に伝えるか、色々なツールをもっていなきゃいけない。」
30人いれば、そのトピックに対する事前知識や、理解能力やスピードにも幅があります。パッとわかる人もいるし、その言い方じゃわからない人もいる。
それでも、29人に伝えられる教師というのは、その方法を知っているわけですね。
だから私は、教える立場として、「一度の授業でわからなくても全く問題ない」と思うし、だからこそ、「授業でわからなかったんですけど・・・」と質問に来てほしい。授業ではたどりつかなかった言葉選びも、授業の外ではできるかもしれないし、その子に合った説明をできるから、先生にセカンドチャンスをあげてほしい。
それでもわからなかったら、別の先生、それも自分が「この人の言ってることならわかる」と思える先生のところに質問に行けば良いと思うし、先生達っていうのは「キミはうちのクラスの子じゃないから・・・」なんて言わないはず。
先生の、それもたった一人の先生との相性のせいで、数学を嫌いになってしまうのは本当にもったいない。それくらいなら、別の先生のところに質問に行って、全然良いよ!と思うのです。
私たちだって、大人になって、「気があう人」を選り好みします。
言葉の選び方が好き、波長が合う、なんとなく一緒にいて楽しい・・・。そうですよね?
だけど、それって知り合い全ての中の一握りです。
なのに、子供にも「どんな先生でも好きになれ!」を強制するのはちょっとなぁと思うし、先生も一人の人間であり、完全な存在ではありません。
そして、学生だった立場として、「この先生は何を伝えようとしているんだろう?」というところまで踏み込めたら、その学問の世界はもっと奥が深いと気づくことになるし、自分の純粋な知的好奇心を育てることができるのじゃないかなと思います。
だから、「A先生でわからなかったら、B先生に聞け!」なのです。
先述したTEDトークも紹介しておきます。
右下のサブタイトルで日本語字幕も出せます。
スピーカーの Rita Pierson はテキサスで生涯教員だったのですが、残念ながらこのトークの直後に亡くなったそうです・・・。こういう人に大統領になってほしい。
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この方お亡くなりになられたのですね。全く知りませんでした。つい3ヶ月前にこのトークを見たばかりだったので…
話は全く変わるのですが、つい先日 10ヶ月のアメリカでの高校留学生活を終えました。 心が空っぽになっています。空っぽになることをとても恐れていて、帰ってきてやっぱりかという感じです。 大学は日本で行きたいところがあるので、それに向かって頑張ります。しかし、大学卒業後アメリカに戻りたいなと思います。でも現状は知っているし、調べれば調べるほど、アメリカで働くことが難しいのは知っています。 どうすればいいのか心がフワフワしています。わたしのことを知らない人に相談するのもあれなのですが、実際にアメリカで仕事を見つけられたErinaさんからお話を聞きたいです。
レモンさん、こんにちは!
このトーク、見たんですね。亡くなったと知って私もすごくショックでした。
なるほど。
新しい目標があって、それに向かうことは良いことだと思います。
大学に行ってやりたいことをやっている間にも、またきっと新しい目標が現れるはずで、自分のアンテナをアメリカの方に向け続けていれば、自然とそれらの新しい目標も、アメリカに関わったものになるでしょう。
ただ、実際問題として、アメリカで就職できるか、というのは私には何とも言えません。レモンさんがご存知のように、日本からのアメリカ就職というのは、とても狭き門であることは変わりはない。だけど可能性はゼロじゃない。それにチャレンジするかどうかは、レモンさん次第です。
私が思うに、この10ヶ月の留学期間、そしてこれからの日本での大学生活というのは、その「チャレンジしよう」という根気を育てる時期でもあると思います。留学したからアメリカ就職に有利なわけではありません。そのレースに戦う忍耐力が人より強い、ということです。だから、あきらめるのも、挑戦し続けるのも自分次第。
だからこそ、若いうちに色々な経験をすると、そういうenduranceを身につけられるんです。
頑張ってください。応援しています。