
アメリカの5年生国語の通読本
こんにちは、Erinaです。
この記事で書いたように、アメリカの学校では、日本のようないわゆる「国語の教科書」というものがほとんど使われません。
これに戸惑う日本人親は多く、子供の国語力を上げるために、家庭ではどんなことをすれば良いのか?というイメージが湧きにくいのも確かです。
私が小学生の頃と言えば、国語の家庭学習は主に2つ。
- 音読(「正」の字で数えて親がサインする)
- 漢字練習
でした。
しかしここで考えたいのは、国語の勉強というのはこの2つのスキルではカバーしきれないということ。確かに基礎的な国語力のために音読や漢字というのは必須ですが、それを超えた国語の家庭学習というのは、なかなか難しいのが現実です。
なので、音読や漢字練習(アメリカなら単語練習)も家庭でできることではあるけれども、それ以上に、「多くの本に触れる」という体験が何よりも強力になってきます。
そこで今日は、今年一年、うちの娘が5年生の国語の授業で読んだ本を紹介したいと思います。
これは「通読」と呼ばれ、数週間〜数ヶ月を通して、一冊まるまる本を読むというカリキュラムだそうです。
これはアメリカの国語教育ではとても一般的な授業方法で、先生が生徒母体を分析して本を選びます。
例えば、マイノリティが多いエリアではそれを考慮した物語、または時期的(行事や政治的)なことを考慮した物語など、ごまんとある作品から、先生達がカスタムメイドで授業を作るのです。
この記事でも書いたような「チャプターブック」以降は、日本ではあまり聞いたことのない作品がどんどん入ってきて、私も子供達と一緒に読んだり、先生達にどんな作品が使われるかを聞いたりして、リサーチをするようになりました。
今年も例に漏れず、国語(特にリーディング)が大好きだった娘の読書に関心を持った私は、彼女の読書の進捗を確認したり、一緒に読んだりしました。
そんなわけで、娘の国語の授業で使われた作品はこちら:
“Home of the Brave” by Katherine Applegate
スーダンからミネアポリスに移住してきた男の子の物語(詩)。
ブックレビューでも書いたこの作品にも似たところがあるそうですが、アフリカの少年の視点でアメリカ生活を捉えた表現が面白いとのこと。たとえば冒頭に登場する “flying boat” って何のことか想像できますか?
“Out of My Mind” by Sharon Draper
Cerebral palsy(脳性麻痺)で体が動かない主人公はフォトグラフィックメモリーがあり、とても賢い子で…
“Hatchet” by Gary Paulson
この作品の紹介は、過去にブックレビューを書いたのでぜひ読んでみてください。
“Wonder” by R. J. Palacio
映画化もした大人気作品ですね。原作は、登場人物一人ひとりの視点で各チャプターが書かれていて面白いです。
“Because of Mr. Terupt” by Rob Buyea
荒れた5年生のクラスに代行教員としてやってきた Mr. Terupt は子供達の心をつかむのが上手く、クラスはまとまり始めますが、ある冬の日…
“The Thief of Always” by Cleve Barker
ファンタジー&ミステリー作品。ミステリアスな豪邸に招かれた少年は、そこで他の子供達と楽しい時間を過ごしますが、次第にこの豪邸のあやしさに気づき始めます。
これらの本を自分で読んだり、子供と内容についてディスカッションすることで、「国語」という主要科目で、この国の子供達が何をどう学んでいるかを垣間見ることができたし、また、「英語」という言語や、作文スキルへの視点も変わりました。
やはり一つの作品を通して読むことで、「木を見て森を見ず」になってしまうのを避け、全体としての作者からのメッセージを捉える練習になります。
アメリカの国語教育において、このスキルが重要視されているのが小学校の授業形態で見受けられたわけです。
どうでしょうか。